つけまつける
こちらは先日の金沢競馬場で見つけた一頭。最近はこんなにまつ毛パッチリな馬がいるんですねぇ。
な~んてワケはなくて、これはメンコに細工されたいわば“ツケマ”。ブリンカーやパシュファイアーなど、メンコの付属物というのは、たいてい競走能力向上のために工夫されるものだけど、これはどうなんだろ? 「まつ毛着用の馬は勝負気配」なんて話は聞いたことがない。
メンコ自体は、音に敏感な馬の聴覚を遮り、競走に集中させるという効果を狙って着用するもの。ただし、馬にとって大事な感覚器官である耳を塞ぐのはむしろ逆効果と捉える向きも少なくなく、敢えて耳の部分に穴を開けたメンコもある。
それで何の意味があるのか?と思うが、ツケマまで登場したと思えば、メンコももはやファッションのひとつともいえる。こちらは今日の浦和・桜花賞を逃げ切ったシャークファング。サメの絵柄もいろいろ考えられる中で、このデザインは秀逸だ。
メンコに遊び心を持たせたり、メンコでゲンを担いだりすることを一概に否定することはできない。馬のおしゃれは、その一頭に関わる人たちの愛情の表れでもある。
南関東では馬主の服色をイメージしたデザインのメンコをよく見かける。これは厩舎側の粋な気遣い。馬主服が認められないというルールの中で、メンコは重要な役割を果たしている。
逆に、騎手服のデザインとお揃いのメンコというのもある。晴れの舞台でメンコと騎手の服のデザインが一緒だと、見た目もカッコいい。
ただし、石崎隆之騎手仕様のメンコに御神本訓史騎手が跨ってしまうと、こんな感じになることも。パドックで自分の騎乗馬を間違えたのかと思ってしまう。
ちなみに、冒頭のツケマの一頭はハヤグリーヴァという名の3歳馬。ダンスインザダークの産駒。もちろん牝馬。祖母がミルレーサーということは、トゥインクルレディ賞や兵庫サマークイーン賞を勝ったフサイチミライの妹……と言うよりフジキセキの姪と言った方が早いか。この日の競馬は6着に敗れたが、今後に注目していきたい。
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