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2014年11月30日 (日)

快速エイシンバーリン

今日の京阪杯で8着だったヘニーハウンドが、前走のオパールSで叩きだした1分6秒7の勝ち時計は、京都芝1200mのコースレコード。それでエイシンバーリンの名前を久しぶりに耳にしたことを思い出した。それまで17年間破られることのなかったレコードタイムの持ち主が、エイシンバーリンだったのである。

あれは97年4月のシルクロードSだったか。フラワーパークやヒシアケボノといった一流スプリンターのハナを叩いたエイシンバーリンは、淀の1200mを一気呵成に逃げ切った。2着ビコーペガサスにつけた4馬身という着差はスプリント戦では大差にも等しい。しかし周囲が驚いたのはその勝ち時計だった。着順表示板に計時されたタイムは驚愕の1分6秒9。我が国競馬史において、6ハロン1分7秒の壁を初めて破ったのは、サクラバクシンオーでもタイキシャトルでもなく、芦毛の快速牝馬・エイシンバーリンである。これはもっと評価されて良いと思う。

そんなスピードを誇る彼女でも、GⅠのタイトルには手が届かないのだから競馬は奥が深い。引退レースとなった98年のスプリンターズSでは、同じくここを引退レースに定めたタイキシャトルを従えて果敢に先行したものの10着と敗れた。

Eisin 

久しぶりに名前を聞いたエイシンバーリンだが、既に繁殖も引退し、現在ではフォスターホースとして余生を過ごしているとのこと。聞けばメラノーマ(黒色悪性腫瘍)を患っているという。これにはシービークロスもオグリキャップもハクタイセイも苦しめられた。芦毛馬の宿命でもある。もうエイシンバーリンは現役当時のように全力疾走する必要はない。のんびり過ごしてもらいたい。

先週の大井で勝ったヴェラクルスはエイシンバーリンの息子。お父さんは現役時代に4度対戦し、引退レースでも一緒に走ったタイキシャトルであるが、ナイターの光に輝くその芦毛の馬体は、母の印象を色濃く出している。

Vera 

ヴェラクルスはこれでデビュー以来3戦3勝。クラシックとは無縁の3歳シーズンとなってしまったが、タイキシャトル自身がそうであったように、産駒にも完成までに時間を要するタイプが多い。サマーウインドなどは3歳秋までに未勝利脱出を果たせず、一度は地方に転出しながら、ついにGⅠのタイトルを手に入れたではないか。慌てる必要はない。

 

***** 2014/11/30 *****

 

 

 

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2014年11月29日 (土)

WSJS

今年のワールド・スーパー・ジョッキーズ・シリーズ(WSJS)は2年ぶりに東京競馬場で行われている。初日は5着、2着でまとめた浜中俊騎手が25ポイントでトップ。2位は第1戦を制した福永祐一騎手。3位には10番人気馬で第2戦を制した田辺裕信騎手が付けている。

Tanabe 

今年で28回を数えるWSJSだが、複数回の優勝例はあっても連覇を果たした騎手はいない。そういう意味での注目はリチャード・ヒューズ騎手であろう。昨年のWSJSチャンピオンは、二年連続英国リーディングのタイトルを引っ提げて今年も来日してきた。初日を終えて11ポイントで10位とはいえ、A、Bグループの騎乗馬が揃う明日は巻き返しがあっておかしくない。

Huse 

個人的にはザック・パートン(ザッカリー・パートン)騎手に注目したい。一昨年のWSJSチャンピオンでもある彼は、昨シーズンの香港リーディングを獲得すると、その勢いのままこの夏の中京に短期免許で参戦。わずか2週間の騎乗ながら(6,0,3,10)という信じがたい成績を残しているのである。勝率3割。半分は馬券に絡んだのだから凄い。

Barton 

そんな彼が最近制したGⅠレースといえば、10月に豪州で行われたコーフィールドカップ。そう、アドマイヤラクティの最後の栄冠は彼の手によってもたらされた。一方で同馬の最後の背中を知る騎手でもある。シリーズ第1戦目に、同じハーツクライ産駒の手綱が回ってきたのも何かの縁だろうか。

ほかにも、愛国リーディングのパトリック・スマレンに、豪州の若き天才・ジェームズ・マクドナルド。お馴染みライアン・ムーアやクリストフ・スミヨンも健在。迎え撃つ日本勢も優勝経験を持つ岩田康誠騎手を筆頭に実力派が揃った。これだけの面々が揃ったレースをナマで観ることができる。ファンは感謝すべきであろう。

ただ、直線の長い東京での開催は、騎手の腕より馬の能力の方が結果を左右しがち。改装して直線が伸びた阪神も同様だ。そういう意味では、来年から小回りの札幌で開催されることについて、個人的にはポジティブな思いを抱いている。万馬券連発で札幌記念と並ぶ札幌開催の目玉になるのではないか。そうなってほしい。

 

***** 2014/11/29 *****

 

 

 

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2014年11月28日 (金)

でら打ち@旗の台

昨日は、縁のあるエスワンプリンスが連覇を目指して笠松グランプリに出走した。結果3着に終わったが、ジョーメテオにあの競馬をされては諦めるしかない。向こう正面で動いて一気に先頭を奪ったその脚色に、小久保智調教師の勢いを見た気がする。

実は私、このレースを見に行く予定だった。何週間も前からものすごく楽しみにしていたのである。平日昼間の空いている新幹線に乗って名古屋に行く。スポーツ新聞を読みつつコーヒーを飲み、名古屋に着いたら真っ先にうどんを食べる。そしてやおら競馬場に向かうのである。これに勝る一日の過ごし方などそうはあるまい。

ところが、である。そんな私の浮かれた気分を見透かしたように、突然我が家のエアコンが動かなくなった。最初は死んだふりかと思ったら、どうやら本当に死んだらしい。折しもここ数日の東京は今年一番の冷え込みを記録した。このままでは正月を待たずして、一家凍死の恐れもある。

それで泣く泣く昨日はエアコンの工事に立ち会った。いや、ホントに泣きたい気分でしたよ。おかげで家族は凍死の危機を脱したが、今度は私ひとりストレス死の危機に直面している。

そんなことで死んではつまらないので、せめてうどんだけでも食べておこうと大井町線で旗の台へ。名古屋うどんの有名店『でら打ち』でストレスをやっつけるのである。

この店の人気を二分するのは、冷たいうどんに溜まり醤油をかけただけの名古屋名物「ころうどん」と、やはり名古屋名物のカレーうどん。どちらも食べておきたい。さあ、どっちを選ぶか―――?

そんな悩める貴兄のために、こちらのお店では「ころセット」というメニューが用意されている。ハーフ&ハーフなどという折衷案ではない。「1人前を2杯」である。ストレスをやっつけるのだから、これくらい食べて当然。ついでに鶏天までトッピングしてやった。

Set 

ころうどんの「ころ」は「香露」と書く。すなわち香るツユ。香りが際立つたまり醤油をかけて食べるから、このように名付けられた。生醤油とは違った独特の甘さ。なのに後味はさっぱりしている。名古屋の定番うどんだ。

Koro 

キリッとエッジの立った太麺は、強いコシがありながらモッチリと粘る歯応え。甘みと独特の香りのあるたまり醤油との絡みも抜群。麺本来の味と、喉越しと、歯応えの全てを楽しむならばこれであろう。ついでに書いておくと、トッピングの鶏天がとんでもなく美味しい。これだけを競馬場で売ってくんないだろか。

Kare 

一方のカレーうどんは、見た目はカレー、なのに一口食べると完全なるダシの風味、でも食べ進めるとやっぱりカレーという不思議な味わい。食べてて飽きることがない。具に使われている油揚げも出色の美味さ。これも食べなければ損という気がする。なるほど「ころセット」のメニュー掲載は必然の結果であろう。おかげでストレスも解消。よかったよかった。

 

***** 2014/11/28 *****

 

 

 

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2014年11月27日 (木)

1番人気連敗中

10月11日から始まったJRA東京開催も、いよいよ今週が千秋楽。だが、この間に東京で行われた10鞍の重賞レースで、1番人気馬が一度も勝てていないことをご存じだろうか。ジャパンカップの1番人気はジェンティルドンナか、ハープスターか、はたまたジャスタウェイか。気になって仕方ない。

一方で、南関東の重賞でも1番人気が8連敗中。連敗スタートは10月8日の埼玉新聞栄冠賞だから、JRA東京開催とほぼ重なる。関東の本命党の嘆き節が聞こえてきそうだ。

だが、そんな本命馬受難の流れも、ようやく途切れる時が訪れると思われた。今年の南関2冠馬・ハッピースプリントが満を持して昨夜の勝島王冠に登場してきたのである。単勝オッズは1.3倍。

Happy 

1番枠から五分のスタート。1コーナーでは5番手と好位をキープした。向こう正面で早くも外に持ち出して、4コーナーで先頭を伺いかける。が、並ぶまでに至らない。

あれ? おかしいゾ。

それでも本命党は直線で伸びてくる2冠馬の脚に期待したかもしれないが、吉原騎手の手綱に手応えが残っていないことは誰の目にも明らかだった。

結果は5着。初めて経験する古馬のペース、休み明け、さらに水の浮く不良馬場……等々。敗因を探すのには苦労はないが、それらを克服して勝つことを期待されていただけにショックも大きい。次走東京大賞典で戦う相手は、このレベルではない。

