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2014年11月20日 (木)

下克上

10月後半頃だったか、「下克上」という言葉をスポーツ紙でやたらと目にした覚えがある。

その時は野球の話だった。セリーグのシーズン2位に終わった阪神がクライマックスシリーズでシーズン1位の巨人を破り、日本シリーズに駒を進めたのである。目指すは1985年以来の日本シリーズ制覇。それをスポーツ各紙や阪神ファンは「下克上」と叫んで盛り上がった。

ところが、日本シリーズではパリーグの優勝チームソフトバンクに4勝1敗で敗れ、下克上はならず終い。なのにスポーツ紙には今なお「下克上」の題字が躍る。これはいったいどうしたことか?

Gekokujo 

皆さんお分かりですよね。そう、スプリンターズSから始まった秋のGⅠ5戦すべてにおいて、重賞未勝利馬が優勝を果たしているのである。確かに天皇賞のスピルバーグの末脚には驚いた。重賞未勝利馬の秋天制覇は1985年のギャロップダイナ以来。「1985年以来の下克上」は、甲子園ではなく、なんと府中で達成されてしまったのである。そういえば、山本英俊オーナーは「サムライタイガース」という馬も所有されていた。

ただし、今週のマイルCSはGⅠの中でも格がモノを言うレース。レース創設以来30回の歴史の中で重賞未勝利馬が勝ったのは1997年のトロットサンダーただ一頭。いやそれどころか重賞未勝利馬が2着に来たこというケースすら2度しかない。もともと重賞レース数が多い短距離~中距離路線の強豪が集まるGⅠだけに、重賞未勝利馬の出走そのものが少ないという事情もある。

Milecs 

加えてマイルCSはスペシャリストのレースでもある。30年という歴史の中で5頭が連覇を果たしており、2年連続して3着以内に入った馬が11頭もいる。今年は昨年の1、2着馬ばかりでなく、一昨年の1、2着馬も揃って顔を出してきた。このような年も珍しい。

だから、重賞未勝利馬の出番はさすがに……と言い切れないところがもどかしい。

秋華賞や菊花賞はともかくとする。エリザベス女王杯にしても、過去10年のうち重賞未勝利が3回優勝しているレースだと冷静に振り返れば、ラキシスの優勝を「下克上」と煽るのもどうか。だが、スプリンターズSと天皇賞を重賞未勝利馬が勝った事実は重い。理由を探せば前者は世代交代、後者は真のエース級の不在がもたらした結果であろう。すなわちロードカナロアの引退と、ジャスタウェイの海外遠征である。そんな理由付けができる以上、この秋一連の流れを偶然と切り捨てるわけにはいかぬ。混戦を承知で馬券と向き合うほかはない。

マイルCSに出走可能な重賞未勝利馬と言えばサンライズメジャー、サンレイレーザー、フィエロ、そしてレッドアリオンあたりか。フィエロはその戦績からも、鞍上からも、また勝負服からも人気を集めそうだが、それでは妙味というものがない。それならタガノグランパの菱田裕二騎手が勝って、「初重賞制覇がGⅠ」というストーリーはどうか。「下克上」と呼ぶには、むしろその方が似合いそうな気がする。

 

***** 2014/11/20 *****

 

 

 

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コメント

ほぉーー、そうきましたか。

当方、サンライズメジャーとフィエロの単勝倍率が
気になっておりました。さすがにガノグランパは買えません。

JCはどう考えても重賞未勝利馬が...って
登録馬を見たら重賞未勝利馬いますね。
JCまで続いたら、有馬記念まであるかもしれませんね。

投稿: tsuyoshi | 2014年11月21日 (金) 11時07分

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