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2014年7月25日 (金)

ピウスツキとピルサドスキー

サッカー日本代表の新監督に就任したハビエル・アギーレ氏の名前の表記が、媒体によって「アギーレ」と「アギレ」の二つに分かれていることが話題となっている。

TVのキャスターはほとんど「アギーレ」と発音している。画面のテロップも「アギーレ」。だが、新聞はほとんどが「アギレ」で統一されている。中には「スポーツ報知」のように、6月中は「アギーレ」と表記していたはずのに、今月に入って「アギレ」に切り替えたケースも。TVと新聞とが一貫して違う表記を使うというのも珍しい。

もっとも、これは競馬ファンにとってはよくある問題でもある。もっとも有名なのは米国の名種牡馬「Danzig」の表記問題だ。「ダンジグ」と「ダンチヒ」。二通りの表記があって、いまだ統一されていないのである。

「デアリングハートの母・デアリングダンジグ(父ダンチヒ)」

30年を経てなお、こんな記事が巷に溢れかえる状況を見るに、Danzig問題の解決を見ることはもはやあるまい。なにせ、かつて我が国では促音や拗音を馬名に使うことは認められていなかった。「ヴ」の使用が認められたのも1990年である。これでは「なるべくオリジナルの発音に近い表記を」などという意識が生まれるはずもない。

Helissio 

90年代に入って海外の競馬が身近に報じられるようになると、似たような問題が続発する。例えば96年の凱旋門賞を勝ったHelissioは「エリシオ」と「エリッシオ」。5馬身差の2着に入ったPilsudskiも「ピルスドスキー」、「ピルスドゥスキー」、「ピルスツキ」、「ピウスツキ」と各紙バラバラの表記で報じられた。

Pilsudski 

しかし両馬は種牡馬として日本に輸入されることになる。となれば、カタカナで馬名登録をしなければならない。そこでようやく「エリシオ」と「ピルサドスキー」という表記の統一を見た。

Pilsudski2 

だがここで新たな問題が発生する。「エリシオ」はともかく、「ピルサドスキー」という表記は統一前にも使われておらず、原語の「ピウスツキ」にも、英語読みの「ピルスドゥスキー」ともかけ離れているということで批判が相次いだ。Pilsudskiを購入したのはJRAだが、拗音や促音は馬名に不要という昭和のセンス丸出しの、歴史的ネーミングといえよう。

それでもJRAが決めた的外れな表記を、報道各社はきちんと使っているのだから偉い。新監督就任発表の会見に臨んだ日本サッカー協会の原博実専務理事は、はっきりと「アギーレ」と言った。協会の公式サイトにも「ハビエル・アギーレ」と明記されている。それでも全国紙でさえ「アギレ」にこだわる。不思議だ。もはや共同通信社がそう書いているから右へ倣えというわけでもあるまい。サッカーにはてんで疎い私だが、この問題の先行きには興味がある。

 

 

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