Habu 

勝ったのは11番人気のハブアストロール。むしろこの馬の勝因を探すべきであろう。「同一厩舎の二頭出しは人気薄」程度で済ましてはいけない。

彼の戦績を改めて見直してみた。すると、ちょうど一年前の同じ日の同じレース、すなわち11月26日の大井11Rをこの馬は勝っているのである。しかも不良馬場の1800mという条件まで全く一緒。このレースをちゃんと見ていて、それを覚えていた人なら、少しは勘が働いたかもしれない。どんな下級条件であれ、なるべく多くのレースを見ておく必要がある。しかもただ漫然と見ているだけでもいけない。そんな教訓を与えてくれた一戦だった。

それにしても、これで南関東の重賞は1番人気が9連敗である。ハッピースプリントでも止められぬこの流れを止めるのは、いったい誰だろうか。本命党の苦悩は続く。

 

***** 2014/11/27 *****

 

 

 

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2014年11月26日 (水)

γ-GTP

なんだかんだで今日も「血」の話。

数年前から緑内障による視野狭窄に悩まされているばかりでなく、最近では慢性的な睡眠不足に加え、頭痛、腰痛、肩凝り、神経痛、胃痛、胸やけ、めまい、吐き気、下痢、便秘と、およそ思いつく限りの症状に悩まされる日々を送っているのに加え、半年前の人間ドックではNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の疑いがあると脅かされた。落ち込んだことは言うまでもない。おかげで酒とは無縁の夏を過ごしたのである。

だが、11月も終わりに近づいたここへ来て、私の身体にもようやく一筋の光が差し込んできた。半年ぶりの血液検査によって、なんとγ-GTPの値が半減していることが確認されたのである。

嬉しい。すごく嬉しい。

どれくらい嬉しいかと言えば、所有している繁殖牝馬が無事に出産を果たし、しかも「オスです」という連絡を貰ったときと同じくらい嬉しい(笑) まあ、「半減」と言ってもまだ3桁をキープしているのだから、手放しで喜ぶわけにはいかないのだけど、この半年間が無駄ではなかったのだと自分を褒めてあげたい。

ただ、不思議に思うことはある。相手はNASHであるから、酒を断ったことだけが数値の改善に繋がったわけではあるまい。実は体重も4キロ減っていた。これも案外大きいのではないか。

それにしても、この秋から競馬場に足を運ぶこともなく、一日中ただTVを観ているような生活になったというのに、なぜ4キロも体重が減ったのであろうか? 不思議なのはこの点である。

競馬場では人は歩く。万歩計をお持ちの方は試してみると良い。以前私が調べたところでは、通常の生活に比べて1万歩は軽く上積みされる。それがダイエットにも繋がると信じて、私はせっせと競馬場に通った。だが、体重は減るどころかむしろ増え続けたのである。しかも「競馬場に行かなくなったら減った」では到底納得できぬ。

とはいえ、思いあたるフシがないわけでもない。私は競馬場で歩きもするが、それ以上にモノを食べる。1レース前にかけつけ一杯の肉うどん。昼休みに『吉野家』の大盛弁当。さらに、メインレース前の気合注入のため、『馬そば深大寺』の鳥そばか、隣の『むぎんぼう』でかき揚げうどんを食べることも欠かさない。特に最近では、あまりに馬券が当たらないので、食べる方に時間と金を費やすようになった。

加えてGⅠ当日ともなれば、周囲の馬主からサンドイッチや大福といった差し入れが山のように届く。義理を欠いてはいけないから、それを断ることは決してしない。もちろん頂いたものは残さず食べる。昨年の有馬記念では「買い過ぎた」と言って中山名物のGⅠ焼きが、なぜか3つも届いた。いったいどう買えば3つも買い過ぎるのか? 理解に苦しみつつ、それでも最終レースまでにきちんと食べた覚えがある。

Arima 

これだけのカロリーを賄うのに、1万歩程度ではとても足りないのであろう。そんな日常がなくなったのだから、痩せるのも当然か。ただ、誤ったメッセージを送ってはいけないから、念のため強調しておく。競馬場に行くことは健康にもとても良い。たくさん歩いて目いっぱい大声を出せば、ストレスは霧散し、カロリーもほどよく消費する。私のような過ごし方ができるのは特別に訓練された一部のデブだけの特殊能力である。決して真似をしてはいけない(笑)

 

***** 2014/11/26 *****

 

 

 

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2014年11月25日 (火)

JC血統

1998年のジャパンカップを勝ったエルコンドルパサーは、種牡馬としてこれまで8頭のJRA重賞勝ち馬を送り出しているが、なんと牝馬が1頭も含まれていない。ラピッドオレンジがダートグレードのTCK女王盃を勝っているが、それにしても意外な感じがする。

Jc1998 

エルコンドルパサーの4年後、中山で行われたJCを勝ったのはデットーリ騎手のファルブラヴ。

Jc2002 

「牝馬のファルブラヴ」の格言は既に広く浸透している。重賞を勝った産駒6頭のうち5頭が牝馬で、残る1頭はセン馬。産駒で活躍する産駒のニュースもたまに伝わってくるのだが、豪重賞2勝のBrava Fortuneは牝馬だし、英重賞2勝のFanunalterもセン馬だという。そう思ってよくよくファルブラヴの血統を見れば、男兄弟もことごとく去勢されているところを見れば、あれこれ理由を探すより、「よく分からんがそういう血筋」と受け入れる方が早い。

Jc2006 

さらに4年後のJCを勝ったディープインパクトだとどうなるか。JRA重賞ウイナーの内訳は、牡馬29頭に牝馬14頭。セン馬はいない。特に偏向はないように見える。さすがリーディングサイアー。このあたりはソツがない。

とはいえ、もしハープスターが今週のジャパンカップを勝つようなことがあれば、ディープ産駒の賞金獲得ランキングはジェンティルドンナ、ハープスター、ヴィルシーナの牝馬勢が独占することになる。JCと言えば、事実上―――2010年の降着劇がなければ―――牝馬が5連勝中のレース。なくはあるまい。

Harp 

34回を数えるJCの歴史の中で、既に3組の父子制覇が為されていることは注目に値する。父も、そして母の父もJC優勝馬というハープスターには決して悪い傾向ではないように思えるのである。しかも彼女の血統表を7代まで遡ると、なんと「Buena Vista」という名前まで出てくるではないか! これはもう迷わず買いだ!

―――とか言っておきながら、発走3分前まで馬券に悩むのも毎年のことである(笑)

 

***** 2014/11/25 *****

 

 

 

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2014年11月24日 (月)

デイジュールの血

日曜の東京最終レースは3番人気のロンギングゴールドが混戦を制した。ピタリ測ったような差し切り勝ちに、手綱を取った横山和生騎手の口元には満足気な笑みが浮かんでいるように見える。

Kazuo 

ロンギングゴールドの母フサイチオラクルの半兄には、京成杯AHとエルムSを勝ったシンコウスプレンダがいる。その父は1990年の欧州年度代表馬・デイジュール(Dayjur)。シンコウスプレンダは日本で走ったデイジュールの産駒としては最高獲得賞金額を誇る。二度の重賞優勝の手綱は、いずれも横山和生騎手の父・典弘騎手が握っていた。

Yokoten 

デイジュール産駒の賞金王がシンコウスプレンダならば、ブルードメアサイアーとしてのデイジュールに、もっともたくさんの獲得賞金をもたらしている馬はいったい誰か?

Happy1 

もうお分かりですね。昨年のNAR年度代表馬にして今年の南関東2冠馬・ハッピースプリント。そのハッピースプリントが明後日の勝島王冠で戦列に復帰する。休み明け緒戦が古馬との初対決とはユルくないが、そんなことを気にするレベルの馬ではあるまい。果たしてどんな勝ち方をするか。注目はその一点であろう。

Happy2 

もちろん目指す先にあるのは東京大賞典。先週の浦和記念では、地方馬が1~3着独占の快挙を演じたばかり。今年の12月29日は、いつもの年とはちょっと違う一日になるような、そんな気がする。

 

***** 2014/11/24 *****

 

 

 

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2014年11月23日 (日)

めんこや@京王閣

昨日の続き。

オフト京王閣のフロアには、かつての特観食堂を改装した手打ちうどん店『めんこや』が営業中。幡ヶ谷や五反田で人気を誇る武蔵野うどん専門店の出店である。実は今回、ここへやって来た目的の半分は、ここのうどんを味わうためでもあった。

Menko1 

この店のオーナーが元競輪S級選手の小林正治氏であることは知る人ぞ知る。競輪で鍛えあげられた足で粉を踏み込むことによって、強靭なコシが生まれるという。お店のスタッフのみなさんも元競輪選手だそうだ。店内には製麺室もあって、運が良ければオフトフロアからでもガラス越しに麺打ちの光景を眺めることができる。

Menko 

太さが不揃いなうどんは手打ちの証。さらに手揉みが加わることで、麺に独特のねじれが生まれ、それがつけ汁をよく絡め取る。ややもすれば固いと感じる麺だが、武蔵野うどんとすれば標準的なレベルか。喉越しよりも麺をしっかり噛むことで小麦のふんわりとした甘い香りを楽しみたい。

