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2014年7月17日 (木)

新種牡馬の夏

あさっては2歳世代最初の重賞・函館2歳S。当然ながら新種牡馬の産駒が気になるところだが、この世代のトップを切って重賞に産駒を送り込んできた新種牡馬は、ハービンジャーでも、エンパイアメーカーでも、いわんやカネヒキリでもなく、現役時GⅠ級レース9勝の猛者・ヴァーミリアンだった。

Varmilian 

JRAでの勝ち上がりはまだないものの、地方では2戦2勝のエンターザスフィアを筆頭に、ダイリンザン、ゲットザグルーブ、フジノロンシャンの4頭が勝ち上がる好スタート。中でもエンターザスフィアは、フレッシュチャレンジで2~5着に下した馬がいずれも勝ち上がっただけでなく、ウィナーズチャレンジ1で負かしたメンバーがその後の道営重賞・栄冠賞で上位を独占したこともあって、注目度は日増しに高まっている。しかも、管理するのはハッピースプリントを育てた田中淳司調教師。手綱を取るのはJRAの岩田康誠騎手。これでは注目するなという方が難しい。

今年のサンデー系の新種牡馬はキンシャサノキセキ、アドマイヤオーラ、カネヒキリといったあたりで、大物感に欠けるとも言われていた。だが、ヴァーミリアンの母の父はサンデーサイレンスであり、しかもその母系はいわゆる“スカーレット一族”。血統水準の高さは言うまでもない。ダートグレードの申し子のようなイメージの強いヴァーミリアン自身にしても、2歳時にラジオたんぱ杯2歳Sを制したほどだから、芝への適性がゼロということもなかろう。エンターザスフィアが新種牡馬重賞勝利第一号の栄誉を父にもたらしたとしても、さほど驚く必要もなさそうだ。

一方で、今年デビューとなる新種牡馬のエースと目されていたハービンジャーの出足が、思いのほかよろしくない。セレクトセールの会場でも話題になるほどだから、まあこちらも注目度の高さではエンターザスフィアに負けていないようだ。

JRAでは、これまでに7頭がデビューしていまだ未勝利。地方ではデビューすら果たしていないが、これほどのクラスの種牡馬だと地方に入厩する2歳馬もそう多くはないから、これは仕方あるまい。

ハービンジャー自身が3歳デビューで、本格化したのが4歳時だったことを思えば、こうした事態もある程度織り込み済みか。それでも、この世代の種付け頭数は211頭。競走馬登録が146頭。しかも、配合相手が、シーザリオ、ハッピーパス、ディアデラノビア、コイウタ、ファビラスターンといった、社台・ノーザンのA級牝馬ばかりであることを考えれば、早く結果が欲しい。

産駒は総じて1歳時までに急激に成長し、骨量も豊富で、これなら!と思わせるタイプが多いのだけど、どうもそれがデビューまでの過程に生かされていない印象も受ける。ちなみにチチカステナンゴの初年度産駒も、6月、7月と勝てず、ようやくの初勝利は8月の小倉まで待たねばならなかった。

Harbinger 

むろんハービンジャー産駒に求められるものは、芝2400mでの圧倒的なパフォーマンス。であれば、この時期に慌てて走らせる必要などないかもしれない。そんな最中に行われたセレクトセール1歳では、ハービンジャー産駒17頭の上場に対し13頭が落札され、その平均価格は、

 牡 2978万円(2706万円)
 牝 2338万円(1300万円) ※カッコ内は昨年

と、昨年を上回った。

勝ち上がりが遅くてもガタガタ騒ぐ必要はない―――。

マーケットはそう言っているようである。

 

 

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