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2014年3月31日 (月)

成長曲線

「本当に強かった。ハーツクライの成長力はすごい」

興奮冷めやらぬ口調でまくし立てたのは、ドバイデューティーフリーをジャスタウェイで勝った直後の福永祐一騎手。後続に6馬身1/4もの差をつける独走劇は、2006年のシーマクラシックで4馬身半差の勝利を収めた父・ハーツクライをたしかに彷彿させるものがあった。

それにしてもジャスタウェイは強い。いや、強くなった。なにせ一年前は、GⅢで好勝負はするけど勝ち切るまではいかないというレベルの一頭。サトノアポロやアドマイヤタイシあたりと勝ったり負けたりを繰り返していた。それが今では「世界のジャスタウェイ」(by 中野雷太アナ)である。毎日王冠2着で「穴を開けた!」と評された半年前が、今となっては懐かしい。

Jasta  

秋の天皇賞から3戦のレース振りを見れば、4歳秋から突然強くなった父ハーツクライの奇跡を重ね合わせたくなるのは当然だ。しかし、私はそのハーツクライの母であるアイリッシュダンスにまで思いを寄せたい。

Irish  

5歳になってから重賞を2勝したアイリッシュダンスのデビューは意外に遅く、3歳夏の新潟戦だった。しかも秋の未勝利戦までに勝ち星を挙げることができず、初勝利はデビューから1年近くが過ぎた4歳夏の福島。500万の一般戦に格上挑戦しての初勝利だった。

ひとつ勝った後は順調に勝ち星を重ねて行き、1年後には2つの重賞タイトルを獲得。そんな母が初めて重賞を勝った5歳春に、ハーツクライやジャスタウェイが海外GⅠタイトルを手にした。これを考えるとき、母アイリッシュダンスの成長曲線とその子ハーツクライ、さらにその子のジャスタウェイの成長曲線は、ほぼ重なって見えてこないか。

Hearts  

アイリッシュダンスは2005年に死んでしまったが、それでもその血はハーツクライを通じて世界に飛躍すると同時に、牝系ラインもオメガハートランド(フラワーC)やオメガハートロック(フェアリーS)の活躍でその枝葉を広げつつある。

8年前のシーマクラシックではハーツクライの出資会員として口取りに参加した大和屋暁オーナーは、今回は自身の所有馬が勝ってメイダンのウイナーズサークルに立った。オーナーとしてこれ以上の誉れはあるまい。口取りでは「ありがとう。うちの馬は最高だ!」と絶叫したいう。これこそまさに「こころの叫び(HEART'S CRY)」。凱旋の安田記念が楽しみだ。

 

 

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2014年3月30日 (日)

ソロル戴冠

「なんだよー。6キロ減っちゃってるよー」

Maku  

マーチSのパドック掲示板に出走馬16頭の馬体重が発表されると、ソロルの会員氏が悲痛な声を上げた。輸送減りはこの馬の泣きどころ。とはいえ、パドックに姿を現したソロルは普段より落ち着いており、見た目にはフェブラリーSよりデキは良さそうに見える。

「どう見てもダートで勝てそうな体型じゃないんだよなぁ」

「あの……、見るたびにお父さん(シンボリクリスエス)に似てくるような気がするんですけど……」

「そうなんだよ。脚もひょろっと長いだろ」

「見た目は芝馬ですよね」」

「馬体重も軽い方から2番目だもんなぁ」

近年のダート戦線が500キロを超える大型馬の天下であることは周知のとおり。このマーチSでも、1番人気エーシンゴールドは524キロ。2番人気ジェベルムーサは554キロもの雄大な馬体を揺らしながら闊歩している。

一方のソロルはジュベルムーサより80キロも軽い474キロ。私ひとり分の重さだと思えば、決してこれを小さな差とは言えまい。だからこそ今日のこの雨はソロルにとって天の恵みであろう。馬場が軽くなればパワーよりスピードが生きる。雨が叩きつける馬場を見ながら、「それにしても良い天気だねぇ」と会員氏はごきげんだ。

クリノスターオーの逃げは1000m通過60秒7と早い。それを中団のやや後ろで見ていたソロルは、3コーナー手前で早くもスパート。4コーナーで先頭に並びかけると、直線で524キロ・エーシンゴールドを競り落とし、追い込む554キロ・ジュベルムーサの末脚を封じて、見事重賞初勝利を果たした。この10年で最軽量の勝ち馬となる。

