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2015年3月10日 (火)

【訃報】オリエンタルアート

「これでメジロマックイーンの血も残るね」

4年前の日本ダービーのこと。驟雨に煙る東京競馬場での口取りを終えたばかりの社台グループ関係者が、嬉しそうに呟いた。勝ったのはオルフェーヴル。だから血が残ると言っても、それは父系ではない。そんなことは分かっている。でもそれは問題ではない。実際にそうは口に出さなかったが、冒頭の言葉にはその気持ちが滲み出ていた。

Derby 

先週末に飛び込んできたオリエンタルアートの訃報に接して、真っ先に頭に浮かんだのはこの時のやりとりであったように思う。ステイゴールドとの間に産まれたドリージャーニーとオルフェーヴルが、GⅠ9勝と大活躍。だが、ドリームジャーニーはともかくオルフェーヴルの誕生には、数奇なめぐり合わせがあった。

オリエンタルアートの競走成績はダートでの3勝。引退後、初年度の配合相手にステイゴールドが選ばれたのも、それほど深い理由はなかったと聞く。だが、そこで産まれたドリームジャーニーが、なんと2歳チャンピオンに輝いてしまった。オリエンタルアートは当たりかもしれない。翌年の配合相手にディープインパクトが選ばれたのも、いわば当然の成り行きであろう。しかし、都合3回も種付けを試みたのに、一向にとまる気配がなかった。

このままでは繁殖シーズンを棒に振ってしまう。かといって2歳チャンピオンを送り出した繁殖を、空胎のまま一年を過ごさせるわけにもいかない。そこで牧場関係者は最後の賭けに出た。ステイゴールドが空いているから付けてみよう。すると今度は一発でとまったではないか。それがオルフェーヴルである。

ドリームジャーニーは毛色も馬格も顔立ちもステイゴールドに似ているのに対し、弟のオルフェーヴルは初めて母親と同じ栗毛に出た。面長な顔立ちも、母の父であるメジロマックイーンに似ている。当初はそのせいで、ドリームジャーニーと同じ配合ではあるものの、同じような活躍をするとは思われていなかったフシがある。それがディープインパクト以来となるクラシック3冠を制し、有馬記念や宝塚記念を勝ち、凱旋門賞で2年連続2着する歴史的名馬に成長するのだから、やはり競馬は面白い。

Mac 

ステイゴールドの急逝は先月5日のこと。あれあらまだ1か月しか経っていない。そんなベストパートナーの後を追うかのように、メジロマックイーンの血を後世に繋いだ牝馬は駆け足で逝ってしまった。あらためて彼女の残したものの大きさを思い知る。合掌。

 

***** 2015/03/10 *****

 

 

 

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