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2015年1月 5日 (月)

枠順ドラフト

我が国競馬史上初の試みとして行われた有馬記念の公開ドラフト抽選を振り返りたい。イの一番に4番枠を指定したジェンティルドンナに、次いで6番枠を指定したトゥザワールド。実際のレースもこの2頭のワンツーフィニッシュで決着したことで、枠順をめぐる問題が改めてクローズアップされた。

昨年暮れにTV中継された有馬記念枠順公開抽選の模様をご覧になっただろうか。上記の2頭を除けば、基本的に内側の偶数番号から順番に埋まっていくだけ。これを見ていた知人からは、「ジェンティルとトゥザ以外はドラフトの意味がない」と厳しかった。

競馬では出走全馬がコースに対して横並びでスタートする。走る距離だけを考えれば内側の1番枠が最も有利。外枠が不利であることは何も中山・芝2500mに限ったことではない。

ただ、中山ダート1200mや東京ダート1600mのように、スタート直後に芝コースを横切る場合、内枠の馬は内ラチに押し込められるリスクを孕むし、ブリンカー着用の馬なども内側で窮屈に走るより、外目をのびのびと走らせた方が良い。数学的に枠順の有利不利がないはずの新潟芝1000mにしても、外枠が有利であることは成績を見れば明らかだ。

Daiwa 

それでも「外枠不利」が強く叫ばれる中山・芝2500mである。だが、2008年のようにダイワスカーレットとアドマイヤモナークのように枠連8-8で決したこともあったではないか。「外枠不利」は本当だろうか? そう思って、過去20年(1995年1月以降)の中山・芝2500m戦231鞍の勝ち馬の馬番号を調べてみた。その結果は以下の通り。

馬番 優勝回数
---------------
 1  22
 2  26
 3  16
 4  28
 5  17
 6  11
 7  27
 8  16
 9  13
10  22
11  14
12   9
13   7
14   3
15   0
16   2

一見、外側の成績が極端に悪く見えるが、それは出走頭数によるもの。2500mという距離にフルゲートの16頭が揃うことは滅多にない。それを踏まえて注目すべきポイントは二つ。一つ目は確かに内側が好成績を残しているように見える一方で、7番枠や10番枠の数字も決して悪くはないこと。そしてもう一つは、その中でも4番枠の優勝回数が頭一つ抜け出ていることだ。真っ先に4番枠を希望したジェンティルドンナの陣営は、この事実を知っていたのだろうか。

今回の有馬記念を見てある思いを強くした。実力のある馬に、実績のある騎手が乗り、そのコンビがもっとも実力を発揮できる枠順を手に入れれば、たいていは勝つのである。穴党にしてみれば夢も希望もない話に聞こえるが、それならこの数字を逆手に取ればいい。そもそも、セパレートコースでもなく、自然の地形もある程度残したコースでハナクビを競う競馬において、出走枠順の完全なる公平性を求めること自体が無理な話。調教師も騎手もファンも、枠順決定からすでに競馬が始まっていると考えるべきなのだろう。

とある地方競馬場では、数年前まで先端に馬番号が書かれた細長い木片を、関係者がおみくじのように引き抜く方法で枠順抽選を行っていた。ところがその何年も同じ木片を使っていたせいで、木目やキズや色合いといった微細な特徴で、番号がだいたい分かってしまっていたという。そんな笑い話みたいな枠順決定に比べれば、有馬記念の抽選は見ていて面白かった。今年もまたやって欲しい。

 

***** 2015/01/05 *****

 

 

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