Sorol  

検量に戻ってきた蛯名騎手は、開口一番「根性が凄い」と絶賛。そういえば、前々走のボルックスSを勝ったブノワ騎手も「ビッグハートの持ち主」と褒めていた。だが、新馬戦からソロルを見ている人なら知っているはずだ。直線で前を行く2頭の僅かな隙間に飛び込み、その2頭を弾き飛ばして圧勝(審議の末に降着)した新馬戦の印象は今も脳裏に焼き付いている。彼の勝負根性の素晴らしさは、デビュー戦で既に証明されていた。

4歳馬がこのレースを勝ったのはエスポワールシチー以来2頭目。そう思えばソロルの展望は明るい。検量裏では「勝った馬が強いよ」という声も聞こえてきた。そんな強い馬が、週初めの特別登録時点で鞍上未定だったとはにわかに信じがたい。敢えて探せばこの辺がソロルの足枷か。通算16戦で蛯名騎手が13人目の手綱。そろそろ主戦を決めたい。

蛯名騎手はテン乗りとは思えないほど上手にソロルをエスコートした。手は合うと見る。ファストフレンド以来、ダートの有力馬に恵まれない蛯名騎手にとっても、ソロルの手綱を取り続けるのは悪い話ではないと思うのだが。

 

 

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2014年3月29日 (土)

どっこい頑張る高齢馬

高松宮記念の出走表を見ると、7~8歳のベテランが7頭もいて驚かされる。しかも8歳馬サンカルロは前走阪急杯2着。同じく8歳馬レッドスパーダはオーシャンS3着からの参戦と、ともに有力候補だというのだから感慨も深い。

Red  

そういえば、フェブラリーSも出走16頭のうち半数の8頭が7~8歳馬だった。十数年前の馬齢表記なら「8歳馬」「9歳馬」ということになるが、需要と供給のバランスはその当時から劇的に変化している。

先日の名古屋大賞典を勝ち、8歳にして重賞初勝利を果たしたダノンカモンや、やはり8歳にしてGⅠ初制覇を果たしたカンパニーらが示すように、今や7歳や8歳馬はどういう換算式を用いても年寄りではない。数字の持つイメージに振り回されると、馬券で痛い目に遭う。

Danon 

調教施設や医療技術、さらに飼料管理の進歩により、サラブレッドの競走寿命は格段に延びた。晩成の素質が開花していく上昇曲線が、加齢による能力減退の下降曲線を上回るようになれば、人間の方も待つことが可能になる。ダノンカモンの名古屋大賞典制覇などは、その典型であろう。

また、高齢馬は上がり目が少ない代わりに、極端な調子落ちもないとされる。体質さえしっかりしていれば、レースを使った反動は若駒より少ない。船橋所属のマズルブラストが、12歳を迎えてなおレースを走り、勝利を重ねている姿を見れば、なるほど納得させられるものがある。

Mazuru  

7歳や8歳になってもレースに出走できる馬が増えたのは、悪いことではあるまい。走らなくなれば、処分されることも珍しくはない世界。高齢馬の活躍は競馬に携わる人たちにとっての励みでもある。ちなみに海外の記録を紐解けば、18歳で勝った馬が5頭。22歳でレースを走った記録もある。マズルブラストが目指す先はまだまだ遠いか。高齢馬の活躍に喝采を送ろう。

 

 

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2014年3月28日 (金)

除外に泣く

出馬投票後に競走馬がレースに出られなくなるケースは大きくふたつに分かれる。馬主や調教師が疾病などの事実を申し出て、その馬のレースへの不参加を主催者が許可する「取消」と、主催者が判断を下す「除外」。

その「除外」も、装鞍所から集合合図前の間に裁決委員の判断によって除外される「競走除外」と、集合合図がかかってから枠入りを拒否したり、枠内で暴れて怪我をした場合に発走委員が判断する「発走除外」とを区別していた時期もあったが、今はどちらも「競走除外」で統一されている。

いずれにせよ、「取消」より「競走除外」の方が影響が大きいことは言うまでもあるまい。昨日の浦和桜花賞。発走直前のノットオーソリティ除外のアナウンスに際しては、悲鳴にも似たどよめきがスタンドに響いたと聞く。

南関東とはいえクラシックの大舞台。しかも単勝1倍台の大本命。ほとんどのファンはノットオーソリティ絡みの馬券を買っていた。なにせ3連単全盛の昨今である。むろん買い直す時間などない。アナウンスが流れたその瞬間に、彼らの桜花賞は終わった。

聞けば輪乗りの最中に、尻っパネをしたはずみで右トモがラチを跨いでしまったのだという。それで飛節に外傷を負って競走除外。ゲートで躓いて、まさかの5着に敗れた東京2歳優駿牝馬でも思ったこと。能力は断然に抜けているはずなのに……。競馬は怖い。

