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2014年8月 3日 (日)

夏の牝馬はどこへ

夏の牝馬はいったいどこに行ってしまったのだろう―――?

尋常ならざる灼熱の太陽に焼かれながら、ふとそう思った。

2006年に始まったサマースプリントシリーズは、11年までの6年間ですべて牝馬がチャンピオンに輝いてきた。11年までの6年間で行われたシリーズのべ30戦の成績は、牝馬24勝に対し、牡馬はわずかに6勝。「夏の牝馬」の活躍を見事なまでに具現してきたのである。

風向きが突然変わったのは12年。この年、シリーズ6戦のうち牝馬が勝ったのは、エピセアロームのセントウルSのみにとどまった。翌13年も牝馬の1勝5敗。そして今日のアイビスサマーダッシュでも牝馬は勝つことができなかった。今年はシリーズ3戦を終えた時点で牝馬の1勝2敗。06年から11年までの6年間で8割を誇った牝馬の勝率は、この2年あまりで大暴落してしまったのである。

なぜ牝馬が夏に強いのか。よく言われるのが「子どもを産むから」というもの。馬に限らず男より女の方が環境の変化に対する順応力は高い。ほかにも「馬体の大きい方が、熱を放出しにくいから」という説がある。一般的に牝馬の方が牡馬より小さい。太っている方が夏バテしやすいから、体の小さな牝馬が有利になるというもの。私自身夏バテが激しいから、これにはなんとなく説得力を感じる。

しかし、かつては氷柱に扇風機が普通だった厩舎の暑さ対策も、最近はすっかり様変わりした。今じゃ全館冷房完備の厩舎は珍しくもなんともない。さらにミスト発生装置なども組み合わせることにより、暑さ対策は格段に進歩している。遠征先の馬房にも、こんなポータブルクーラーを持ち込むことができるから、昔のように露骨な夏負け症状を呈している馬を見ることも少なくなった。

Coler 

牡馬の成績が上がったのは、設備の充実により過酷な暑さから開放されたため―――とする仮説は、しかしまだ不十分であろう。それなら、牝馬と牡馬が互角の成績でなければならない。

となれば「冷房病」ではあるまいか。人間でも冷房病は圧倒的に女性に多い。我が家でもエアコンの設定温度で言い争いになることがしばしば。3人の女に言い負かされて我慢を強いられるのは、言うまでもなく家庭内でただ一人の男の私である。だが、「設定温度低すぎ!」と言えない牝馬は、冷房に体調を崩して得意の夏が逆に苦手になってしまっているのかもしれない。それくらいでなければ、この成績の逆転現象は説明できまい。

それにしても、エルニーニョを理由に「今年は冷夏になる」と言い切っていた予想屋……、ではなく予報士はいったいこの暑さをどう思っているのだろうか? 「夏の牝馬」よりも、「冷夏」の行方が気になるほどの、激しい猛暑が続いている。

 

 

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