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2014年7月11日 (金)

思い出の2号スタンド

大井競馬場2号スタンドは本日の開催を最後に取り壊されて、新スタンド設置の工事が始まる。若い時分には2号スタンド3階の手すりにもたれ掛かってロジータの東京大賞典を見届け、長じてからは5階にある馬主席から数え切れないほどのレースを眺めた私にとって、そのスタンドが取り壊されると聞けば、そりゃあ多少の感慨もある。

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竣工は来年秋の予定だそうだ。現スタンドが竣工したのは1955年10月であるから、実に60年ぶりの建て直しということになる。よくもまあ、今までもったものだと感心しやしないか。東京都馬主会が1~3号スタンドの建て替えを訴え始めたのは、90年代初頭のこと。それから10年余りを経た2003年、ようやくL-WINGの完成を見た。そこからさらに10年余り。東京五輪の行方に左右された時期もあったのだから、この歳月を、お役所仕事と批判するわけにはいくまい。

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2号スタンド1階にはモツで有名な『第一仲商店』がある。いつも行列の絶えないこの人気店は、スタンド取り壊しでどうなるのか?

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なるほど。4号スタンドに移転するわけですね。場内の飲食店のいくつかは、屋号が違っても実は同一経営者という店舗もある。ただ、これは世間一般の飲食店でも言えることだけど、人と暖簾が同じでも、場所が変われば、それはすなわち別の店と考えた方が良い。首尾よく今の味が継続されることに期待しよう。

Longshot 

2号スタンド3階の食堂『ロングショット』は、大井でも絶滅危惧種となりつつある“煮込み丼”が食べられる貴重な一軒。ここも移転なのだろうか。新店舗はどこになるの? と訊いたところ、返ってきた答えは意外なものであった。

「廃業します」

へ? じ、じゃあ、煮込み丼はどうなるのですか?

「申し訳ありません。でも、最近はお客さんもほとんど入らないし……。すみません」

大井競馬の馬券売り上げは回復傾向にあるが、それは多分にIPATの恩恵によるものだ。逆に入場者数は減少の一途を辿っている上、大半の客はL-WING内やイベントスペースの店舗で飲食する。昔からの食堂が太刀打ちできる状況ではない。

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名残の煮込み丼を掻き込んでから店を出ると、ちょうど眼下でレースが発走するところだ。

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スタート。そして、砂塵。

潮風と共に駆け出した人馬を見送ると、突然20年前の光景が甦ったような気がした。老朽化したスタンドも、そのスタンドを吹き抜ける潮風も、その潮風によって赤錆びた手すりも、そしてもちろん煮込み丼も、そのすべてが揃ってこそ私にとっての大井競馬だったに違いない。そんな点景が一部とはいえ、なくなってしまう。来年秋に竣工する新スタンドには、果たして潮風が吹き抜けるだろうか。

 

 

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コメント

え!逆に私はL-WINGで食べ物を買った事がありません。

投稿: tsuyoshi | 2014年7月14日 (月) 11時07分

川崎のスタンドも取り壊しですし、それに伴いお世話になった飲食店が減るのは寂しい話ですね。
ネット投票は便利ですがもっと競馬場に足を運ぶお客さんを増やさなければ、ですね。

投稿: ちぃちぃ | 2014年7月12日 (土) 14時47分

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