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2014年4月18日 (金)

フジキセキの奇跡

1995年の弥生賞を勝ち、皐月賞はおろかダービーも確実と言われながら脚部不安のため引退したフジキセキは、その春からすぐに種付け業務を開始した。あれから19年。JRAでは606頭が1431勝を挙げ、14年連続して重賞勝ち馬を送り続けている。

Kiseki 

今年に入って産駒は早くも重賞3勝をマーク。サンデーサイレンス系種牡馬が乱立する時代にあってなお、その存在感は今もまったく失われていない。なのに、なぜかフジキセキ産駒は3歳クラシックは勝ったことがないのである。フジキセキの不思議。皐月賞でも3度の2着があるが、あと一歩が届かない。負けた相手は、エアシャカール、メイショウサムソン、そしてオルフェーブル。いずれも相手が悪かった。そういう意味では今年こそチャンスかもしれない。共同通信杯の覇者イスラボニータと、スプリングS優勝のロサギガンティアの2頭には、フジキセキ関係者でなくとも注目が集まっている。

フジキセキ産駒はJRAのGⅠレースを10勝しているが、うち8勝までがマイル以下の距離でのもの。ダノンシャンティ、サダムパテック、キンシャサノキセキ、ファイングレインなど、彼の産駒にはスピードを前面に押し出すタイプが目立つ。

だからであろう。東京スポーツ杯2歳S、共同通信杯で重賞2連勝を飾ったイスラボニータの、DNAによる距離適性検査「エクイノム・スピード遺伝子検査」が話題となった。結果、イスラボニータは中距離に適性を持つ「C/T型」。これにより「皐月賞は問題なし」のお墨付きを得たのだという。

正直、こんなつまらん検査などしないで欲しいと思わないでもないが、それだけ陣営が勝ち負けを意識していることの表れだと前向きにとらえておこうか。私は距離よりもむしろ、初めて経験するコーナー4つの競馬でリズムを崩さずにレースを進められるかが鍵を握ると考える。競馬はDNAが走るのではなく、馬と騎手が走るもの。皐月賞が好内容であれば、検査結果など気にせずに堂々とダービーに駒を進めてもらいたい。

Isura 

一方、フジキセキ譲りの漆黒の馬体を誇るロサギガンディアのお母さんは、ドイツ産でイタリアGⅠリディアテシオ賞を勝った名牝。ドイツ血統×SS系種牡馬という配合はマンハッタンカフェやブエナビスタの成功でも知られる。

なのに、彼にも一抹の不安はある。種牡馬フジキセキ、藤沢和雄調教師、柴田善臣騎手と言えば、実績はあるのにクラシックだけはなぜか縁がないという存在の代表格なのだ。

   だから今回も、と考えるのはやめておきたい。特に藤沢和雄師に関して言えば、かつてはクラシックでは無理をせず、厩舎方針として古馬GⅠを狙ってきたという事情があった。だが今は違う。3者の悲願が達成が同時に訪れたとしても、彼らの実績を思えばなんら不思議はない。

フジキセキは2011年以降は種付けをしていない。すなわちイスラボニータやロサギガンディアが、フジキセキが残す最後の世代ということになる。最後のクラシックに2頭もの有力候補を送ること自体が既に奇跡的ではないか。彼がもつ「奇跡」という名は、実はまったくの偶然ではないのかもしれない。果たしてフジキセキの奇跡は起こるのか。注目しよう。

 

 

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コメント

コメントありがとうございます。

これが最後だ!という人の意識が働くことはありそうですが、不思議ですよねぇ。でも、競馬にはこういう不思議があっていいと思います。

投稿: 店主 | 2014年4月21日 (月) 07時19分

フジキセキの奇跡でしたね。やはりラストクロップとうのは何か特別な力が働くんですかね。

投稿: ヘイケン | 2014年4月20日 (日) 16時25分

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