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うどんの味もさることながら、特筆すべきはこのロケーションであろう。カウンター席に座れば、ゆったりとした多摩川の流れが眼下に広がる。窓の左には京王線の鉄橋。右には富士山。そしてその向こうに沈む夕日。最終レース前という時間帯でもあり、店内の客は私ひとりである。これほどの景色が独り占めできるうどん店を、私はほかに知らない。ここが場外馬券売り場であることをすっかり忘れてしまった。

Menko3 

今回は麺の味を確認する意味で釜玉を注文したが、人気は「ぶったまうどん」だという。いったいどんな一杯であろうか。こうなれば、近いうちに再訪して確かめねばなるまい。

 

***** 2014/11/23 *****

 

 

 

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2014年11月22日 (土)

オフト京王閣

仕事場が近くになったので、そのうち行かなきゃなと思っていた場所を訪れる機会をようやく得た。昨日のことである。

その場所は京王多摩川駅に隣接する京王閣にあり、

Keio1

競輪場とは別の入場口に、あの見慣れたロゴ。

Keio2

受付で入会金1000円を支払ってメンバーズカードを受け取り、

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エスカレーターを上ったフロアはカラス張りのスタンドと、

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たくさんのイスとテーブル。

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そうここは、

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会員制の場外馬券発売施設「オフト京王閣」です。この日は浦和最終日と名古屋の重賞・東海菊花賞の場外発売が行われていた。

京王閣競輪場のバックスタンド3階の特観席が、この春から南関東専門場外に生まれ変わったのである。座席数400席。窓口数9窓。会員制のオフトが初めてなら、競輪場本場に競馬の場外発売所が開設されるのも初めてのことだ。

Keio7

眼下には京王閣の400バンクが威容を誇る。その向こうには小倉競輪祭初日の場外車券を楽しむ競輪ファンの姿がちらほら。こういう光景も悪くない。だが、このオフトフロアで車券を買うことはできないし、向こうのスタンドで馬券を買うことはできない。

買えなくても競輪のレースは見たいので、バンクの上にある大型ビジョンで小倉10Rを眺める。実況音声は聞こえない。それでもロンドン五輪で応援した渡邉一成の捲り一閃に、思わず力が入った。遊びに来ているお客さんの中には、競輪と競馬はお互いに別の方が良いという人もいるだろうけど、せっかくのコラボ。少々もったいない気もする。

肝心のオフト京王閣であるが、浦和の最終日にしては入っている印象を受ける。とはいえざっと数えて40人程度。おかげでソファも窓口も余裕たっぷり。失礼ながら浦和本場に比べて利用者の雰囲気も悪くない。このあたりが会費1000円の効果か。メンバーズカードと一緒に渡された会員規約には「サンダル履きでの入場お断り」の一文が載っている。周囲を見渡す限り、確かに利用者にサンダル履きはいなかった。JRA馬主席のドレスコードよろしく、入場口でひとりひとりの足もとをチェックしているのだろうか?

 

***** 2014/11/22 *****

 

 

 

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2014年11月21日 (金)

2400mの東スポ杯

今週末のJRAは3日連続開催。最終日には、将来性豊かな2歳馬が集結し、GⅠへの試金石とも言われる東京スポーツ杯2歳Sが予定されている。

King 

それまでの府中3歳Sに「東京スポーツ」の名が冠されたのは1997年のこと。その最初の年がキングヘイローとマイネルラヴのワンツーフィニッシュだった。翌年の優勝馬はアドマイヤコジーンである。昨年まで17回行われた東スポ杯の1・2着馬から10頭のGⅠ馬を輩出していると思えば、ここである程度の力量は見定めておきたい。

Adimire 

ところで、96年以前にも「東京スポーツ杯」が行われていたことを覚えていらっしゃるだろうか。秋の東京の芝2400mで行われていた古馬オープンハンデ戦。92年にはセントライト記念でライスシャワーを破ったばかりのレガシーワールドが出走したことも。トップハンデを背負いながらも、セン馬ゆえに菊花賞に出ることを許されぬ鬱憤を晴らす激走で古馬を蹴散らした。

だが、古馬2400mの東京スポーツ杯の勝ち馬を見渡したところで、レガシーワールド以外にGⅠのタイトルに手が届いた馬はいない。むしろかつての東スポ杯は、“オープン大将”が輝くことのできる希少な舞台だった。そういう意味でも、現在の東スポ杯とは大きく立場が異なる。

Tousupo 

写真はカミノマジックが勝った95年の東スポ杯。彼もまた、オープン特別2勝の実績を誇りながら、重賞となると(0,0,5,17)といま一歩足りなかった一頭である。ただ、エメラルドSでステージチャンプを破った時の勝ち時計2分30秒4は、今も破られぬ阪神芝2500mのレコードタイム。馬場改修により芝2500mという距離設定がなくなってしまったことを考えれば、この記録は不滅かもしれない。たとえ重賞タイトルを持たなくても、旧阪神競馬場の記録とともにカミノマジックの名前は残るのである。

 

***** 2014/11/22 *****

 

 

 

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2014年11月20日 (木)

下克上

10月後半頃だったか、「下克上」という言葉をスポーツ紙でやたらと目にした覚えがある。

その時は野球の話だった。セリーグのシーズン2位に終わった阪神がクライマックスシリーズでシーズン1位の巨人を破り、日本シリーズに駒を進めたのである。目指すは1985年以来の日本シリーズ制覇。それをスポーツ各紙や阪神ファンは「下克上」と叫んで盛り上がった。

ところが、日本シリーズではパリーグの優勝チームソフトバンクに4勝1敗で敗れ、下克上はならず終い。なのにスポーツ紙には今なお「下克上」の題字が躍る。これはいったいどうしたことか?

Gekokujo 

皆さんお分かりですよね。そう、スプリンターズSから始まった秋のGⅠ5戦すべてにおいて、重賞未勝利馬が優勝を果たしているのである。確かに天皇賞のスピルバーグの末脚には驚いた。重賞未勝利馬の秋天制覇は1985年のギャロップダイナ以来。「1985年以来の下克上」は、甲子園ではなく、なんと府中で達成されてしまったのである。そういえば、山本英俊オーナーは「サムライタイガース」という馬も所有されていた。

ただし、今週のマイルCSはGⅠの中でも格がモノを言うレース。レース創設以来30回の歴史の中で重賞未勝利馬が勝ったのは1997年のトロットサンダーただ一頭。いやそれどころか重賞未勝利馬が2着に来たこというケースすら2度しかない。もともと重賞レース数が多い短距離~中距離路線の強豪が集まるGⅠだけに、重賞未勝利馬の出走そのものが少ないという事情もある。

Milecs 

加えてマイルCSはスペシャリストのレースでもある。30年という歴史の中で5頭が連覇を果たしており、2年連続して3着以内に入った馬が11頭もいる。今年は昨年の1、2着馬ばかりでなく、一昨年の1、2着馬も揃って顔を出してきた。このような年も珍しい。

だから、重賞未勝利馬の出番はさすがに……と言い切れないところがもどかしい。

秋華賞や菊花賞はともかくとする。エリザベス女王杯にしても、過去10年のうち重賞未勝利が3回優勝しているレースだと冷静に振り返れば、ラキシスの優勝を「下克上」と煽るのもどうか。だが、スプリンターズSと天皇賞を重賞未勝利馬が勝った事実は重い。理由を探せば前者は世代交代、後者は真のエース級の不在がもたらした結果であろう。すなわちロードカナロアの引退と、ジャスタウェイの海外遠征である。そんな理由付けができる以上、この秋一連の流れを偶然と切り捨てるわけにはいかぬ。混戦を承知で馬券と向き合うほかはない。

マイルCSに出走可能な重賞未勝利馬と言えばサンライズメジャー、サンレイレーザー、フィエロ、そしてレッドアリオンあたりか。フィエロはその戦績からも、鞍上からも、また勝負服からも人気を集めそうだが、それでは妙味というものがない。それならタガノグランパの菱田裕二騎手が勝って、「初重賞制覇がGⅠ」というストーリーはどうか。「下克上」と呼ぶには、むしろその方が似合いそうな気がする。

 

***** 2014/11/20 *****

 

 

 

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2014年11月19日 (水)

対談に見る日本文化

昔、とある企画で対談の進行役をやらされたことがある。

「やらされた」と書いたのは、つまりそれが私の意に沿った役回りではなかったから。本来の進行役が何かの事情で現場に現れず、写真係でたまたま現場にいた私に白羽の矢がグサッと突き刺さってしまったのだ。対談するのは某馬主と某元騎手。何かしらのテーマがあったはずなのだが、いざ対談が始まるとトークの中身は全くあさっての方向に流れて、プチパニックになったことくらいしか覚えていない。いま思い出しても冷や汗が出る。

ちなみに日本のような「対談」という編集スタイルが、ごく普通に誌上に溢れている国は珍しいのだそうです。

異なる立場の二人が意見をぶつけ合えば、当然ながら摩擦が生じるし、編集者の意図とは違う話に展開することの方がむしろ多い。しかも、それを頁数の限られた雑誌に掲載しなければならない。もし米国人同士があるテーマに沿った「対談」をすれば、それは間違いなく「討論」になることは目に見えている。「どちらか片方が相手を論破するまで、徹底的にやり合おうじゃねぇか!」なんてことになって収拾が着かなくなる恐れもあるし、たかが雑誌の数頁にそんな面倒な手間をかけるわけにもいかない。

