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2014年7月18日 (金)

ワンタンに賭ける夏

このブログではうどんばかりを取り上げているので、「蕎麦とかラーメンは食べないのですか?」という質問をいただくことがたまにある。

食べないこともないのだけど、その麺のジャンルにはなぜか求道者のごとき店主が多く、自然に足が遠のいているのかもしれない。「まずは水蕎麦で蕎麦本来の味を味わってください」と言われたり、鉢巻しめて腕組みしている店主の写真が貼ってあったり、客の目の前でスタッフを怒鳴りつけたり、炎天下に行列を強いられたり……、とにかくそういう類の店は苦手なんですね。まあこれを「好き」という人は少ないと思うけど。

だから、たまに行くラーメン屋は地元に昔からある“普通のお店”に限られる。三軒茶屋の『茂木』はまさにそんな条件にジャストフィット。買い物のついでにちょっと寄ってみたくなる、そんなカジュアルさが良い。

歯切れの良い中細麺に豚骨ベースの塩醤油味なのだが、豚骨も、塩も、醤油も、決して主張し過ぎていないところがいい。表面を覆う透明な油は自家製のラード。これがスープを冷めにくくし、スープにまろやかな旨味を加えている。

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しかしこの店の楽しみはなんと言ってもこのワンタン。分厚いワンタン皮の中には、しっかり下味が付けられた肉がパンパンに詰まっている。噛めばジュワっと肉汁が染み出る―――というタイプではなく、思いのほかガッシリした歯応え。無骨と言えば無骨。昨今の流行りではないかもしれない。だが、そのおかげでワンタンの存在感は麺やスープを凌駕している。思わず「イイじゃないか」と呟いてしまう。

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ワンタンと言うと、京都の「八ツ橋」のような薄っぺらいやつをイメージされる方もいらっしゃるかもしれないが、あれは正確には「扁食(ペンス)」という福建省の料理である。福建省出身の華僑が長崎でペンスの店を出し、なぜかそれが「雲呑(ワンタン)」として全国に広まってしまった。団子ほどの大きさに丸めた餡をワンタン皮の真ん中に置き、四隅を摘んで一か所でまとめギュッと押さえると、テルテル坊主を逆さにしたような形になる。それこそが正真正銘のワンタン。そういうワンタンが並ぶことなく、店主の機嫌に気を遣うこともなく、気軽に食べられる。それがラーメンの醍醐味であろう。

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ちなみに、月曜の船橋競馬場ではスーパースプリントシリーズの最終戦・習志野きらっとスプリントが行われる。その真髄はワンターンのスピード勝負。お昼にどこかでワンタンを食べてから、ワンターンにかける馬たちのスピード比べを見に行ってみようか。

 

 

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コメント

ほー、そんな逸話が。流石です。

投稿: tsuyoshi | 2014年7月19日 (土) 08時25分

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