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2014年7月14日 (月)

荒尾の記憶

昨日、佐賀競馬場で行われた第16回吉野ヶ里記念は、3番人気のスイングエンジンが鮮やかに逃げ切って初めての重賞タイトルを手にした。

IPATの運用に絡んで重賞が乱立している佐賀競馬には、実質的には下級条件戦であるにも関わらず「重賞」とか「オープン」の副題が付いているレースも少なくない。だが、この吉野ヶ里記念は正真正銘の“重賞”。ハクシュカッサイ、オペラキッス、マンオブパーサー。過去の勝ち馬には、佐賀を代表する名馬の名が連なる。

Swing 

そんな一戦を制したスイングエンジンは、サクラローレル産駒の牡8歳。JRA1000万条件から佐賀に移籍して3戦目の競馬だった。転入後の2戦では完敗だったサウスパシフィックとマイネルパルフェを、大一番で破ってみせたその勝因はいくつかあろうが、直前で乗り替わりになった田中純騎手の思い切った先行策によるところも大きいと思われる。

スイングエンジンの母スイングバイは、荒尾で9戦7勝の戦績を引っ提げて2000年に大井に移籍。すると転入から6連勝で重賞・トゥインクルレディー賞まで駆け上り、クイーン賞での敗戦を挟んで続くファーストレディー賞をも逃げ切った。その破壊的なまでの逃げ脚は、今なお大井のファンの脳裏に深く刻まれている。

一方、殊勲の田中純騎手は03年4月に荒尾で騎手デビュー。08年の大阿蘇大賞典をワイルドコマンダーで優勝するなど順調に実績を積んできたが、11年の荒尾競馬廃止により25歳の若さで鞭を置かざるを得なくなった。

だが、ジョッキーへの想いを完全に断ち切ることができず、佐賀競馬で厩務員をしながら再び騎手への道を目指すことに。そして見事2013年に再デビューを果たした。今回、吉野ヶ里記念を制したスイングエンジンは、その時お世話になった真島調教師の管理馬である。しかも荒尾で活躍した名牝の子での快挙。感慨深いものがあるに違いない。荒尾の記憶を思い起こさせる、良い競馬だった。

Arao

 

 

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