そういう意味では日本の雑誌に登場する対談は実質的には歓談、あるいは世間話みたいなもんですね。

業界には食事付きの対談なんていうのも結構ある。一流割烹から取り寄せた弁当に箸をつけつつ、お互い適当に相槌を打ちながら実に和やかな雰囲気で対談は進む。そして、頃合いを見計らって「では、そろそろシメに…」みたいな空気が流れて、収まりの良い結論が出ておしまい。ほとんどがそんなパターン。なんというか、その辺は「あうんの呼吸」としか言いようがなく、これぞまさしく日本人独特の文化なのかもしれない。

そういえば、私が対談する側に回ったことも何回かあった。対談と言っても5~6人で会話する形態だったので、正確には「座談会」と言うべきだが、たしかに「場の雰囲気を損ねないように」とか「話題を変えるタイミングに注意しなきゃ」とか、それなりに気を遣ったという思い出がある。

Gate 

座談会というのも意外に難しいもので、最初のうちは「今日の議論をリードする人はいったい誰なのか?」なんてことを参加者全員が探り合う展開になって、会話の流れが澱んでしまうケースが多い。騎手もゲートが開くと同時に「誰がペース作るんだ?」みたいなことを探りながら乗っているわけだけど、それとなんとなく似ていますね。

 

***** 2014/11/19 *****

 

 

 

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2014年11月18日 (火)

健さん

JRA60周年記念イベントの一環として、東京競馬場では「懐かしのメモリアルCMリバイバル放映」が行われている。そのおかげで名作と名高い1992年の「あなたと話したい競馬があります」シリーズを22年ぶりに見ることができた。

伊豆田博之さんの名曲「夢のふるさと」を口ずさみつつ、「ああ懐かしいなぁ」と感慨にふけったのは、ついおとといのことだ。そのCMの中で無口ながら実直な牧夫を演じていた健さんは、そのとき既に旅立っていた。そう考えると少し不思議な感覚を覚える。

Kensan2 

トレンディ俳優を起用して「オシャレに競馬を楽しもう」とアピールした前年までのCMとは一転、この年から牧場で働く高倉健と裕木奈江が競馬を語り合うシリーズがスタートした。そこで健さんが語ったのは、競馬に欠かすことのできぬ「ロマン」である。健全なレジャーとして認知され、デートスポットとも化した競馬場のライトファンに、競馬の奥深さを教えてくれた健さんの功績は大きい。と同時に、それまで競馬を支えてきたベテランファンたちは、健さんの登場に自分たちの居場所を再確認したことだろう。

Yoshida 

このCMの撮影は早来の吉田牧場で行われた。いつのことだったか、吉田牧場を訪れた私が、吉田重雄さん、奥様、そして重雄さんの母・ミツさんと、ストーブを囲んで話し込んでいた時のことである。重雄さんが「そうだ。あれを見せよう」と言って、一本のビデオテープをデッキに入れた。生産馬が勝ったレースのVTRかな、と思ったがそうではない。TV画面に映し出されたのは、1992年8月に早来町民センターで行われた「フモンケ音楽祭」の様子であった。

「吉田牧場の皆さんにはお世話になったので、何かお礼がしたいなあ」

そう言い出したのは誰あろう健さんである。そのひと言が、早来町で毎年行われている音楽祭のゲスト出演に繋がり、さらに健さんとの共演が多い宇崎竜童にも声をかけてくださった。この年の音楽祭がたいへんな盛り上がりを見せたことは言うまでもない。

とはいっても、小さな町の手作りの音楽祭である。ステージに上った健さんがマイクを持って話をしているのに、「まさか!」「本物だべか?」という声が客席から聞こえてきたという。

ステージに立った健さんは、客席に座る重雄さんをはじめ世話になった方ひとりひとりの名前を挙げて謝辞を述べている。「そして最後に……」と間を置いて、最後に名前を挙げたのはミツさんであった。

「おばあちゃん……。本当にありがとうございました。」

TVの中の健さんは、そう言うとあのいつものお辞儀をした。その画面を見つめるミツさんの照れたような笑顔が忘れられない。健さんはどんな時も健さんであった。CMのロケ地に使われたことなどではなく、音楽祭が盛り上がったことがうれしくて、それを重雄さんは私に見せたかったのであろう。たしかにそれは素晴らしい音楽祭であった。私が今回の訃報に接して最初に頭に思い浮かんだ健さんの姿は、三上英次(駅 STATION)でも、松本正博警部補(ブラック・レイン)でも、佐藤乙松(鉄道員)でも、倉島英二(あなたへ)でもない。それはフモンケ音楽祭で歌う高倉健その人である。

Kensan1 

健さんの偉大さを語るには1日や2日ではとても時間が足りないが、俳優でありながら競馬にも大きな影響を与えた人物だということだけは忘れないでおきたい。健さんには牧場の景色がよく似合った。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。

 

***** 2014/11/18 *****

 

 

 

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2014年11月17日 (月)

ダートステイヤーたちの悩み

昨日の東京10R晩秋Sは1600万条件のダート2100m戦。1番人気のドコフクカゼが後続を5馬身も置き去りにする圧勝劇を演じた。

Bansyu 

実力伯仲の準オープン戦でこれほどの大きな着差がつくのは珍しい。たいていはクビとかアタマとか。大きくても1馬身である。同じ準オープン・ダート2100mの赤富士Sをソリタリーキングが勝った時は2馬身差だったが、それでも「強い!」という声があちこちから上がった。その後の同馬の活躍を見れば、周囲が感じた強さは間違っていなかったことになる。それが今回は5馬身なのだから、なお凄い。

ドコフクカゼはダートばかりで5勝目を挙げたことになるが、その距離の内訳は1700m、1800m、2000m、2100m、2100mと徐々に伸びてきている。その血統を見れば、母の父フレンチデピュティに母の母の父はリアルシャダイ。距離が伸びて真価を発揮するのも頷ける。

だが、今回の圧倒的強さを見てしまったことで、かえってドコフクカゼの今後にひとつの心配が生じてしまった。これだけ強い競馬をしたのに、JRAにはダート2100mの条件の重賞が用意されていないのである。10月阪神のシリウスSの2000mがダート重賞最長距離。だが「ダート2000m」とは名ばかりで、下手すりゃ「ダート1922m+芝78m」である。そんなおかしな条件もどこ吹く風と、意に介さないでくれれば問題はないのだが、現実はダジャレで済まされるほど簡単ではない。

ダートの準オープンクラスの舞台としては、この東京2100mが最長距離。しかも、金蹄S、丹沢S、赤富士S、晩秋Sの年4鞍しか実施されない。オープン入りを目指すダートのステイヤーたちは、ひとまずここを目標とする。

この4つのレースの歴代勝ち馬を眺めていてあることに気付いた。

2000mを超えるダート重賞がJRAから消えた2010年以降、ダート2100mで実施された準オープンのレースの勝ち馬の中から、JRAのダート重賞優勝馬はおろか、JRAで勝利を積み重ねることができたのは、わずかに3頭しか出ていないのである。ソリタリーキングのブリリアントS、トーセンアレスの障害未勝利、そして降級の恩恵を受けたドコフクカゼの今回の晩秋Sのみ。今後増える可能性もあるが、準オープン勝ちを最後の勝利として競馬場を去った馬も少なくない。JRAに目指すレースがない以上、それも仕方ないものと頷ける。

「長距離はダートグレードレースの領域」とする見方があることは承知しているが、準オープンを勝っただけでダートグレードの出走馬に選出されることはほぼ不可能。だからユーロビートのように地方に移籍してしまうという馬も現れる。だが、仮にそこまでを見越して番組を編成をしているのだとしたら、主催者としての矜持などもはやあるまい。

ドコフクカゼの2着だったクラージュドールに騎乗したムーア騎手は、「多分ないだろうけど2400mなら勝てる」とコメントした。その通り、ない。彼は口の聞けぬ馬の代わりに、ダートのステイヤーたちの声を代弁したのであろう。

 

***** 2014/11/17 *****

 

 

 

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2014年11月16日 (日)

銭場精肉店@大井町

13回開催が終わった大井のトゥインクル開催は年内残すところあと7日間。昼間開催に突入すれば、生活のリズムもガラッと変わる。これまでは夕飯の心配をしながら通っていた大井も、昼間開催ともなれば昼飯の心配をしなければならない。……って、まあ結局は食い物の心配に行きつくわけだ(笑)

なにせ普段から朝昼晩の3食にどこで何を食べるか、その3日くらい先までの予定は決めた上で生活している。たまに予定が決まってない日があると、朝飯を食いながら「さて、今日の昼飯は何を食べようか?」と考えるほど。だから食事のルーチンが変わることは一大事なのである。特に昼飯は影響が大きい。その理由はもちろん「ランチ限定メニュー」の存在にある。

このブログでも何度か紹介した大井町の『銭場精肉店』には、ランチ限定でミートソーススパゲティーがメニューに載っている。黒毛和牛の一頭買いで人気を誇る焼肉店が、昼限定でミートソーススパゲティーを出しているのである。

そのひき肉はむろん和牛100%。大量のたまねぎと一緒にソテーしたところに完熟トマトを加え、それを大量の赤ワインで5時間以上煮込んで仕上げたというそのソースは、圧倒的な旨味と肉々しさを漂わせている。「ミートソース」と言いながら実際には「ひき肉入りトマトソース」とでも呼ぶしかない代物が巷に溢れる中、この肉力にはさすが牛肉専門店と唸るほかはない。

