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2015年5月22日 (金)

桜花賞馬の娘

ダービーやオークスを間近に控えたこの時季の3歳未勝利戦となれば、勢い興味も薄くなりがち。勝ち馬のレースぶりが、その先の馬券に役立つというケースもあまり期待できない。だから未勝利戦はパス。そういう方も多かろう。それは私も理解できる。いったん競馬場の外に出て、うどんでも食べにいこうか……。

だが、先週土曜の東京5Rは牝馬限定の未勝利戦ながら、なかなか興味を惹かれた。出走馬の血統に、馴染みのある名前が実に多かったのである。

3号馬ヤギリヴィーナスはフジキセキの姪。

4号馬ピンクシャンパンの母は牝馬ながらNHKマイルを勝ったピンクカメオ。発汗が凄い。

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6号馬エアリーチューンはバウンシーチューンの全妹。

8号馬アルマニンファは南部杯マイルチャンピオンシップを勝ったゴールドティアラの従姉妹。

9号馬スターウインドは名牝・ベガの姪。

10号馬ネコハッピーは人気馬ネコパンチの半弟。

11号馬ラプンツェルダンスは朝日杯を勝ったセイウンワンダーの全弟。

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14号馬ラセレシオンはペルーサの全妹。

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16号馬アンドトゥモローの母は2006年の桜花賞馬キストゥヘヴン。

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17号馬レオアルテミスはマイネルラクリマの半妹。

なかでも私の興味を引いたのはアンドトゥモロー。その母さん、キストゥヘヴンである。

Kiss 

「ロングバージンの2003」は、2004年10月20日の1歳オータムセールで落札された。価格は970万円(税抜)。比較的廉価で売買されるオータムセールの牝馬としては高い。ところが、その10日後に父のアドマイヤベガが急死。さらに1か月半後の12月12日には母ロングバージンの父であるノーザンテーストが33歳で大往生を遂げる。オーナーの吉田和子氏は、天国のアドマイヤベガとノーザンテーストに捧げるという気持ちを込めて、彼女を「キストゥヘヴン」と名付けた。

桜花賞でキストゥへヴンの手綱を取ったのは、当時JRAに移籍して4年目の安藤勝己騎手。ゴール前で早くも飛び出したガッツポーズを見て―――裁決委員は怒ったかもしれないが―――多くのファンはその気持ちを理解したはずだ。笠松所属だった95年、ライデンリーダーとのコンビで挑んだ桜花賞は日本中の注目を集めたが、結果は追い込み及ばずの4着。周囲は「騎乗ミス」と容赦なく地方の騎手を叩いた。

あのガッツポーズに11年分の思いが込められていたかどうかまでは分かりかねるが、桜花賞がJRA移籍を目指すきっかけとなった因縁のレースであることはハッキリしている。キストゥヘヴンでひとつ勝つと、その後堰を切ったように6年の間に桜花賞を4勝するという離れ業を演じて見せた。そのこと自体が、アンカツと桜花賞の因縁の深さを、現しているように思えてならない。

そんなことを考えているうち、目の前のレースがスタートした。

5r 

芝1800mにフルゲート18頭。後方からレースを進めたアンドトゥモローは、直線でバテた馬を何頭か交わして8着で入線。初勝利はならなかったが、勝ち馬から1秒差なら悪くない。次に期待しよう。「そして明日」と名付けた吉田和子オーナーの気持ちに、いつか応えてくれるはず。こんなふうに見れば、この時季の3歳未勝利戦というのも、なかなか楽しい。

 

***** 2015/05/22 *****

 

 

 

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