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2014年12月 8日 (月)

スポンサー導入を考える

今年のJCウィークの東京競馬場は、スタンドから見る景色がいつもの年と少し違っていた。

Longines1 

そう、今年のJCはロンジン社とパートナーシップ契約を結んでいたのである。この時計板があるだけで、まるで海外の競馬場にいるような錯覚を覚えた方も多かったのではないか。海外のビッグレースではお馴染みの光景だ。

ロンジンは今月行われる香港国際レースのスポンサーでもある。だから香港カップの正式名称は「ロンジン香港カップ」。むろんその賞金はロンジンが持つ。だがJCとはパートナーシップ契約に留まった。当然ながら賞金2億5千万円はJRA単独の負担である。

Epifa 

折しもJRAは、来年のJCの1着賞金を3億円に増額すると発表したばかり。古馬の中距離競走振興の一環であり、有馬記念や天皇賞なども合わせて増額されるという説明だが、JCに関して言えば国際的な相場に合せた感が強い。

現在、世界最高賞金を誇るドバイワールドカップの1着賞金が約7億円。そこまでは無理としても、凱旋門賞(約4億2千万円)、メルボルンカップ(約3億6千万円)、ドバイシーマクラシック(約3億5千万円)、ドバイデューティーフリー(約3億5千万円)、BCクラシック(3億2千万円)。このあたりと肩を並べるには、やはり3億の大台に乗せておくことが必要だったのであろう。

だが、これら海外のビッグレースの高額賞金を支えているのは、香港におけるロンジン同様、国際的なスポンサー企業である。凱旋門賞に至っては企業ではなくカタール政府がスポンサー。それがレースの総賞金のみならず、パリ市内の装飾費用として30億円以上を拠出したというから、スケールの大きさも半端ではない。ともあれ、スポンサーが高額賞金レースを支える構図は、海外では一般的になっている。

だが、JRAでのスポンサー導入の前には「日本中央競馬会法」という壁が立ちはだかる。JRAの業務範囲を定めた第19条には、スポンサー収入の獲得は正当な業務と規定されておらず、その導入には19条の中の「競馬の健全な発展を図るため必要な業務」を広く解釈するか、思い切って法改正をしてしまうかしかない。

「NHKマイルカップ」とか「トヨタ賞中京記念」のような冠レースはあっても、JRAのレースの場合、冠企業が賞金そのものを負担しているわけではない。東京競馬場でコラボ企画を展開している日清製粉も、スポンサーではなくタイアップの範疇。かつて「ワールドシリーズ」のスポンサーをしていたエミレーツ航空が、ワールドシリーズに組み込まれたJCで自由な広告活動ができずに、JRAと一悶着起こしたこともあった。競馬会法の壁は案外高いのである。

Longines2 

賛否はあろうが、スポンサー企業が競馬のイメージアップ役を果たすことは、じゅうぶんに考えられる。競馬に関心が薄かった層が興味を持ち、競馬に注目する企業が出てくるかも知れない。従来とは異なる枠組みが思わぬ相乗効果をもたらすこともある。売り上げ回復に向けた努力は当然だが、スポンサー導入に向けた議論の深まりにも期待したい。

 

***** 2014/12/08 *****

 

 

 

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