Zenba1 

昨日も書いたが、ミートソースには「最後にソースだけ余る」という問題がついて回る。それを踏まえて幅広の麺・タリアテッレを使ってソースを絡みやすくしているのだが、それでもフォークで麺をクルクル巻いて食べるだけでは、ソースを残さず食べることは難しい。

だから、この店ではミートソースをオーダーすると、スプーンが運ばれてくる。これで余ったソースをすくって、ソースだけを味わって食べてください、というわけだ。そういう食べ方にも十分足る味と自負する所以であろう。このあたりは昨日紹介した『NAKA』にも通ずるところがある。

Zenba2 

ミートソースを食べ終えたら大井競馬場へ。店の前の坂を下って、「きゅりあん」の中を横切れば、1分もかからずに大井競馬場行き連絡バスのバス停に出る。昼間開催が楽しみだ。

 

***** 2014/11/16 *****

 

 

 

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2014年11月15日 (土)

NAKA(ナカ)@新馬場

ミートソースの話を続ける。

Eki 

大井競馬場に行くために品川から京急の各駅停車に乗ると、2つ目に「新馬場」という駅に停まる。これで読み方は「しんばんば」。かつてこのあたりには馬場があり、その脇を通る京急電鉄には「北馬場」と「南馬場」というふたつの駅があったのだが、1976年に両駅が統合され新たに「新馬場」として生まれ変わった。だから、この駅のホームはとてつもなく長い。北口はかつての北馬場駅。南口はかつての南馬場駅である。一歩出口を間違えるとひどい目に合う。

その長いホームの真下にあるレストラン『NAKA』は、地元に愛される洋食屋であり、一部のナポリタン・マニアの間では隠れた名店と謳われる一軒でもあるのだが、私の中では理想的なミートソーススパゲティーを味わえる店にほかならない。

Naka 

麺は極太。そこに肉感たっぷりのソースがドバっとかけられている。しかもその下は熱々の鉄板。この3つが揃えば言うことはない。

Meet 

惜しげもなく使われた赤ワインの深い芳香に、鉄板に焦げた肉の香ばしさが入り混じって食欲は増すばかり。ソースの主役はもちろんひき肉だが、それ以外にもさいの目に切られた牛肉やクルミが入っていて、ソースそのものが実に美味しい。一般的なミートソーススパゲティーの難点のひとつに「最後にソースだけ余る」というものがあるが、このソースならばたとえ麺が先に無くなってしまっても、「ほぐしたハンバーグ」としてソースを最後の一粒まで楽しめる。

「ナカ」という店名に違わず、新馬場駅のホームの真ん中あたりに立地しているのだけど、この店に行くのならば北口を出た方が絶対に良い。その理由を説明すると長くなる。どうしても気になるという方は、いちど新馬場駅の南口を利用してみればわかるはずだ。二つの駅が合併した歴史的事実を実感できるはずである。

 

***** 2014/11/15 *****

 

 

 

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2014年11月14日 (金)

武蔵野食堂と武蔵野S

京王線府中駅のガード下に『武蔵野食堂』というお店があると聞いて入ってみた。

店名から受けるイメージとしては、駅前にありがちな昔ながらの食堂。もしくは武蔵野うどんの店といったところか。―――と思っていざ入ってみれば、なんと生パスタの専門店でした。いや、分からんもんですね。

Musashino 

「武蔵野」の範囲は地理的には荒川と多摩川に挟まれたいわゆる武蔵野台地を指すが、広辞苑によれば「埼玉県川越以南、東京都府中までの間に拡がる地域」とされているし、国木田独歩によれば現在の川崎市の一部も武蔵野に含まれる。とにかく広い。広いから「武蔵野」と名のつくものは、銀行、自治体、大学、JRの路線も含めて数知れぬ。

最近は、熱いつけ汁に冷たいコシのあるうどんという組み合わせの「武蔵野うどん」が人気急上昇中。この『武蔵野食堂』から1分も歩かぬ距離には、その名もずばり『武蔵野うどん』という屋号の店が暖簾を掲げているほど。かつての武蔵野には一面の麦畑が広がっていた。そんなのどかな土地だったのである。

競馬ファンにとって「武蔵野」の名を冠するものと言えば、明日行われる武蔵野ステークスをおいてほかにあるまい。かつて2100mで実施されていた当時の活躍馬は、キソジゴールドやデュークグランプリといったそれこそ武蔵の国の野武士を思わせるタイプが多かった。

Kisoji 

だが、最近はクロフネやベルシャザールといったチャンピオンホースが勝つレースに様変わり。時代は変わった。もはや武骨な野武士が台頭する時代ではないのであろう。「武蔵野食堂」という店名を聞いて、昭和の駅前食堂のイメージを勝手に抱いた私も時代遅れの誹りを免れまい。ただ、ここのパスタが美味いことは忘れずに記しておく。もちもちとしたコシの強い麺が、肉粒のしっかりしたミートソースと絡み合い食べ応え抜群。ナポリタンよりもミートソースを偏愛する私のような人間には、有難い一軒になりそうだ。

 

***** 2014/11/14 *****

 

 

 

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2014年11月13日 (木)

ルースリンド産駒快進撃

昨日の話。大井競馬場は第47回ハイセイコー記念でござる。

早田功駿とルックスザットキルの作るペースは半マイル49秒フラット。「早いな……」。古馬オープンにも匹敵するラップを見て、隣のカメラマンが思わず呟いた。すなわち“追い込み注意報”である。

直線で先頭に立ったのは鎌倉記念の勝ち馬オウマタイム。それを外から吉原寛人のヴェスヴィオが並んで、交わした。他に迫ってくる馬は見えない。そして今度はオウマタイムが内から差し返す。2頭とも譲る気配は微塵もない。ファインダーを覗きながら「さあ、どっちだ?」と狙いを定めたその瞬間、背後から「うわーっ!!!」という大歓声が聞こえた。

その歓声のおかげで、私思い出したのである。

そうだ。追い込み注意報が出ていたんだ!

この2頭じゃない―――。腹を決めて大外にレンズを振ったら、矢のような勢いでストゥディウムが飛び込んできた。平和賞に続く連勝は、パールナデイア、シタヤロープに続く3頭目の快挙である。

Haiseiko 

史上初めて東京記念を連覇した父・ルースリンドは、2011年から種付けを開始した。だが、配合相手が13頭しか集まらない。翌年誕生して血統登録された産駒は8頭。そして現在馬名登録されているのは6頭である。だが、2歳戦が始まって半年やそこらで、6頭のうち4頭が勝ち上がっているのだから、これはもう凄いと言うほかはない。

Rusu 

同じくエルコンドルパサーの血を引く新種牡馬ヴァーミリアンもJRAで6頭、地方で15頭が勝ち上がる好スタートを切ったが、ルースリンドもアベレージでは決して負けていないのである。JRAで9戦未勝利で南関東に転入。初重賞制覇は6歳夏のスパーキングサマーカップまで待たねばならなかった。その後、7歳時と8歳時に東京記念を連覇。成績を見る限り典型的な晩成型なのである。全米古馬牝馬チャンピオンの祖母を持つ良血。だが、その祖母の名前が「Late Bloomer」と聞けば、血統的に見ても奥手のステイヤーと思い込んでしまうではないか。

そんなルースリンドの産駒が2歳戦をバンバン勝ち上がるのだから競馬は分からない。実は、初年度に13頭を付けて以降、種付け実績は途絶えているそうだが、来春は久しぶりの配合相手に恵まれそうだ。

 

***** 2014/11/13 *****

 

 

 

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2014年11月12日 (水)

逃げ馬記念日

昨日付で書こうと思ったことである。ネタの一日遅れをお許し願いたい。

ここ数日、「11月11日はポッキー&プリッツの日」というCMをよく見かけた。たしかに4つ並んだ「1」の数字はポッキーを連想させなくもない。なるほどと思いながら調べてみると、この日は「電池の日」「チーズの日」「麺の日」さらには「豚まんの日」でもあるという。なぜ11月11日が豚まんなのか? その答えは「11月11日の数字を豚の鼻に見立てて……」だそうだが、若干の無理があるのもこの手の記念日の面白さか。

だが、こうした記念日は勝手に名乗っているのではなく、「日本記念日協会」という団体のお墨付きを得ているものがほとんど。企業であれ個人であれ、記念日を制定したいな思ったら、申請書に記念日の日付、名称、由来などを書いて記念日協会に送る。それが翻訳家や弁理士らで作る登録審査会で認定されれば、5万円の登録料を支払えばよい。一軒簡単そうに思えるが不合格となる案件も結構あるそうだ。「お墨付き」というからにはそれくらいで妥当であろう。

とはいえ昔から記念日の登録申請が殺到していたわけではない。転機となったのは、冒頭にも書いた「ポッキー&プリッツの日」。思いのほか宣伝効果が高く、他の食品メーカーや団体などが競って登録に走った結果が、現在の記念日バブルに繋がった。ちなみに、もっとも記念日が多く登録されている日は、やはり11月11日だそうだ。なんと30もの記念日が登録されているという。そういう意味でもやはりポッキーはパイオニアだった。

