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2014年5月17日 (土)

PC電源投入の間に

「ピッ!」とパソコンの電源スイッチを押してから、OSが立ち上がってアプリケーションソフトが使用できるようになるまでの“間”って結構長くてイライラするものですよね。

画面の推移を見つめながらジッと待っていると恐ろしいほど長く感じるし、だからと言ってちょっとコンビニまて行けるような時間でもない。困ったものである。新しいテクノロジーによって、我々の生活は間違いなく便利になっているはずなのに、一方で新しいテクノロジーは必ずと言っていいほど新たな懸案をもたらす。コンピューターウィルスやネット依存症、歩きスマホなどもその範疇であろう。そういえば、迷惑メールって最近は見かけませんね。

私の場合、パソコンの電源スイッチを押したらそのまま本棚に向かい、適当な一冊を手に取って、その“間”やり過ごすことにしている。「こっちはこっちで適当にやってるから、そっちも適当にやってて」といった具合に、おおらかな気持ちになることができる。

しかし、実際にやってみるとこれはこれで問題がなくもない。こないだなんかもエクリプスに関する本をを読み始めたら止まらなくなってしまい、肝心のパソコンの方がほっぽらかしになってしまった。こうなるともはや仕事どころではない。台所に立ってコーヒーを淹れ、ダイニングテーブルに座ってさらにじっくり読み始めてしまったりするからさらに困ったモノではあるのだけれど…。

ところで、さっき「迷惑メールを最近見ない」と書いたけど、ホントに最近見ないですよね。見なけりゃ見ないで、ちょっと寂しいような気もする。

かつては、英字と数字と記号とを複雑に組み合わせた長ったらしいメアドを使うことが半ば常識だった。しかも、数字には自らの生年月日を使ったり、ましてや携帯番号を使うなどはもってのほかで、なるべく無意味な数字が推奨されたものだ。私はとある元騎手の通算勝利数をメアドに組み込んでいるし、私の妻などはエクリプスの産まれた年をメアドの一部に使っていたことがある。普通の人が見たら理解不能な数字の極みに違いない。

エクリプスは18世紀のイギリスの名馬   というより歴史上もっとも有名な競走馬であり、20戦全勝という生涯成績もさることながら、その勝ち方が極めて圧倒的だったことで現役当時より既に“歴史的名馬”の評価を得ていた。

現代においてエクリプスの名を高めているのは、現在まで続く血統的影響を残したことに尽きる。地球上に存在するサラブレッドの父系を辿ると、実に9割以上がエクリプス直系の子孫。今日の京王杯を勝ったレッドスパーダの22代父もエクリプスだ。

エクリプスについては様々な逸話が残されているが、双璧は皆既日蝕の日に誕生したから「ECLIPSE」と名付けられたというエピソードと、デビュー戦でエクリプスが1着でゴールした時に後続馬が「見えなかった」という話であろう。

しかし、前者については、後年の研究によりこの年には英国国内で日蝕は起きていないとも言われており、近年ではそれが定説になっている。

また、後者の逸話についても顛末はこんな話である。

エクリプスの馬主はデニス・オケリーというギャンブラーで、彼はデビュー前からエクリプスが大変な能力の持ち主であることを見抜いていた。そこでデビュー戦前に「このレースの全着順を的中できる。エクリプスが1着で、2着以下は“なし”」と賭け相手に言ったのである。

当時のルールでは1着馬がゴールに入線した瞬間に、残り1ハロンの標識を通過していない馬は「失格」とされたので、2着なしというのは、エクリプスが1ハロン1以上後続を離して勝つという意味だった。実際にそのヒートでは2着に入賞できた馬がなく、オケリーの予想は見事的中。彼は大金を得ることになるのだが、この話が後に「エクリプス1着。2着馬はまだ見えない」という誤った逸話として日本国内で伝わることになった可能性が高い。これは当時の翻訳者がこうしたルールをしらなかったため、2着が「なし」というのは「見えない」ということだろうと考えたためだと思われる。

しかしいずれのエピソードも、エクリプスの強さを何ら損なうものではなく、むしろあまりの強さゆえ生まれた美しい伝説と捉えるべきなのだろう。

   なんてすっかり読書にハマってしって、何のためにパソコンの電源を投入したのかも忘れてしまった。ま、いっか。

 

 

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