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2015年2月10日 (火)

想像の枠を超える馬

先週のJRA3場には、35頭ものステイゴールド産駒が大挙出走してきた。

Stay 

「ステイゴールドの子の単勝をぜんぶ買う」

そう言ってきたのは私の知る二人の競馬ファンである。お互い無関係の人物が、まるで示し合わせたかのように同じような馬券作戦をお披露目してきた。その二人にしても、ステイゴールドのファンだという素振りを、私の知る限り見せたことなどない。ステイゴールドの訃報に触れて最初の週末。そのニュースの大きさを改めて実感した。同じような馬券を買った方は、日本中にきっと大勢いらっしゃるのではあるまいか。

だがしかし、その35頭のうち勝ったのはわずか1頭。しかも単勝3倍では割りに合わない。一方で2着と3着が合わせて5頭いた。惜しいのは11番人気で2着したジョブックガーター。このあたりが勝っていれば、収支もプラスだったにちがいないない。

「ステイゴールドらしいよなぁ」

知人のひとりはそう呟いた。たしかに「らしい」。ステイゴールドはそういうところがあった。通算50戦。そのうち2着に敗れること12回。それで「シルバーメダル・コレクター」と揶揄されたわけだが、これをステイゴールドがわざとやっていたに違いないと彼は言う。その主張によれば、ステイゴールドは周囲の人間が困ったり驚いたりする姿を見るのが好きだったらしい。そして、そういう気質は産駒にちゃんと遺伝しているというのだ。

Stay2

思い当たるフシはある。オルフェーヴルやフェイトフルウォーが騎手を振り落とそうとするそぶりを見せたことは一度や二度ではないし、もはや伝説となりつつある阪神大賞典もそれなら説明がつく。先日のAJCCで不可解な敗戦を喫したゴールドシップなども、まさにその典型であろう。究極は3年前の凱旋門賞。いったん先頭に立ちながら敢えて先頭を譲るなど、並大抵の馬ではできることではない。あれはステイゴールドの血の為せる業なのである。

Stay3

だが、いい意味で人間の期待を裏切ることも忘れてはならない。絶望的な位置から最後の一完歩で差し切り、みんなが泣いたステイゴールドの引退レースと、見る者すべてを圧倒し、やはり涙を誘ったオルフェーヴルの引退レースには、どこか重なるもの感じやしないか。良くも悪くも想像の枠を超えるドラマを演出するのがステイゴールド。だから人は彼に惹かれるのかもしれない。

Stay4

ステイゴールドは死んでしまったが、オルフェーヴル、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタという頼もしい後継種牡馬がスタッドイン。いずれここにゴールドシップとフェノーメノも加わる。サンデーサイレンス産駒から派生した父系の中で、「ステイゴールド系」がここまで枝葉を広げるとは、いったい誰が予想しただろうか。その事実自体が、想像の枠を超えるドラマのように思えてならないのである。

 

***** 2015/02/10 *****

 

 

 

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