Not  

桜花賞のレース後には久しぶりに地見屋も出たそうだ。

大本命馬の取消に一度は消沈したファンも、レースはレースとしてちゃんと見る。するとレースは5番人気(ノットオーソリティ取消前は6番人気)の伏兵シャークファングが、まんまと逃げ切ってしまった。すると、「ああ、ハズレた」と勘違いして、返還があるはずの馬券をうっかり捨ててしまうことがある。

そこで、捨てられた馬券の中から、換金できる馬券を捜す「地見屋(じみや)」の出番となる。地見屋とは、本来は地面を見て歩き、価値のある落とし物をいただく人のこと。江戸時代の「大岡裁き」にも顔を出すくらいだから由緒は古いが、うっかり馬券を捨てたファンは泣くに泣けない。

しかし、今回の桜花賞でもっとも泣きたい思いをしたのは、返還払い戻しを忘れたお客さんでもなく、戴冠確実のタイトルを逃した社台オーナーズ19人の会員さんでもなく、年度末を控えた主催者であろう。総売上2億2614万9200円のうち、ノットオーソリティ絡みの馬券は1億5923万9500円にも及ぶ。それがすべて返還である。実質売り上げ6690万9700円では、1着賞金2000万円分すら捻出できない。このレースだけで数千万円の赤字。年度末の大事な掻き入れレースが、一転大惨事となった。つくづく競馬は怖い。

 

 

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2014年3月27日 (木)

つけまつける

こちらは先日の金沢競馬場で見つけた一頭。最近はこんなにまつ毛パッチリな馬がいるんですねぇ。

Haya01  

な~んてワケはなくて、これはメンコに細工されたいわば“ツケマ”。ブリンカーやパシュファイアーなど、メンコの付属物というのは、たいてい競走能力向上のために工夫されるものだけど、これはどうなんだろ? 「まつ毛着用の馬は勝負気配」なんて話は聞いたことがない。

メンコ自体は、音に敏感な馬の聴覚を遮り、競走に集中させるという効果を狙って着用するもの。ただし、馬にとって大事な感覚器官である耳を塞ぐのはむしろ逆効果と捉える向きも少なくなく、敢えて耳の部分に穴を開けたメンコもある。

それで何の意味があるのか?と思うが、ツケマまで登場したと思えば、メンコももはやファッションのひとつともいえる。こちらは今日の浦和・桜花賞を逃げ切ったシャークファング。サメの絵柄もいろいろ考えられる中で、このデザインは秀逸だ。

Shark  

メンコに遊び心を持たせたり、メンコでゲンを担いだりすることを一概に否定することはできない。馬のおしゃれは、その一頭に関わる人たちの愛情の表れでもある。

Sunday  

南関東では馬主の服色をイメージしたデザインのメンコをよく見かける。これは厩舎側の粋な気遣い。馬主服が認められないというルールの中で、メンコは重要な役割を果たしている。

Shadai_2  

逆に、騎手服のデザインとお揃いのメンコというのもある。晴れの舞台でメンコと騎手の服のデザインが一緒だと、見た目もカッコいい。

Ishizaki  

ただし、石崎隆之騎手仕様のメンコに御神本訓史騎手が跨ってしまうと、こんな感じになることも。パドックで自分の騎乗馬を間違えたのかと思ってしまう。

Mika  

ちなみに、冒頭のツケマの一頭はハヤグリーヴァという名の3歳馬。ダンスインザダークの産駒。もちろん牝馬。祖母がミルレーサーということは、トゥインクルレディ賞や兵庫サマークイーン賞を勝ったフサイチミライの妹……と言うよりフジキセキの姪と言った方が早いか。この日の競馬は6着に敗れたが、今後に注目していきたい。

Haya02  

 

 

 

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2014年3月26日 (水)

あいもり

関東の立ち食いそば店のメニューはたいてい「そば・うどん」という表記になっていることが多い。写真は西船橋駅コンコースの『彩花庵』の自販機。そこはそば文化の関東圏。そもそも、こういう店の形態を一般に「立ち食いそば」とか「駅そば」と呼ぶくらいなのだから、うどんがそばの後塵を拝する立場に甘んじるのも   うどん好きとしては忸怩たる思いもあるけど   まあ、やむを得まい。

Nishifuna  

ところが関東を離れると自体は一変する。先日、中京競馬場に行くのに降り立った名古屋駅の『名代きしめん』では、ご覧の通り「きしめん・そば」という表記。関東圏では不動のレギュラーかと思われたそばも、名古屋ではきしめんの控えに回されてしまうのである。押し出されるように戦力外を通告されたうどんは、「味噌煮込み」という新たなフィールドでの活躍を期するほかはないのか……。

Nagoya  

しかし、新幹線で30分足らず。乗り換えのために米原駅に降り立った私の目に飛び込んできたのは、こんなメニュー表だった。

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「うどん(そば)」!

