ダービーから大井へ
ダービー当日が多忙を極めることは別に今年に限ったことではないのだけれど、今年はちょっと勝手が違っていた。
実は今日の大井2レースを撮らなければならないのである。
府中~大井のハシゴは初めてではないが、日本ダービーの当日となると記憶にない。ダービーの発走は15時40分で、大井2レースは17時40分。16時ジャストに競馬場を出れば、どうにか間に合うだろうか。だが、今日は泣く子も黙るダービーデー。府中本町駅や府中競馬正門前駅で入場制限の憂き目を見れば、目当ての電車に乗ることができず、肝心の大井2Rに間に合わないことも考えられる。安全策を取るなら早めに競馬場を出て、府中駅から京王線に乗るべきであろう。
そう「肝心」なのである。競馬に身を置くものならば、日本ダービーより重要なレースがあるはずもないのだが、「撮る」と約束した以上は何があっても撮らねばならない。万一、放馬やゲートのトラブルによる発走の遅れがあったりすれば、私は2014年のダービーを見逃すことになる。1着賞金120万円の3歳未勝利戦のために、1着賞金2億円の日本ダービーを袖にしたと言っても、他人には信じてもらえぬであろう。
若干の緊張感を孕んだ2分24秒6が過ぎ去り、写真判定や審議ランプが灯ったりしなかったおかげで、ダービー後の雰囲気も例年通り味わうことができた。祝福の人の輪に囲まれた橋口調教師の向こうに、悔しさを押し殺した表情の蛯名騎手が戻ってきたあの瞬間を、私は一生忘れまい。
府中駅までの上り坂を息を切らしながら歩き、新宿まで京王線に揺られ、中央線、山手線、モノレールと乗り継いで、大井競馬場に到着したのは2レースの発走の2分前。ダービーの余韻もすっかり薄らいで、「あれ? 今日は最初から大井に来たんだっけ?」というノリで2レースの撮影も無事終えることができた。
大井2Rを勝ったフライトリーダーは芦毛だが、その父はアグネスフライト。河内洋騎手、悲願のダービー制覇は14年前の昔になったか。当時の河内騎手と同じ45歳の蛯名正義騎手には辛いダービーになったに違いないが、「20年連続ダービー出場」は誇るべき大記録だ。悲願達成はそう遠くない。
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コメント
昨日はどうしてあんなに混んでいたんでしょうね?

もちろんダービーが混むのは当然ですし、そうであって欲しいところですが、想定を超えて混むとなると、どことなく不安になります
投稿: 店主 | 2014年6月 2日 (月) 20時08分
ダービー当日、ゲン担ぎの為に、なぜこんなに長い列の鳥千に
列ばなければいけないのかと思いましたが、
収支プラス継続しました。
ダービーが競馬場始めてという人を温かい目で見てあげないと
ファン層広がりませんもんね。
券売機の後ろでイライラしてしても、じっと我慢。
ちなみに私はチャリだったので、あの神社横の坂を4時過ぎくらいに通りましたよ。
投稿: tsuyoshi | 2014年6月 2日 (月) 10時55分