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2014年8月13日 (水)

馬喰

東京駅から総武快速線の千葉方面に向かうと、2駅目に馬喰町という駅に停まる。

「馬喰」とはいわずと知れた馬の仲介業者のこと。日光街道沿いにあるこの地には東北からの良馬が集まりやすいということも手伝って、江戸の昔より定期的に馬市が開かれ、多くの馬喰で賑わっていたとされる。現代ならセレクトセール開催時の苫小牧とか、サマーセール期間中の静内といったところか。ちなみに、北海道弁で「交換する」という意味の「バクる」という言葉は、この「馬喰」に由来するのだそうだ。

現代の馬喰町に馬市は立たないが、馬ではなくうどんを求めて足を運んだ。讃岐の味そのものと評判の『ちょうさ』さんが暖簾を掲げているのである。

タイミングが合わなければ、打ち立て、茹で立てに巡り合うことができないことは仕方ないのに、それでもなお小麦の芳香は豊かで、ほんのり甘めのいりこダシと相まって喉越しも抜群だから凄い。讃岐の底力を感じる一軒だ。

Chosa 

店名の「ちょうさ」は聞き慣れぬ言葉だが、観音寺市のお祭りに登場する太鼓台とのことらしい。祭りでは、金糸の刺しゅうに彩られた何台もの「ちょうさ」が街中を練り歩くのだという。香川人にしか分からない言葉だけに、店名を見て暖簾をくぐる香川出身のお客もいるとのこと。まさに東京にある香川ですね。

ちなみに「ばくろう」という地名は「博労」「白楽」も含めて、日本中に見ることができる。それだけ馬市があちこちで開かれていたことを示すものだが、本来の語源は中国の古典に登場する相馬の達人「伯楽」(はくらく)にある。

逸話では「伯楽が通過した後には、良い馬が一頭もいなくなってしまった」とされ、転じて「良馬を見分ける名人」という意味で使われるようになった。昨今では成績の良い調教師を「名伯楽」などと呼んでもてはやすこともあるが、語源からすれば「名馬喰」と呼ぶのと同じことに他ならない。

さらに最近では野球とかサッカーの監督・コーチをして「名伯楽」などと呼ぶこともあるが、ここまでくると、もはや語源も意味もあったもんではない。おそらくは調教師に対する「名伯楽」という言葉を「名トレーナー」という意味に勘違いしての誤用であろうと想像するが、野球やサッカーで使うならせめて無名選手を発掘したスカウトに使われるべき言葉であろう。本来の意味は「素質を見出す達人」という点にあるのだから。

 

 

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コメント

ほぉほぉー勉強になりました。

投稿: tsuyoshi | 2014年8月14日 (木) 13時47分

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