晴れてこの地に至ってついに、うどんは不動のレギュラーを獲得したのである。もちろんこれより西では、「そば」なんて文字すら消えてなくなるのかもしれないけど、あいにく先日の私はここから北陸へと向かった。日曜の夜は高岡泊である。さて、北陸地方の駅そば屋のメニューはどんな感じかと、駅構内の『今庄』の暖簾をくぐった私は、そのメニューに愕然とした。

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チャンポン? なんじゃこりゃ??

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東京でも『志な乃』のように、うどんとそばの合い盛りをウリにしている店はある。でもそれはあくまで、ざるの上での合い盛りで、混ざり合うことはない。お客は、好きな順番でうどんとそばを楽しめる。しかし、この店の「チャンポン」というメニューは、一杯の丼の中でうどんとそばとが渾然一体に絡み合っているではないか。

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喉越しにしても、歯応えにしても、なんとも表現しにくい。新感覚と言えば新感覚。だが、うどんもそばも食べたいという欲求には見事に応えている。富山といえば、関西文化と関東文化が混ざり合うちょうど潮目。ダシにしても関西風と関東風との折衷風味なのはそのせいか。こんなメニューを思いつけるのは、高岡という土地をおいてほかにあるまい。良いモノを食べさせてもらった。

 

 

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2014年3月25日 (火)

氷見うどん

富山の春と言えばホタルイカと白エビ。美味いですよね。

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だけど、これは今や東京でもすっかりお馴染みになった感がる。せっかく富山まで来たのなら、東京ではあまり目にかかることのない一品を食べたい。そんなことを思いながらフラっとコンビニを覗いてみたら、こんな商品が目に留まった。

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知ってる。稲庭うどんに似ているやつ。東京でこれを出す店は少ない。それがコンビニに並んでいるとは、少しばかり驚いた。

手打ちではなく手延べで作られる氷見うどんは、滑らかな口当たりと歯切れの良い食感が特徴。手延べの代表格と言えば、長崎の五島うどんと秋田の稲庭うどんが有名だが、この氷見うどんも負けてはいない。輪島素麺の手延べの技を受け継いだその製法で、滑らかさだけでなく、独特の強いコシも兼ね備えている。

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こちらは『とみいち亭』でいただいた氷見うどん。その滑らかな口当たりのおかげで、するするといくらでも口に入ってしまうのだが、驚くべきはそのつけツユの味の濃さ。関東人の私が「うひゃ、しょっぱい」と感じるほどだから推して知るべしだ。

さすが、ご当地ラーメン「富山ブラック」で名を馳せる富山県。黒く濃くしょっぱいスープに、これまたしょっぱい味付けのメンマを浮かべたラーメンを好む人たちにとっては、これくらいのインパクトがなければ足りないのであろう。つけツユに浸す具合のベストポイントを見極めながら食べるというのも、また楽しい。

 

 

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2014年3月24日 (月)

煮込みの旅

「ドテドン」と聞くと何やら一昔前の怪獣のような響きだが、これが美味いのである。先日訪れた中京競馬場での昼食は、名古屋名物のどて煮を丼飯にどっさり乗せた「どて丼」にした。

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その色味は一瞬食べるのを躊躇うほどだが、いざ口に運んでみれば思ったほど辛くはない。ただ濃いというのではなく、その濃い闇の中にさらなる奥行きが感じられる。もちろん白飯に合わぬはずがない。好みはあろうが、関東の「もつ煮丼」よりもこの「どて丼」の方が、丼としてバランスが取れているような気がする。

競馬場のメニューに、もつやスジを使った煮込み料理は欠かせない。金沢競馬場ではそんなスジの煮込みを使った「すじ丼」を食べることができる。

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たっぷりの牛スジとたまねぎをダシで煮て、玉子でとじる。それを白飯の上にザッと乗せて、ニラを散らせば完成。親子丼の牛スジ版のようなものか。だが、これが滅法美味い。スジの脂を吸った玉子がこれほど美味いとは思わなかった。牛肉と玉子を使った他人丼は、その名の通り牛肉と玉子との一体感に欠けるところがあるのだけど、牛肉がスジ肉に変わった途端、事態は一変する。これはぜひ大井でも出して欲しい。

金沢ではこんなうどんも食べた。

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片町『たま屋』の牛すじうどん。太めでつるつる食感のうどんに牛すじの旨味が絡んで、喉で味わうにはもってこい。聞けば豪州産の小麦粉に加えて、道産の「ホクシン」をブレンドしているという。北海道以外では珍しい。この滑らかな食感はまさしく「ホクシン」のたまものであろう。

昆布は利尻産、鰹節は枕崎産、塩は赤穂の天然塩。ここまでこだわれば、「小盛」で一杯千円という価格設定もやむを得まい。それでも次から次へと客が入ってきた。さすが金沢。たかがうどん一杯とはいえ、味の分かる客が多い。

 

 

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2014年3月23日 (日)

中山、中京、そして今日は

中山、中京ときて阪神に向かうはずが、あろうことか名古屋駅で乗る電車を間違えて(?)、こんなところに辿り着いてしまった。

Bagun  

さて、ここはどこでしょう?