そんな記念日ばやりの昨今だが、競馬絡みの記念日は少ない。7月31日の「トゥインクルレースの日」は大井のローカル記念日だし、9月23日の「愛馬の日」にしても競馬というよりは馬事振興である。

それなら11月11日の31番目の記念日として、「逃げ馬記念日」とする案はどうか。1111の戦績が並ぶ馬柱は逃げ馬の誉れ。少なくとも豚まんよりは自然であろう。レースを主導し、場合によっては己の勝利を度外視するペースを作り出し、時に名勝負を、時には波乱の結末を演出する逃げ馬への感謝の意を表す一日とする。ツインターボの墓参をするもよし。「逃げ馬列伝」などのDVDを見て過ごすもよし。うまいこと競馬開催があれば、徹底して逃げ馬の単勝馬券を買うのもまたよかろう。

Twint 

むろんこんな理由で日本記念日協会の認定を得られるとはとても思えぬが、逃げ馬の生き方にお墨付きなどむしろ似合わない。ともかく、一年に一度くらい彼らの献身に感謝する日があっても良いと思うのである。レジェンドテイオー、ツインターボ、メジロパーマー、サイレンススズカ、シルポートらの強靭な逃げがなければ、数多の名勝負は実現しなかったかもしれないのだから。

 

***** 2014/11/12 *****

 

 

 

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2014年11月11日 (火)

【訃報】本多正賢騎手

今朝のスポーツ新聞の競馬欄を見て、やるせなさでいっぱいになった。

インタラクションカップをはじめとした大井の馬柱で埋まる紙面の片隅に、船橋競馬の本多正賢騎手(厳密には“元騎手”)の訃報がついに掲載されてしまったのである。2011年1月4日の川崎1Rで落馬し脳挫傷と診断されてから4年近く。ついに意識が戻ることはなかった。30歳と聞けば、悲しみよりも悔しさが先に立つ。

デビューは2001年10月の船橋であるから、実質的には10年にも満たぬ騎手人生であった。通算成績は1974戦96勝。うち重賞は2勝。ひとつ目は2010年7月のサンタアニタトロフィー。カキツバタロイヤルの手綱を取った本多騎手は残り200mのあたりで先頭に立つと、的場文男騎手の強豪ボンネビルレコードの追撃を受けて立ち、凌ぎ切るという堂々たる競馬だった。「勝ててうれしい」。10年目の重賞初勝利を素直に喜ぶ彼の姿を思い出す。

Honda1 

ふたつ目の重賞はサンタアニタTから3か月後に行われたドリームトレジャーの埼玉栄冠賞。御神本訓史騎手の人気馬ブルーラッドを、浦和の短い直線で差し切るという味のある競馬で波乱を演じている。

Honda2 

立て続けの重賞制覇で、来るべき2011年はいよいよ飛躍の年―――。本人も、周囲も、誰もがそう思い始めていたに違いない。そんな矢先の落馬事故だった。競馬の神様は本当にひどいことなさる。

それにしても騎手とはなんと危険な職業であることか。普段からそう思っているつもりだが、こういうニュースに触れると、哀しい現実が心の奥に突き刺さってなかなか抜けない。親交のある騎手が鎖骨を骨折したと聞いてお見舞いの言葉をかけたら、相手は「鎖骨で良かったよ」と笑った。その時は私も一緒に笑ったが、その言葉の奥には笑って済ませられぬ現実がある。そう思えば、二度にわたる落命の危機から這い上がろうとする後藤浩輝騎手の精神力には、正直畏怖の念さえ禁じ得ない。

Honda3 

南関東での騎手の殉職は2006年の佐藤隆騎手以来。その前には浦和の松井騎手の悲劇もあった。今日は静かに殉職者を偲びたい。本多正賢騎手がジョッキーとして活躍した証をここに記すとともに、故人の冥福を心よりお祈り申し上げる。

 

***** 2014/11/11 *****

 

 

 

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2014年11月10日 (月)

ふたりの直木賞作家

ここのところ本を読んでばかりいる。別に読書週間だったからではない。家で過ごす時間が増えたのは良いが、特段することもないので、新書、古本、文庫本の類を問わず片っ端から頁を繰っているのである。なんとなく閉じ籠もりの症状に似てなくもない。とはいえ、私は若い時分にあまり本を読まなかった―――読んだという自覚がない―――ので、これでやっと帳尻が合う程度ではないだろうか。

「鷺と雪」で第141回直木賞を受賞した作家の北村薫氏は、私の高校の先輩であり、また恩師でもある。熱烈な阪神ファンでもあった先生とは、毎日のように野球談議で盛り上がったものだが、ある日の会話で「山口瞳先生の作風は名人芸。野球の話も多いから読んでみたらいい」と言われ、それならと手に取ったのが当時ちょうど新刊の「草競馬流浪記」であった。

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既に私は熱心な競馬ファンであったが、いま思えばこの一冊が私の競馬ファンとしての方向性を規定した感は否めない。すなわち地方競馬贔屓と旅打ち嗜好である。今も「山口瞳はあの競馬場をどう書いてたっけ?」という具合にパラパラと頁をめくることがしばしば。そういう意味でも、この本はやはりバイブルであろう。

それを30年ぶりにあらためて通読してみた。

関越道も、東北や上越の各新幹線も、ようやく一部開通したという当時の流浪旅である。開催日や最寄駅をネットで簡単に調べることもできない。むろん馬券は単複枠連のみ。場内にはノミ屋やコーチ屋がたむろしており、八百長に対する緊張感も漂っていた。だが、いちばんの問題は競馬の社会的認知度が今とは比較にならぬほど低かったことにある。そんな時代に「直木賞作家による全国公営競馬28場制覇」などという企画が立ち上がったこと自体が、そもそも奇跡に思えてならない。

この途方もない企画の発案者は作品の中にも登場する「スバル君」。当時の交通公社が発行していた雑誌「旅」の編集者として、山口氏の取材旅行にも同行していた彼だったが、8場目の連載を終えた時点で上層部から突然に担当替えを命じられた。左遷である。そのまま山口氏の「旅」への連載も打ち切られた。

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すなわち、競馬自体がそういう扱いを受けていた時代だったのである。その後、新潮社に河岸を変えて企画は続行。ついに28場制覇は達成された。そんな苦労を乗り越えてようやく世に出た一冊だと知ったのはつい最近のこと。思いを新たにしながら読んだ感想は「面白い」のひと言に尽きる。名古屋競馬場の騎手が着用していた「枠服」なんてのも、以前は興味もなかったのに、今では「ああ、そうだそうだ」とつい膝を叩いてしまった。発刊から30年後にこれだけ読み応えを感じる紀行文というものを、私はほかに知らない。

ちなみに、この「膝を叩く」というアクションは、高校教諭時代の北村薫先生の得意技だった。これが出ると教室はドッと沸く。直木賞作家となられた今の居住まいからは想像できないかもしれない。だが、北村先生はもともと演劇部。身体のキレと発声の素晴らしさは、圧倒されるものがあった。

 

***** 2014/11/10 *****

 

 

 

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2014年11月 9日 (日)

サクラシーキング産駒が凱旋

昨年に引き続き、日韓交流レース「インタラクションカップ」が11(火)に大井競馬場で開催される。今年の来日馬は、ヒアヒカムズ(Here He Comes)、パランジュイボ(Parang Juuibo)、ウスンイヤギ(Useung Iyagi)の3頭。「日本側断然有利」の下馬評をよそに、韓国のワッツビレッジが一気呵成に逃げ切って場内がシーンと静まり返った昨年のレースは、まだ記憶に新しいところ。どんな国際交流レースであれ、わざわざ遠征してくる馬を軽視してはいけない。

ヒアヒカムズは米国産の4歳セン馬。父のディヴァインパーク(Divine Park)はミスタープロスペクター系チェスターハウスの直子で、つい先日行われたBCジュヴェナイルフィリーズターフを勝ったレディーイーライ(Lady Eli)などを送り出している。

パランジュイボも米国産の4歳牡馬。父・ウィズディスティンクション(With Distinction)はストームキャットの直子で、昨年のフロリダにおけるチャンピオンサイアーでもある。パランジュイボ自身は、JRA5勝のタマモゴーアヘッドらと同じファミリー。

そして最後に4歳牝馬のウスンイヤギ。おそらくこの馬が3頭の中でもっとも日本との縁が深い。なにせ父はあのサクラシーキングである。JRA4勝。重賞勝ちはない。だが、名牝デアリングダンジグにシーキングザゴールドという血統背景からニュージーランドで種牡馬入り。その後、韓国に渡った。日本で産駒が走るのはこれが初めてとなる。

Sakura 

父が日本調教馬なだけではない。ウスンイヤギの4代母Daring Stepから広がる母系にはJCダート3着のジンクライシスや、現役準オープンのヒミノオオタカの名前もある。しかも、手綱を取るのが倉兼育康騎手。こうなると、中には日本の馬と勘違いする人も出てくるのではあるまいか。

普段は高知所属の倉兼騎手だが、現在は韓国で期間限定騎乗中なのである。先日は、重賞のKRAカップクラシック(韓国GⅢ)に優勝するという快挙を演じた。管理するイ・シンヨン調教師は、昨年のこのレースにフルムーンパーティで挑んでおり、二度目の強みもある。もっとも軽快すべきはこの牝馬かもしれない。

一方で、迎え撃つ日本側の意気込みも昨年とは違う。大井所属馬だけで戦った昨年から一転、今年は南関東4場から重賞級のスプリンターが勢揃いした。とはいえ昨年の勝ち馬ワッツヴィレッジのテンの3ハロンが、33秒8という超ハイペースだったことを思い出せば、とても楽観視はできない。JRA交流重賞でもハナを切れる速さ。油断は禁物である。ファンや関係者の熱気から、いずれは大きく伸びるとみていた韓国競馬だが、昨年の時点ではそのスピードが我々の予想を超えていた感がある。果たして今年はどうだろうか?

