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2014年3月28日 (金)

除外に泣く

出馬投票後に競走馬がレースに出られなくなるケースは大きくふたつに分かれる。馬主や調教師が疾病などの事実を申し出て、その馬のレースへの不参加を主催者が許可する「取消」と、主催者が判断を下す「除外」。

その「除外」も、装鞍所から集合合図前の間に裁決委員の判断によって除外される「競走除外」と、集合合図がかかってから枠入りを拒否したり、枠内で暴れて怪我をした場合に発走委員が判断する「発走除外」とを区別していた時期もあったが、今はどちらも「競走除外」で統一されている。

いずれにせよ、「取消」より「競走除外」の方が影響が大きいことは言うまでもあるまい。昨日の浦和桜花賞。発走直前のノットオーソリティ除外のアナウンスに際しては、悲鳴にも似たどよめきがスタンドに響いたと聞く。

南関東とはいえクラシックの大舞台。しかも単勝1倍台の大本命。ほとんどのファンはノットオーソリティ絡みの馬券を買っていた。なにせ3連単全盛の昨今である。むろん買い直す時間などない。アナウンスが流れたその瞬間に、彼らの桜花賞は終わった。

聞けば輪乗りの最中に、尻っパネをしたはずみで右トモがラチを跨いでしまったのだという。それで飛節に外傷を負って競走除外。ゲートで躓いて、まさかの5着に敗れた東京2歳優駿牝馬でも思ったこと。能力は断然に抜けているはずなのに……。競馬は怖い。

Not  

桜花賞のレース後には久しぶりに地見屋も出たそうだ。

大本命馬の取消に一度は消沈したファンも、レースはレースとしてちゃんと見る。するとレースは5番人気(ノットオーソリティ取消前は6番人気)の伏兵シャークファングが、まんまと逃げ切ってしまった。すると、「ああ、ハズレた」と勘違いして、返還があるはずの馬券をうっかり捨ててしまうことがある。

そこで、捨てられた馬券の中から、換金できる馬券を捜す「地見屋(じみや)」の出番となる。地見屋とは、本来は地面を見て歩き、価値のある落とし物をいただく人のこと。江戸時代の「大岡裁き」にも顔を出すくらいだから由緒は古いが、うっかり馬券を捨てたファンは泣くに泣けない。

しかし、今回の桜花賞でもっとも泣きたい思いをしたのは、返還払い戻しを忘れたお客さんでもなく、戴冠確実のタイトルを逃した社台オーナーズ19人の会員さんでもなく、年度末を控えた主催者であろう。総売上2億2614万9200円のうち、ノットオーソリティ絡みの馬券は1億5923万9500円にも及ぶ。それがすべて返還である。実質売り上げ6690万9700円では、1着賞金2000万円分すら捻出できない。このレースだけで数千万円の赤字。年度末の大事な掻き入れレースが、一転大惨事となった。つくづく競馬は怖い。

 

 

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