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2014年8月 4日 (月)

【訃報】ヴェルデグリーン

重賞2勝の強豪・ヴェルデグリーンの急死が伝えられた。先日、エルムSを勝ったローマンレジェンドや中京記念を勝ったサダムパテックと同期の6歳。さあこれから、という時の訃報に、適当な言葉が見つからない。

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しかしもっとも悲しい思いをしているのは、同馬を管理する相沢調教師に違いあるまい。ヴェルデグリーンの祖母は、相沢師が管理して1999年のオークスを制したウメノファイバー。引退後、スペシャルウィークとの間に生まれたレディーダービーも相沢厩舎に所属したが、未勝利に終わった。しかし、無理をさせることなく早めに繁殖に上げたのが功を奏したのであろう。レディーダービーは5歳の春に初仔のマイレディー(父アグネスデジタル)を出産。その翌年に産まれたジャングルポケットの牡馬が、ヴェルデグリーンである。

2011年12月の中山・新馬戦。普段は温和な相沢師が、レース発走直前に「執念だよ」とぽつり呟いた。ウメノファイバーのオークスから12年。この牝系にかける調教師の思いは並大抵ではない。その思いに、ヴェルデグリーンも3コーナーからのまくりという新馬らしからぬレースぶりで応えた。

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「走るね。こういう競馬(まくり)で勝てるんだから先々も楽しみ。すべてにおいて水準以上」

馬を降りて検量に向かう松岡騎手の言葉を思い出す。いま思えば、なんと示唆に富んでいることか。事実、重賞初勝利となった昨年のオールカマーも、今年のAJCCも、その決め手は3コーナーを過ぎたあたりからのまくり一閃。特に中山コースでの強さは際立っていた。

そういう意味では、もし順調に使われて、もし皐月賞にも出走を果たし、そしてもし、この年の皐月賞が例年通り中山で行われていたらどうなっていただろうか? 彼の訃報に触れ、ついそんなことも考えてみたりする。

この年の3月11日に発生した東日本大震災により、出走が確定していた週末の中山開催は中止。急遽、翌週の若葉Sに向かったが、日本中が混乱する中の輸送が堪えたのか馬体重は18キロの減。13着の惨敗を喫して、彼の3歳春は終わった。

祖母に似て気性が荒く、厩舎スタッフはずいぶん手を焼いたという。その一方で、寂しがり屋の面もあり、競馬場で鳴くこともあった。手がかかった分だけ喜びは大きく、そして悲しみも深い。謹んで冥福を祈る。

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それにしても昨日の小倉でのノーブリーの激走には驚かされた。ウメノファイバーの子だから、ヴェルデグリーンの叔父である。12番人気ながら、道中後方から徐々に差を詰め、最後はあわやの4着。その“まくり”っぷりにはヴェルデグリーンを彷彿とさせるものがあった。

 

 

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