Kanazawa 

レース実況は大井でもお馴染みのこのお方。

Jikkyo 

このお店は大ヒントです。

Tamazushi  

そうここは、

Stand  

金沢競馬場ですね。

金沢競馬は3ヶ月間のシーズンオフを終えて、今日が今年の開幕初日。市街地から競馬場に向かう無料バスの中でも、「久しぶり」「元気やったか?」という声が飛び交っていた。

実は、金沢競馬の2013年度収支は5600万円もの黒字が見込まれている。毎年のように存廃の岐路に立たされ、昨年の今頃も「収支均衡」が繰り返し叫ばれていたことを忘れてしまいそうな数字だ。言うまでもなくJBCが金沢で開催されたことが大きく寄与している。が、それだけでもない。なにせJBC当日の黒字額は600万円に留まる。実際。2012年度も、当初見込みは900万円の赤字であったのに、一転3600万円の黒字に上方修正されていた。すなわちIPATの地方通年発売の効果が絶大であったのである。

1r  

とはいえ、IPATもイイが、競馬はやはりライブで見てこそ楽しいもの。2014年の開幕レースのその場に我が身を置ける幸福を味わいたい。迎えた第1レースは、アポロダイナスティが勝った。アポロキングダム産駒の3歳牡馬。JRA新潟で迎えた昨年8月の新馬戦では、戸崎騎手を鞍上に迎えて1番人気に推された実績もある。その後、名古屋を経て、金沢にやってきた。3歳3月にしてなかなかの経歴。ここで逢ったのも何かの縁であろう。今後も注目していかなければなるまい。

Dorayaki  

入場時にはこんなどら焼きがプレゼントされた。写真ではイマイチ伝わりづらいが、北陸新幹線がデザインされている。

Beer  

金沢市内で飲むビールのラベルも北陸新幹線。来春の北陸新幹線開業の暁には、新幹線に乗って金沢競馬場にやって来ようか。そう思うファンはゼロではあるまい。くり返しになるが、競馬はライブで見てこそのエンターテインメント。今日は時間の都合で1レースだけで引き揚げざるを得なかったのだけど、それでも眼前を疾走する馬たちの迫力にじゅうぶん満足した。次回は新幹線でやって来て、まる1日楽しみたい。

 

 

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2014年3月22日 (土)

中山のない土曜日

いつものように半蔵門線に乗り、九段下で東西線に乗り換えようとしたところで、おかしなことに気付いた。いつもなら競馬専門紙やらスポーツ紙の競馬欄を開いている競馬オヤジがたくさんいるはずなのに、今日はその姿が見えないのである。

「あれ? 今日土曜日じゃなかったっけ?」

不安に駆られてスポーツ紙を買ってみた。一面の発行年月日を確かめると、たしかに「土曜日」とある。

パラパラとめくって競馬欄に辿り着くと、競馬欄のトップは阪神の若葉Sであった。ふんじゃあ中山のメインは終面か、と見れば中京のファルコンSではないか。あれ? おかしいな。

Shinbun  

ここに至ってハタと気づいた。

今日……、中山やってない!

   なーんて話は真っ赤なウソ。ちゃんと知ってますよ。でも、ひとりくらいはそういうファンがいたかもしれない。3月の土曜日に中山で競馬がないなんて、感覚的に馴染めないものがある。

 Chukyo1

馴染めないのなら、取るべき行動はただひとつ。ただちに新幹線に飛び乗り中京競馬場へとやってきた。これはホントの話。雲一つない濃尾の空の下、メインの重賞・ファルコンSがまもなく発走する。

Chukyo3  

勝ち負けになりそうなのは人気上位4頭と思われるが、わざわざ名古屋まで足を運んだ身としては、2番人気ショウナンアチーヴと4番人気カラダレジェンドの関東馬2頭に肩入れしたい。GⅠ2着馬とGⅡ馬なら、4頭の中でも格は上であろう。

Shonan  

その2頭の馬連でドカンと勝負したら、2頭とも揃って馬群に沈んだ。そんで勝ったのが1番人気タガノグランパと3番人気サトノルパンの関西馬2頭だから、なんとも言葉がない。この時期になると関西馬がその秘めたる素質を開花させてくるんだろか? 加えてミッキーアイルの強さも再認識。名古屋まで来たことは無駄ではない。つくづく勉強になった。この授業料は5月の東京、NHKマイルCで返してもらおう。

Tagano  

昨日の中山でフラワーCを見て、今日は中京でファルコンS。となれば、明日はさらに西に向かって阪神大賞典だろうか? 重賞を見倒す3連休というのも悪くはない。JRAはスタンプカードでも作って、3場を巡り歩いた客に粗品でも提供してくれないだろうか。

 

 

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2014年3月21日 (金)

なんて日だ!

