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2014年3月 2日 (日)

日本人騎手の矜持

出走15頭のうち、GⅠ馬4頭にGⅡ馬が7頭。たった一頭の重賞未勝利馬エアソミュールにしても、オープン特別4勝だから、その実績は重賞勝ちにも匹敵する。中山競馬場を訪れた大半のファンにとっては、そんな豪華メンバーの中山記念が目当てであろうが、中には「今日イチは3レースの未勝利戦」という人がいてもいい。何を隠そう、私がその一人。太巻き寿司を買う時間も惜しんで、普段より早めに競馬場入りした。

1番人気は惜しい競馬が続くクロフネフリート。一本調子のところがあるだけに、後ろから速い脚を使う馬に切れ負けしてしまうのが悩み。初めてコンビを組む武豊騎手に、新たな面を引き出してもらいたい。

Yutaka  

レースでは、道中5~6番手から競馬を進め、直線では馬群を縫いながらゴール寸前で猛然と前に迫った。だが、大外一気の追い込みを見せたビッグギグの末脚に屈してまたも2着。悔しい。悔しいが、馬群でジッと我慢して、直線で抜け出す競馬ができたことは大きい。豊騎手一流の、馬に競馬を教える騎乗。次走こそ勝ち負けであろう。

Biggigu  

勝ったのは横山典弘騎手騎乗のビッグギグ。前走は6着と敗れていたが、それまでの調教で子供っぽいところを見せたビッグギグに、典弘騎手がやはり競馬を教えることに徹していたフシがある。負けて検量に戻ってきた典弘騎手の満足そうな表情を今になって思い出した。「これでメドが立った」。そんな言葉を発していたように思う。横山典弘騎手にしても、武豊騎手にしても、決して目先の勝利を急がない。

横山典弘→武豊のワンツーフィニッシュは、先週の京都記念に続いて2週連続。一部馬主との確執や、短期免許の外国人騎手や地方からの移籍組の活躍に押されて、騎乗馬に恵まれない時期が続いたベテラン二人だが、こうして目の前でワンツーを見届けると、風向きも少しずつ変わりつつあるのかなと感じる。3着、4着がたまたま外国人騎手だったことも、そんな思いを後押しする。

東西の金杯をルメールとベリーが優勝したときは、「今年も外国人ジョッキーの天下かあ」と思ったりもしたけれど、その後に来日したリスポリもブノワもバルジューもC.デムーロ騎手も重賞は勝てていない。中山記念を勝った横山典弘騎手の手綱捌きを見ただろうか。あの乗り方は彼にしかできない。4コーナーを周るあたりから、「上手い!」という感嘆の声が馬主席のあちこちから聞こえた。

折しも、今週は新人騎手のデビューが相次ぐ。昨日は阪神で義英真騎手が、今日も小倉で松若風馬騎手が記念すべき初勝利を挙げた。横山典弘騎手や武豊騎手のように、一頭の馬の将来を大事にしつつ、世界の名騎手たちと堂々と渡り合えるような逸材が今年の新人の中にいるだろうか。楽しみに探したい。

 

 

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