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2014年7月 9日 (水)

ライバル出現

近づきつつある台風8号の影響で、雷鳴とともに大粒の雨が馬場を叩きつける大井競馬場。それでも13年ぶりの3冠馬誕生の瞬間を見届けようと、1万5千人の観客が詰めかけている。

「こうなりゃ、ハッピースプリントの相手はカゼノコで決まりだな」

カメラマンの誰かが冗談めかしてそう言った。台風に引っ掛けての語呂合わせであるが、それでも「カゼノコが勝つ」とまでは言っていないのが興味深い。JRA重賞を含めたダートグレード重賞を勝っているのはハッピースプリントただ一頭。ダートでは8戦無敗。羽田盃は5馬身差、東京ダービーは4馬身差といずれも独走している。アジアエクスプレス級不在のJRA所属馬相手なら、取りこぼしはあるまい。

Happy 

だが、私には気になることがあった。カゼノコが前走の鳳雛Sで子供扱いしたアスカノロマンが、先週の1000万条件・濃尾特別で降級古馬をものともせず2馬身半馬身差で圧勝しているのである。オープン特別と言いながら、実は鳳雛Sは重賞級のレベルだった可能性もある。

数分後、私の危惧は現実のものとなった。2~3番手からレースを進めたハッピースプリントは、直線に向いて先頭に立ついつもの競馬。だが、そこから後続を突き放す勢いが今日は見られない。あれ?と思う間もなく、大外から豪快に追い込んだカゼノコが馬体を併せたところがゴール。写真判定の末、ハナ差でカゼノコが栄冠を手にした。

Kazenoko1 

「伸びなかったなぁ」

雨に耐えながら3冠達成の瞬間を待ち構えていたカメラマンの口からは、悔しさの入り交じった声が漏れた。だが、2分3秒9は、このレース歴代2位の早い時計。そのペースを逃げ馬の背後から追走し、上がり37秒2でハナの2着なら、馬を責めることはできまい。「(レース)内容は勝ってるんだけどなぁ…」と地元の専門紙記者も天を仰いだ。

しかしながら、たとえ贔屓の馬が負けても勝者は讃えなければなるまい。

スタート直後に、ハッピースプリントとマキャヴィティの2頭に左右から挟まれるという不利があったとはいえ、腹を括って最後方からレースを進めるという判断は、2番人気という立場を考えればなかなかできることではない。そんな鞍上の覚悟に、36秒5という3歳馬離れした末脚で応えた馬も見事。4月24日付小ブログで「ライバル求ム」と書いた立場として、ハッピースプリントとのライバル物語がここから始まってくれるのなら言うことはない。

父・アグネスデジタルは、2000年のこのレースで、圧倒的1番人気を裏切り14着に大敗した。カゼノコは自身初のGⅠ級タイトルを手にしただけでなく、父の雪辱をも果たしたことになる。テイエムオペラオーを大外から差し切った、あの天皇賞(秋)を思い起こさせる今日の競馬だった。

 

 

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コメント

昨夜はカゼノコのオーナーのご厚意により、ご一緒させて頂きました。4コーナーの勢いから差せる!と感じ、絶叫しておりました。しかし、流石にハッピースプリントも粘り、歴史に残る名勝負になりましたねshine

投稿: カゼノコ | 2014年7月10日 (木) 13時17分

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