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2014年5月25日 (日)

父の遺伝子

そういえば、あの時も単勝オッズは1.3倍だった。

Hartscry  

2005年の有馬記念。単勝1.3倍。ダントツの1番人気に推されたディープインパクトは、ハーツクライを半馬身捉えきれず2着に敗れた。スタンドの悲鳴と、その後の異様なざわめきは、今も耳に残って離れない。デビュー以来9戦目にして彼が初めて喫した敗戦は、一般紙の一面でも取り上げられるほどの衝撃だった。

あれから9年。両者の娘が再び似たような立場で相まみえることとなったのは、競馬の神様のいたずらか。ハープスターの単勝オッズ1.3倍は、未知の要素盛りだくさんのオークスとしては前代未聞であろう。ダンスインザムードやブエナビスタが記録した1.4倍をも上回る人気。父・ディープインパクトも、母の父・ファルブラヴも、決して2400mが歓迎のクチとは言えないのに、それでも多くのファンは33秒台の末脚に賭けたのである。

Nuvo1  

しかし勝ったのはハーツクライの娘・ヌーヴォレコルトだった、チューリップ賞で2馬身半あった差を、桜花賞では1馬身足らずにまで縮め、そしてついに逆転を果たしたのだから、馬はもちろん関係者の努力も素晴らしい。上位人気馬のほとんどが体重を減らしたにも関わらず、6キロの体重増が発表された途端、単勝オッズが10倍を割り込んだ。やはり見る人は見ている。

Nuvo2  

多くのファンが信じた通り、ハープスターは唯一33秒台の末脚を繰り出した。最後方からレースを進めて、大外に回すのは、調教師がこれまで何度も強調した作戦通り。「位置取りがもっくと前なら勝っていた」とか「内を回れば勝っていた」などという指摘は意味をなさない。桜花賞もそうだったが、ある意味、ハープスターはただ1頭でレースをしていたと言える。もし、上がり33秒5だったら勝っていた。でも、33秒6だとクビ差前に1頭がいた。それだけの話だ。

それにしても、ハーツクライ産駒は、なぜか人気のディープインパクト産駒を狙い撃ちにする。昨年秋の天皇賞もそう。まるで、あの有馬記念の記憶までもが遺伝子に刻み込まれているようではないか。ディープの遺伝子、ハーツの遺伝子、それぞれが顔を合わせたとき、お互いが不思議な作用を及ぼしているように思えてならない。

 

 

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