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2015年5月 7日 (木)

幻の一戦

今週土曜の東京メインはプリンシパルS。1996年に新設されたダービートライアルだが、これまでのところプリンシパルSからダービーを勝った馬はまだ出ていない。

だが、惜しいケースは一度だけある。プリンシパルS創設初年度のこと。この年の優勝馬はダンスインザダークだった。

Dance1 

いま思えばダンスインザダークほどの器の持ち主が、わざわざプリンシパルSに出走してきたこと自体が奇跡的に思えてならない。弥生賞を快勝。一躍皐月賞の主役に躍り出るも、レース6日前に発熱して出走回避を余儀なくされた。しかも、その皐月賞を制したのが弥生賞で3着に負かしたイシノサンデーだというのだから、悔しさも倍増である。

こうなればダービーだけは絶対に譲れない。しかし弥生賞から直行では間隔が空き過ぎるし、本番前に東京コースを経験しておくことも必要だ。そこで陣営は万全を期してプリンシパルSを使うことを決断する。こうしてプリンシパルSは、いきなりダービー最有力候補が出走する注目レースとしてその歴史をスタートさせた。

ところで、このプリンシパルには、もう一頭の有力馬が出走を予定していたことをご存じだろうか。この時点で2戦2勝。ダービーの秘密兵器と噂されていたフサイチコンコルドである。

もともと1週前の青葉賞に出走するプランがあったのだが、GWの渋滞に巻き込まれるのを嫌って回避していた。デビュー前に北海道から栗東に輸送したときに、輸送熱を出した経験を考慮してのこと。この時点では、ダンスインザダークとフサイチコンコルドがダービー前に顔を合わせる可能性が極めて高かったことになる。

しかし、話はそう簡単には進まない。首尾よく渋滞を避けてプリンシパルSの前日に府中に到着したフサイチコンコルドだったが、それでもやはり発熱。そのまま栗東に引き返すことになる。両馬とも発熱に翻弄されるあたりが、なんとも示唆的で興味深い。いずれせよ、プリンシパルSでのダンスインザダークとフサイチコンコルドの直接対決は幻に終わった。

Dance2 

もしあのプリンシパルSで2頭の直接対決が実現していれば、1996年のダービーはまた違った結末になっていたかもしれない。だが結果だけが競馬である。2頭の運命は変えようもなかった。

Derby 

 

***** 2015/05/07 *****

 

 

 

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