 

***** 2014/11/09 *****

 

 

 

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2014年11月 8日 (土)

混迷の2歳戦線

京王杯2歳Sはブービー人気のセカンドテーブルがまんまの逃げ切り勝ち。水を打ったように静まり返る東京競馬場のスタンドを後目に発走したファンタジーSは、あろうことかしんがり人気のクールホタルビが勝って、今度は京都のスタンドが凍りついた。

Kohai 

例年にも増して今年の2歳戦線は混沌が続いている。これまでに行われた7鞍の重賞勝ち馬の人気は、4人気、3人気、5人気、15人気、4人気、9人気、11人気、そして14人気。波乱が止まらない。ファンの悲鳴が聞こえてきそうだ。

 函館2歳S アクティブミノル 4人気 スタチューオブリバティ
 新潟2歳S ミュゼスルタン 3人気 キングカメハメハ
 札幌2歳S ブライトエンブレム 5人気 ネオユニヴァース
 小倉2歳S オーミアリス 15人気 ホワイトマズル
 いちょうS クラリティスカイ 4人気 クロフネ
 アルテミスS ココロノアイ 9人気 ステイゴールド
 京王杯2歳S セカンドテーブル 11人気 トワイニング
 ファンタジーS クールホタルビ 14人気 マツリダゴッホ

波乱の理由のひとつに、2010年から昨年まで4年連続して2歳リーディングサイアーに輝いているディープインパクト産駒が、今年は思うほど勝てていないことが挙げられる。これまで重賞勝ちがないばかりか、2歳リーディング争いでもダイワメジャーの2位に甘んじているのである。確たる中心馬の不在が、ファンを混乱させているのかもしれない。

もちろん、本当の勝負はこれからであるから、リーディング云々を言うのが早計であることは分かる。去年の今頃も同じようなことを書いて、結果ディープインパクトがしっかりとリーディングを確保したことを忘れたわけではない。

だが、去年のディープインパクト産駒の2歳世代は、11月9日(土)の時点で25勝を稼いでいたのに、今年は今日の京都3Rを勝ったアルバートドックを含めてもまだ18勝。出遅れ感は否めない。そもそも京王杯にもファンタジーSにも、産駒は1頭も出走していなかった。これでは勝てない。

来週は注目のデイリー杯2歳Sが行われるが、注目はステイゴールド産駒やハーツクライ産駒にばかり集まっている。それでも関西期待のディープ産駒が1頭くらいは出てくるのだろうと探してみれば、あろうことかここにも登録がなかった。ディープインパクトのエースはどこだ?

 

***** 2014/11/08 *****

 

 

 

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2014年11月 7日 (金)

ノベンバーSのその先に

明日土曜の東京10Rに予定されているのは、準オープンクラスのノベンバーS。その昨年の勝ち馬をご存じだろうか。そう、先日の天皇賞を制したスピルバーグである。

Spirbarg 

JC2連覇の女傑や皐月賞馬を破り、古馬中距離路線の頂点に登り詰めた同馬も、1年前は一介の条件馬に過ぎなかった。彼のみならず、シンコウキングやショウワモダンといった名前が勝ち馬に名を連ねる出世レースである。今年の出走馬の中に将来のGⅠ馬がいてもおかしくはない。

だが、現実は厳しいということも書いておこうか。写真は2005年のノベンバーSを勝ったマチカネキララ。3歳馬ながら直線で並み居る古馬をごぼう抜きにして、単勝オッズ1.3倍という圧倒的人気に応えてみせた。

Kirara 

この時点でデビュー以来の戦績は5戦4勝。唯一の敗戦はディープインパクトに敗れた神戸新聞杯だけである。重賞ウイナーの母親にサンデーサイレンスという配合。しかも藤沢和雄厩舎所属。いずれ重賞を勝つのはもちろんのこと、秋の天皇賞さえも狙える器と周囲が期待したのも無理からぬ話だった。

だが翌年、オープン特別を勝ったまでは良かったが、エプソムカップ、札幌記念と3着に敗れ、天皇賞に出走することは叶わなかった。結局は、重賞タイトルとも縁のないまま道営への移籍を余儀なくされている。物事は思うように運ばないもの。競馬はその典型に違いない。それを思えば、重賞未勝利のスピルバーグが天皇賞に出走できたこと自体が、まず幸運であった。前哨戦を勝ちながら天皇賞を回避したラストインパクトやエアソミュールに感謝すべきであろう。

ちなみにこのノベンバーSは藤沢和雄調教師が得意としているレースとして知られる。1992年のセンショウダッシュを皮切りに、95年シンコウキング、02年ハッピーパス、05年マチカネキララ、10年レッドシューター、12年サトノギャラント、13年スピルバーグと都合7勝。特にここ4年間で3勝は凄い。

今さら確認するまでもないがノベンバーSは条件戦である。したがって、出走条件に見合う馬が、上手い具合にこの時期にスタンバイしていなければ、出走させることすらできない。そういった制約がある中で、しかも勝利していることは驚きにも値する。まあ、調教師本人は条件戦ごときをたくさん勝っても嬉しくはないのだろうけど(笑)

そんな藤沢厩舎からは、今年はホーカーテンペストが出走する。こうなれば注目せぬわけにはいくまい。

 

***** 2014/11/07 *****

 

 

 

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2014年11月 6日 (木)

宴の余韻

昨日に続いてネット上で気になったネタから。

先日催された社台グループの謝恩パーティーでのこと。檀上でマイクを取った吉田照哉氏が、地方騎手と外国人騎手の素晴らしさを絶賛し、暗にJRA騎手を批判した―――。そう一部で話題になっている。

このパーティーには私も出席していたのだが、この話は正直知らなかった。ちょうど水割りのグラスを片手に、某調教師と牝馬の引退時期について盛り上がっていたせいもある。あとで聞いたところでは、「地方騎手は狭く短い競馬場でほぼ毎日騎乗して苦労しているので、ポジション取りが上手い」とか「外国人騎手は道中リラックスさせて馬を走らせるので、しまいに良い脚を使う」などと照哉氏はおっしゃったそうだ。ふーん。まあ、檀上の話などに耳を傾けたりしないことが、パーティーを楽しむひとつのコツですよね(笑)。

それでも、御神本訓史、真島大輔、森泰斗の3騎手が檀上に並んだ時は、彼らの話に聞き入り、ちゃんと拍手を送った。地方騎手に対して聴衆が露骨に興味を失い、会場が静まり返るのが癪なのである。彼らとて会員の想いを託されて、日々馬を駆っていることでは、JRA騎手となんら変わりはない。何より吉田照哉氏が「上手い」と持ち上げた地方騎手の代表でもある。

そんなことがあってから3日後の川崎競馬場では、ロジータ記念とローレル賞の豪華重賞2本立て。まずロジータ記念を勝ったのは、1周目の4コーナーから先頭に立って、そのまま残り1400mあまりを押し切ったノットオーソリティであった。御神本訓史騎手の手綱で社台地方オーナーズの所有馬。言うまでもなく筆頭馬主は吉田照哉氏である。

Mika 

息をつく間もなくローレル賞が発走。2歳牝馬にしては激しい直線の叩き合いを制したのは、以前このブログで「クラシックを意識させる逸材」と書いたララベル。その時と同じく真島大輔騎手の手綱。そして、馬主はまたも吉田照哉氏ではないか。

Maji 

まさか社台のパーティーに招待してもらったお礼というわけではあるまいが、このタイミングで御神本、真島の手による吉田氏の重賞連勝は絶妙と言うほかはない。レース後の検量前は先日のパーティーがまだ続いているかのような、そんな錯覚に陥るほどの賑わいようだった。

こうなると土日の競馬が俄然気になる。今週からライアン・ムーア騎手が短期免許で来日。日曜の東京には船橋の名手・左海誠二騎手が参戦し、なんと10鞍に騎乗。そして、8月の新潟で落馬負傷した内田博幸騎手が2か月ぶりに復帰するのである。もちろんJRA生え抜き騎手たちの奮起も期待したい。GⅠのない今週のJRA競馬は騎手たちの手綱さばきに注目だ。

 

***** 2014/11/06 *****

 

 

 

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2014年11月 5日 (水)

ミラクルムーン

ネットには朝から「ミラクルムーン」の文字が溢れていた。なんでも「171年ぶりに見られる」らしい。

ミラクルムーンと聞いて思い浮かぶのは、父がアドマイヤムーン、母は名牝ノースフライトという血統の4歳牝馬以外にない。種牡馬ミスキャストの妹でもある。JRA1勝の戦績を引っ提げて金沢に移籍したが、彼女は昨年12月のアマメハギ特別というレースを最後に引退したはず。それが「171年ぶりに見られる」というのはいったいどういうことか? はなはだ理解に苦しむ。

