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2014年5月28日 (水)

NASH

ダービーウィークともなれば人と会う機会も増え、勢い酒の量も増える時期なのだが、今年は少し様相が違う。

実は先日受信した人間ドックにおいて、肝機能に所見が出てしまったのだ。それで酒を控えざるを得なくなっている。

人間ドックの結果如きで騒ぐ必要なんてない―――。そうおっしゃってくれる方もいないわけではないが、20数年前に肝臓を患って入院生活を送った身としては、γ-GPTの値が300を超えたことを一笑に付すことは憚られる。それで今宵は馴染みのフレンチレストランに来ながら、なんとなく気後れしてフォアグラには箸をつけられず、ワインの代わりに烏龍茶をガブ飲みして腹を満たした。食事の相手も店の人も、きっと不思議に思ったことだろう。

しかし、もともとそんなに酒を飲む方ではない。飲むよりも食うことに金を遣うタチでもある。それで「肝炎が疑われる」と言われても、ハイそうですかと承服しかねる部分もある。

人間ドックの掉尾を飾る医師との面談の席で、私はそう訴えてみた。

すると、肝臓のエコー画像を見ながら、その女性医師はこう告げたのである。「ナッシュかもしれません」。

「なっしゅ……ですか?」

「そう、エヌ・エー・エス・エイチでNASH。訊いたことありますか?」

「えぇ、あります。大井で走っていたジョリーズヘイロー産駒の牡馬ですよね」

「は?」

「彼は6勝してますが、7番人気とか、10番人気とか、13番人気とか、とにかく人気薄で勝つんで、我々も気が気じゃなかったんですよ」

「いや…、あの…」

「条件戦ばかり走ってましたけど、たしかセレンが勝った東京記念にも出ていたかな。でもナッシュはたしか、昨年9歳で引退したはずではありませんか?」

「なにワケの分らないことを言ってるんですか! 非アルコール性脂肪性肝炎の頭文字を取って“NASH”です。放っておくと肝硬変や肝がんになる可能性だってあるんですよ!」

Nash  

こってり叱られた上に、減量と断酒を厳命されたのである。しかし、ナッシュというのは確かに怖い病気らしいから、知らん顔をするわけにもいかない。なにより肝臓に関しては前科一犯である。

しかも経過観察は向こう1年にも及ぶという。酒を断つのはともかく、この歳での減量はことのほか厳しい。競馬場での一番の楽しみが食事という私にとっては、競馬場がつまらん場所にもなりかねない一大事だ。このブログのタイトルも見直しを迫られるかもしれない。やれやれ。

 

 

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