尾羽打ち枯らして中山競馬場に辿り付いた時は、既に特別レースの時間帯を迎えていた。背後のスタンドに日差しが遮られたこの時間帯、強い北風のせいもあって思いのほか寒い。

Nakayama  

ホントは2レースに間に合うように来るはずだったのである。でも、とある事情でそれができなかった。そのせいで貴重な機会を逃した。情けない……。「悲しい」でも、「辛い」でもない。私にとって競馬場に来ることができないのは、もはや情けないのである。

2レースがダメなのはもう仕方ない。でも、8レースにも撮りたい馬が出ていたので、せめてそれには間に合うようにと競馬場に向かった。そしたら強風のため東西線が速度を落として運行しているという。おかげでその8レースにも間に合わなかった。情けない。いったい何しにここまで来たのか。

癪なので適当に9レースの馬券を買った。馬番1、5、6のBOX。すると直線坂上まで逃げ粘る6番コスモミレネールに、5番ゴールドカルラと1番ショウナンダイチが激しく迫って来たではないか。

できたぁっ!!!

と叫んだその瞬間、最後方にいたはずの16番ローレルブレットが視界の埒外からすっ飛んできて、1、5、6の3頭をまとめて交わしてしまった。嗚呼…。

9r 

なんて日だ!!

そう叫びたかったが、そんな元気もない。スタンドの片隅でシクシク泣きながら10レースをやり過ごし、メインのフラワーCを迎えた。

勝ったのは3番人気のバウンスシャッセ。先週のアネモネSを楽勝したペイシャフェリスを、函館の新馬戦で軽くあしらった実績はダテではない。2馬身差もの着差は、2005年シーザリオの2馬身半差以来。そのシーザリオと同じく、寒竹賞とフラワーCを連勝してみせた。勝負服まで同じとなれば、シーザリオ級の活躍を抱かぬわけにもいくまい。調教師の口からは皐月賞という声も聞こえてきた。楽しみは尽きない。

Bauns 

私はバウンスシャッセとマイネグレヴィルとの連勝馬券を買っていたのだが、2着が写真判定に持ち込まれ時点で、「マイネグレヴィルは3着」と諦めて競馬場をあとにした。今日の私の流れで写真判定勝ちなどありえない。そう決め込んでいたら、珍しい2週連続の同着判定に救われた。

Baken  

同着で配当は下がった。点数を買っていたから儲けもほとんどない。だが贅沢を言うのはやめよう。完全に交わされながら、それでも差し返したマイネグレヴィルの根性を、こんな時だからこそ見習わねばなるまい。最後の最後にほんの少し良いことがあったことを、素直に喜ぶことにしよう。

 

 

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2014年3月20日 (木)

カツ丼の誘惑

時々たまらなくカツ丼が食べたくなることってありませんか?

私はあります。だけど、己の腹に目をやり、最近上がり気味の血圧にまで思いを馳せれば、おいそれと注文できるものではない。だから逆に理由があるときや、自分に言い訳ができるような時には、ここぞとばかりに食べる。下の写真は東京競馬場『梅屋』のカツ丼。フェブラリーSに出走するソロルの会員氏と昼食を同席した際、「ゲンを担いでこれにします!」と一気呵成にかき込んだ。

Umeya  

そんな私のゲン担ぎも力及ばずソロルは12着に敗れた。もとより私は縁起、占いの類を信奉するタチではない。ただ単にカツ丼が食べたかっただけ。そんな私の魂胆を、競馬の神様はきっと見透かしていたのだろう。ちょっと申し訳ないことをした。

Grandprix  

開催が変わった中山では、先週まで『グルメグランプリ2014』なる企画が行われていた。場内の飲食店がイチオシのメニューを掲げお客さんに投票してもらうという企画。となれば、私としてもすべてのメニューを食べてみぬわけにはいくまい。それで仕方なく(?)『角庄』のチキンカツ丼なるものを頼んでみた。