Miraclemoon 

調べてみると全然違った。古来より9月9日は「菊の節句」。それに続く9月13日は「十三夜」のお月見である。ただしこの日付は陰暦でのもの。今年はとっくに過ぎてしまっている。

ところが、本年は陰暦の9月が2回もある。すなわち9月のあとの閏9月である。それが171年ぶりらしい。それで「菊の節句」と「十三夜」が二回訪れる。その十三夜の月を―――誰が名づけたのかしらんが―――ネット上で「ミラクルムーン」と呼んでいるらしい。スーパームーンを上回るような奇跡的な天体現象かと期待したが、あくまでも暦の都合で行事が増えたに過ぎない。

迎えた夜。川崎競馬場の上空は雲で覆われて月は見えないが、最終レースの重賞・ローレル賞にこんな名前の馬が出ていた。

Miracle1 

ミラクルフラワー。こんな夜に「奇跡の花」と聞けば、満月の夜に咲く月下美人を想起せずにはいられない。これは注目であろう。

Miracle2 

だが、結果は8着。ミラクルムーンの夜にミラクルフラワーは咲かなかった。やっぱ、曇ってちゃあダメですね。

 

***** 2014/11/05 *****

 

 

 

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2014年11月 4日 (火)

【駅麺探訪番外編】深大寺そば@立川

立川駅南口を出てちょっと歩くと、『深大寺そば』という大きな黄色い看板が目に飛び込んでくる。駅構内の店舗ではないから、“駅麺”ではない。だが、立川の立ち食いソバと言えばこの店だろ!という意見は、きっと多いはずである。

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なにより安い。驚くなかれ平日かけそば1杯160円である。ただし、土日は100円増しなので注意されたい。理由は目と鼻の先にあるウインズ立川。お察しいただけると思う。それでも260円なら十分安い。競馬場の半額ではないか。そばはごく普通の茹で麺で、つゆは色の濃い関東風。味の決め手は惜しげもなく投入された3種の鰹節だそうだ。

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江戸時代、現在の調布市にある「深大寺」が、地元の農家から譲り受けたそばを打ち、参拝客らに振る舞ったのが「深大寺そば」の始まりという。その名が全国に知れ渡ったのは元禄年間とされ、上野寛永寺の高僧に献上して称賛を得たとか、鷹狩りの際に立ち寄った将軍が気に入ったとか、献上された親王が大いに喜び各地に広めたからだとか、諸説あるがどれも決め手に欠けるようだ。それでも深大寺周辺は昔から湧水が豊富で、それがそばを美味しくしているという説には、特に否定する理由もない。

競馬ファンにとって馴染みの深い「深大寺」の屋号といえば、東京競馬場の『馬そば深大寺』ではあるまいか。なるほど、どちらも「深大寺」を名乗るだけあって味も似ている。というか、丼の模様までそっくりではないか―――?

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なーんて、実はこのふたつのお店、いずれも「アーバン」という会社の経営にかかる姉妹店なのである。だから味が似ていても、ドンブリが同じであってもべつだん不思議ではない。東京競馬場でかけそば1杯260円は無理だろうけど、立川のこのお店で競馬場の「鳥そば」を出したら売れると思うんだけどなぁ。いかがでしょう?

 

***** 2014/11/04 *****

 

 

 

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2014年11月 3日 (月)

【駅麺探訪③】奥多摩そば@立川

文化の日にふさわしいネタかどうかは分からないが、駅そばの話を続ける。

私が学生の頃は友人同士で「あそこのは美味い」「この駅の天ぷらはサクサクだ」「あの駅は最悪」などと、駅そばの話題で十分時間が潰せたものだだった。なにせ店を出しているのはたいてい地元の業者である。各駅ごとにまるで店が異なるのだから、当たり外れがあって不思議はない。名店の誉れ高き大宮駅や八王子駅などを通るときは、わざわざ電車を降りてホームの駅そばをすすった記憶がある。

ところが国鉄の民営化とともに、かつての「日本食堂」から生まれ変わった「日本レストランエンタプライズ(NRE)」は、地元の業者を次々と排除していった。現在、首都圏のJRの駅で見かける『あじさい』『小竹林』『湾岸そば』『菜の花』といった駅そばチェーンは、屋号こそ違えど全てNREの傘下である。そこでは同じ材料と統一的なマニュアルをもとにそばやうどんがつくられており、駅ごとの違いはもはやない。

Okutama 

立川駅の『奥多摩そば』は、古くから地元の中村亭が暖簾を守ってきた。「おでんそば」で駅そばファンにも人気の一軒である。だが、その名店も今はNREに乗っ取られており、おでんそばはメニューにあるものの、麺やダシはほかの駅とまったく同じ味がする。

Oden 

しかも、このおでんそば、府中本町駅の『小竹林』でも冬になるとメニューに載るのである(※下写真)。競馬の行き帰りに食べたことのある方もいらっしゃるのではあるまいか。

Honmachi 

系列店なのだからメニューの貸し借りが問題にはならないことはわかる。立川に比べて10円高い価格設定はわずかばかりの気遣いであろうか。だが、こうなってしまっては立川名物もなにもあるまい。

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確かに千葉駅や津田沼駅のように、かつてはどうしようもない代物を出していた店が、チェーン化によって救われた例があることも否定できない。だが、駅ごとのそばやうどんの違いを楽しむことはできなくなった。NREはそれを「進歩」と呼ぶのかもしれないが、文化的な側面から見ればやはり退行とみるべきであろう。

 

***** 2014/11/03 *****

 

 

 

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2014年11月 2日 (日)

【駅麺探訪②】えきめんや@川崎

明日から川崎開催がスタート。水曜日にはロジータ記念とローレル賞のダブル重賞が控えている。いや、これって地味に凄いことなんですよ。

そんな川崎競馬場に京急を利用して向かう場合は、京急川崎駅で大師線に乗り換えるのが一般的だが、その大師線のホームにある『えきめんや』という立ち食い店が、一風変わったサービスで人気を集めているのをご存知だろうか。実はこの店、ツユを関東風と関西風の二つの味から選べるのである。写真は関西風ですね。

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俗に「関西の味付けは薄味」というイメージで語られることが多いが、その源流にあるのは食べ物を長持ちさせるために生まれた塩漬けや昆布〆の技術。素材そのものに塩分が含まれているから、それに直接醤油をつけるとしょっぱくて仕方ない。そのため醤油はダシで薄めて使わざるを得なかった。

うどんやそばのツユの味にしても然り。うどんの味を決定するのは小麦粉と水とあとひとつ。それは塩である。特に讃岐うどんには多くの塩が含まれているから、濃い味のつけ汁を必要としない。

対して東日本で発展したそばには塩分が含まれていないから、濃い味のつけ汁を絡めて旨味を補強しないと物足りないのである。それが関西のうどんと関東のそばのツユの味を決定的に分けた。ともあれ味つけの度合いは、素材に塩分が含まれているかどうかに左右される。

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だから、本来うどんには関西風、そばには関東風のツユが合うはずで、『えきめんや』の食券販売機にもそう書いてある。とはいえ、逆がいけないなどということでは決してない。せっかくだからいつもとは違う味の組み合わせを楽しんでみよう。厨房のおばちゃんに食券を渡しながら、「うどん、関東で」などと手短に伝えるのが通のオーダーである。

 

***** 2014/11/02 *****

 

 

 

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2014年11月 1日 (土)

【駅麺探訪①】星のうどん@横浜

駅の立ち食いと言えば関東圏ではそばをイメージするのが一般的。うどんもメニューには存在するのに、一般には「立ち食いそば」とか「駅そば」などと呼ばれる。

だが、一歩関東を離れればそうとは限らない。佐賀競馬場への最寄駅となるJR鳥栖駅構内には、美味いと評判の立ち食いうどん店がある。中にはわざわざ入場券を買って食べに行く客もいるらしい。

しかも、なぜか6番ホームにある店がいちばん美味いという。実際、私も6番ホームの店舗で名物の「かしわうどん」を食べたことがあり、たしかに美味かった覚えがある。だが6番ホーム以外の店で食べたことはないのだから、「6番ホーム最強説」の真偽までは分からない。

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相鉄の横浜駅構内に店を構える『星のうどん』は、関東には珍しい“駅うどん”だ。その名に違わず、そばはメニューに置いてない。

「うどんはさぬき。健康第一。塩分ひかえ目。汁は薄口博多風」

これがこの店のコンセプト。ムロアジ、サバ、ソウダガツオ、フシ、カツオといった魚と利尻コンブから引いた黄金色のダシも、モチモチした食感の麺も、いずれも駅構内の立ち食い店が出すレベルを凌駕している。当然ながら値段も安い。写真のゴボウ天うどんが370円である。だが、駅そば文化の関東で敢えて“駅うどん”にチャレンジしようとするその心意気を思えば、このレベルの高さもなるほどと理解できる。

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ちなみに、先ほどの鳥栖駅では入場券を買って食べに行く客がいると書いたが、こちらの『星のうどん』には、改札外から利用できるカウンターもあるので、わざわざ入場券を買う必要はない。むろん出てくるものは同じ。ただ、その場所が分かりにくいことが難点か。ヨドバシカメラの「ケータイ・ワンセグ館」から相鉄方面に向かうと良いです。

 

***** 2014/11/01 *****

 

 

 

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