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2015年4月17日 (金)

ルールに阻まれた5連覇

明日の中山メインは、かつて「花の大障害」と呼ばれた中山グランドジャンプ。昨年暮れの中山大障害の覇者レッドキングダムは大障害連覇を目指し、アポロマーベリックは大障害3勝目を目指す。

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両馬とも大障害優勝経験馬だが、背負うのは他の馬と同じ63キロ。斤量で不利を受けることはない。それがチャンピオンシップの原則である。だが1976年春の中山大障害ではその原則が崩された。中山大障害5連覇を目指すグランドマーチスの背負う斤量が二転三転の末に前年から6キロも増えることになったのである。

当時の中山大障害の重量規定には大障害優勝経験馬に対する加増重量があった。基本重量58キロに加え、優勝経験馬は一律2キロ増である。それが、1976年1月の番組改編で「大障害1勝馬は2キロ増。2勝以上馬はさらに1勝ごとに1キロ増」に改編され、その時点でグランドマーチスは63キロを背負うことになった。それが2か月後の3月になって「2勝以上馬はさらに1勝ごとに2キロ増」に変更されたのである。これによりグランドマーチスは66キロを背負うことになった。大レースの競走条件の変更が一度も実施されることなく、短期間に二度も変更された例は後にも先にもこの一度しかない。

当時無敵を誇っていたグランドマーチスに対して、馬主の反感ムードが高まっていたことは否定できない。だが、馬の実力でなく、ルールによって最強馬を破ろうとする行為は、ホースマンシップに著しく反する行為だ。グランドマーチスただ一頭を標的にしたルール改悪を、主催者の無定見と非難されても仕方あるまい。実際、5連覇をかけて臨んだ中山大障害(春)では、エリモイーグルの逃げを捉え切れずに2着に敗れる。グランドマーチスとエリモイーグルとの間には8キロもの斤量差があった。

引退後、グランドマーチスは岩手県遠野で乗用馬生産向けの種牡馬となる。

遠野は戦前こそ乗用馬の一大産地だったが、その当時は馬づくりの灯が半ば消えかけていた。そこに中山大障害4勝の名馬がやってくる。関係者の期待は小さくあるまい。もともと近代日本競馬の基礎を築いた小岩井農場の輸入牝馬に辿り付く母系の持ち主。岩手には縁があった。

グランドマーチスは期待通り素晴らしい乗用馬を次々と世に送り続け、1984年に遠野でその生涯を閉じた。だが、グランドマーチスの血を引く馬は今も遠野に残っているし、これからもその血は受け継がれて行くに違いない。彼の地のグランドマーチスに対する想いには並々ならぬものがある。

■グランドマーチスならびに遠野の馬産についてはこちらに詳しい

【GRASSの日々折々】
http://blog.goo.ne.jp/grass0930/e/66b10b045d8d4d2ccef9a165fe07a00d

 

***** 2015/04/17 *****

 

 

 

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