Kado  

豚ロースでもヒレでもなく鶏肉のカツ丼というのは珍しい。しかし見ようによっては、これも一種の「親子丼」であろうからミスマッチとも思えぬ。実際、食べてみるとヒレカツ丼にも似て美味い。500円の割にはボリュームもある。「(馬券を)とり」「(競馬に)かつ」に通ずるチキンカツは、競馬場のゲン担ぎメシにもってこい。注文するときは「チキンドン」と言うのが通のようだ。

Chikindon  

しかし、こんなことを書いていたら、またまたカツ丼が食べたくなってきちゃいましたね。明日の中山では、何か自分を納得させられる理由を見つけられるだろうか。勝ち馬よりもその言い訳を真剣に探してしまいそうだ。

 

 

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2014年3月19日 (水)

ダートGⅠ馬の矜持

ダイオライトは1935年に種牡馬として英国から輸入され、JRAで史上初の3冠馬となったセントライトを輩出するなど本邦競走馬の改良に大きく貢献した。その功績を讃えてダイオライト記念が創設されたのは1956年。ちなみに、セントライト記念の創設は1947年と父より9年早い。ともあれ、我が国の基幹重賞にその名を残す唯一の父子でもある。

今年のダイオライト記念に出走してきたリワードアンクは、6代母ニユージランドの父がダイオライト。ニユージランドの産駒には、1952年の春の天皇賞馬ミツハタを筆頭格として、アヅマハタ、オンワードの2頭が日本ダービー出走を果たすなど、活躍馬がずらりと居並ぶ。種牡馬ダイオライトの功績を語るなら、その血を受け継ぐリワードアンクに注目すべきなのだろうが、この成績ではちょっと買いづらい。

Reword  

では、こちらはどうだろう。トウショウフリークは6代母トミユキの父がセントライト。3番人気で鞍上武豊。狙うならこっちか。

Tosho  

レースではそのトウショウフリークが逃げて直線半ばまで懸命に粘ったが、勝ち馬の末脚に屈して2着。惜しかった。

JRA所属の4頭のうち、3頭が芝でも勝っているメンバー。その筆頭格が目黒記念も勝っているムスカテールで1番人気にも推されている。芝の活躍馬がダートに矛先を向けて結果を残すという最近のトレンドをファンも意識しているのか。だが、そんな風潮に待ったをかけたのは、デビュー以来ひたすらダートだけを走り続けてきたニホンピロアワーズであった。

Nihon  

これが節目の30戦目で7つめの重賞タイトル。それなのに、1番人気はダート未勝利のムスカテールに譲ってしまった。JCダート優勝馬のプライドが、それを許さなかったのかもしれない。ホッコータルマエやワンダーアキュートといったライバルたちも、きっとこの結果を喜んでいることだろう。帝王賞が今から楽しみだ。

 

 

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2014年3月18日 (火)

続・同着

同着の話の続き。

2006年6月6日名古屋競馬6日目2Rで、宮下瞳騎手のヘイセイチャンスと、小山信行騎手のメイショウタンドルが1着同着となったことがある。言うまでもなく、両騎手は2004年2月に結婚した夫婦ジョッキー。夫婦での1着同着は国内競馬史上初というが、夫婦で騎手というケース自体が希有なだけにそりゃそうだろうと思う。

2003年7月19日の小倉競馬9R・日向特別では、インターコウキとエリモアスリートの2頭が1着同着となった上、ダート1700mの勝ち時計1分43秒8がレコードとなった。1レースで2頭のレコードホルダー誕生はJRAでも過去にこの一度しか例がない。

Kokura  

2001年も押し詰まった12月30日の川崎1R。イソエイイーグルとプリンスガーデナーの2頭は3コーナーからビッシリと馬体を合わせてマッチレースを展開。ついには2頭が鼻面を揃えてゴールした。

写真判定となった1着が「同着」と発表されると、スタンドのファンよりもむしろ検量付近にいた関係者の方から大きなどよめきが起きる。というのも、この両馬はちょうど1ヶ月前の11月30日のレースでも1着同着となり、優勝を分け合っていたのである。しかも2頭の鞍上も前走と同じ。過去に例のない「同一人馬による2戦連続の1着同着」という記録が生まれた瞬間だった。

まがりなりにも“デビュー2連勝”を飾ったイソエイイーグルの方は、その後半年間の休養に入る。そして、今度こそ自分一頭だけの1着ゴールを期して翌年7月10日の川崎開催で復帰……するはずだった。

ところが、折悪しく関東地方に接近しつつあった台風6号の影響で川崎競馬は開催中止。この日予定されていた重賞・スパーキングレディカップは翌日に振り替えて実施されたが、イソエイイーグルが出走を予定していた条件戦が振り替えられるはずもなく、同馬はそのまま登録抹消となる。

