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2014年12月 3日 (水)

スミヨンのJC

「スミヨンに替わったから、これが勝つでしょう」

「ジャスタウェイもこれが最後だし3着以内には来そうですね」

「あとスピルバーグ。これは良くなった」

JCのパドックで、私と一緒に馬を見ていた関係者2人の発言である。これを素直に聞き入れていれば、3連複19750円を一点で仕留められたかもしれない。だが、私の目の前を周回しているエピファネイアの瞳は血走り、その馬体からは尋常ならざる汗が噴き出ている。果たしてこれで大丈夫なのか?

Epifa 

この10年間だけでもハナ差決着が5回。JCの歴史は接戦の歴史でもある。それが4馬身差とは凄い。タップダンスシチーが9馬身差で逃げ切ったことがあるにはあるが、あの時は重馬場だった。そのJCで1番人気に押されながら3着に敗れたのが、エピファネイアの父・シンボリクリスエス。引退戦となる有馬記念をぶっちぎった印象が強い一方、2年続けて3着に敗れたJCを始め、宝塚記念やダービーなど、人気の割に詰めの甘さが出て取りこぼすことも多かった。

Kris_s 

弥生賞からダービーまで3戦続けてコンマ1秒差の惜敗を続けたエピファネイアのレースぶりも、父シンボリクリスエスと母シーザリオの双方に流れる米国血脈の特質であろう。すなわち良くも悪くもワンペースなのである。

Seazario 

だから、ライバルのディープインパクト産駒には瞬発力勝負では勝負にならない。先日のJCでは、逆にスタミナが問われるペースと馬場になったことが、エピファネイアの大きな勝因となった。これほど多くの産駒を送り出していながら、ディープインパクト産駒は3000m以上で勝った例がない。スタミナ勝負なら立場は逆転する。もちろん腹をくくってワンペースを貫いたスミヨン騎手の判断も、さすがと言うほかはない。

Epifa2 

ウイニングランを終えて検量に戻ってきたスミヨンの口からは、「なだめるのに苦労した」という言葉が聞こえたが、それでも私の目にはエピファネイアはスミヨンの手の内にあるように見えた。豪快に引っ掛かり、騎手が立ち上がって手綱を引くようなエピファネイアの姿を何度もを見てきたからである。パドックで「スミヨンに替わったから…」と言った関係者の言葉が重く響く。

そのスミヨンは有馬記念に乗ることができないはずだったのが、一転、ブドー騎手の突然の帰国で短期免許の枠が一つ空いた。JRAが果たしてどういう判断を下すのか。仮に乗り替わりとなれば、次に手綱を取る騎手がスミヨンと比較されることは避けられない。大きなプレッシャーとなりそうだ。

 

***** 2014/12/03 *****

 

 

 

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