« ロマンの始まる月曜日 | トップページ | 水曜でどうでしょう »

2015年2月16日 (月)

火曜日は放馬に注意

トレセン内の放馬は珍しいことではないが、特に火曜日は放馬を知らせるサイレンを聞くことが多い。

トレセンの月曜日は全休がルール。馬たちは狭い馬房に閉じ込められて一日を過ごさねばならない。当然ストレスも溜まる。その翌日、すなわち火曜日になると、溜まったストレスを一気に爆発させた馬が騎手を振り落し、引手をふりほどいて放馬してしまうのである。まる一日休んだ馬たちは、元気が有り余っているものだから、つかまえるのも一苦労。「全休日明け」という言葉の持つのんびりした響きとは裏腹に、火曜日のトレセンには一種独特な緊張感が漂う。

Houba1 

馬が逃げても、必ず最後は馬自身が走り疲れて捕まえられるが、地下馬道や馬場への出入り口のような狭い場所で暴走する馬は危険極まりない。しかし、そういう時に魔術を目撃することもある。

トレセンではなく大井の能力試験での話だが、検量前の馬場で2歳馬が放馬。狂ったように走り出した。だが、誰も捕まえることができず手を焼いている。そこに駆け寄ってきたのは故・蛯名末五郎調教師。蛯名雄太調教師の御父上である。「何やってんだ!止めろ!」と一声。落ち着かせるために普段被っている帽子を振って暴れる馬に近づくや、それまでの暴走ぶりが嘘だったかのように立ち止まり、あっと言う間に手なづけてしまったのである。周囲からは「おぉ~!」という声が上がったが、「オーじゃねぇ!」と怒鳴るだけで、何事もなかったように立ち去ってしまった。

Houba2 

話をトレセンに戻す。

1998年の朝日杯を週末に控えた火曜日のこと。当時の新種牡馬・フジキセキの産駒としての初勝利を挙げ話題を集めたノボマーチャンが、調教のため厩舎から出たところで放馬。トレセン内を走る乗用車と衝突するという事故があった。馬は大事に至らず、車のボンネットがへこんだ程度で済んだのは不幸中の幸いであろう。火曜日の緊張感は、馬を操る人間だけでは済まないことを、このエピソードは示している。

 

***** 2015/02/16 *****

 

 

 

|

« ロマンの始まる月曜日 | トップページ | 水曜でどうでしょう »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ロマンの始まる月曜日 | トップページ | 水曜でどうでしょう »