JRAの記録を紐解けば、同着を3度経験したストレンジメグロや、2戦連続して2着同着となったキョウエイヤヨイのような例はある。だが、「同一人馬による2戦連続の1着同着」や「2戦以上のキャリアがありながら、生涯戦績が1着同着のみ」というイソエイイーグルのような記録は、JRAの長い歴史でも例がない。昨日紹介した「3頭が1着同着+ハナ差の4着」といい、川崎は同着記録の宝庫だ。

 

 

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2014年3月17日 (月)

同着

昨日の中山牝馬Sはフーラブライドの完勝だったが、2着はケイアイエレガントとキャトルフィーユの7枠両頭が譲らず同着となった。馬券とは関係がないが、9着も5枠両頭が同着というのは珍しい。ともあれハンデ戦の醍醐味が詰まった一戦だった。

JRA重賞レースの1着同着は過去9回。地方重賞での例は意外に少ないが、昨年の佐賀・はがくれ大賞典で、レイズミーアップとテュデメナスが同着で優勝を分け合っている。

 1955 クモハタ記念(マサハタ&ヨシフサ)
 1961 日経新春杯(キオーガンヒカリ&タイカン)
 1976 愛知杯(トウカンタケシバ&ハードラーク)
 1979 福島記念(ファニーバード&マイエルフ)
 1988 阪神大賞典(タマモクロス&ダイナカーペンター)
 1997 平安S(シンコウウインディ&トーヨーシアトル)
 2002 京成杯(ヤマニンセラフィム&ローマンエンパイア)
 2007 阪急杯(プリサイスマシーン&エイシンドーバー)
 2010 オークス(アパパネ&サンテミリオン)

先日も書いたが、戦前は1着同着と判定された場合、2頭によるマッチレースで決着を付けるという規定があった。「同着→再戦」というルールは当時の欧米においても一般に採用されていたから、それに倣ったのであろう。だが1930年にイギリスのジョッキークラブが「馬にとって過酷である」との理由から決定戦廃止の方針を打ち出すと、やがて世界各国の競馬場から再戦は姿を消していく。

Douchaku  

ちなみに「(同着の場合)マッチレースで決着を付ける」と書いたものの、1着同着は必ずしも2頭のみとは限らない。日本国内レースでの1着同着の最多頭数は3頭。戦後では大井、笠松、川崎、高崎で1度ずつ記録されている。

中でも1986年8月の川崎10R新涼特別のゴール前の争いは熾烈を極めた。このレースは、

 テスコカチドキ(佐々木竹見)
 アーノルドフジ(桑島孝春)
 トランスワンスター(中地健夫)

の3頭が同着となったのだが、驚くべきは猛然と追い込んで4着となった石崎隆之騎乗のガーデスイチフジの着差はなんと「ハナ」。あわや4頭の同着という歴史的大記録の誕生まで、あとほんのわずかだった。

だが、英国では4頭による1着同着が2度も記録されている。さすが本場は歴史が深い。単勝式馬券は4通りが的中。もし3連単があれば24通りが的中することになる。JRAのシステムはそういうケースまで対応しているのだろうか? 仮にJRAが対応していたとしても、それを伝えるメディア側のシステムが対応できないような気もする。

 

 

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2014年3月16日 (日)

3月の新馬

中山3レースの出走馬が本馬場に入ってくるところだというのに、なぜかスタンド内では他場の中継モニタに人だかりができている。

Monitor  

モニタが映し出しているのは阪神3レースの新馬戦。となれば、衆目の先にあるのは話題のボラーレであろう。お母さんは2007年の日本ダービーを勝ったあのウオッカ!……って、みんな知ってますよね。

Vodka  

昨年6月からスタートした新馬戦は今開催で終了。次開催以後、未出走馬は経験馬相手に未勝利戦でのデビューを強いられる。仕上がり途上でも、条件が合わなくても、その程度には目をつぶって新馬戦に間に合わせたいと思う馬は少なくない。いきおい波乱の目も出る。

中山は4レースが新馬戦。私の個人的な注目はアドマイヤムーンの牝馬メイプルチャンス。お母さんは船橋所属馬として2003年のクイーン賞を勝ったあのメイプルスプリング!……って、知る人は少ないか。

Meipuru1  

ウオッカの偉大さには及ばぬかもしれにないが、南関東重賞勝ち馬の産駒には頑張ってもらいたい。今日は春本番を思わせる陽気。「スプリング」の娘が勝つにはちょうど良かろう。

Meipuru2_2   

レースは3コーナー手前で先頭に立ったスプリングサヴァンがそのまま押し切ってしまった。戸崎圭太騎手の手綱。しまった、こっちの「スプリング」だったか!

Spring 

メイプルチャンスは5着に敗れたが、9番人気を考えれば上等か。阪神のボラーレは7着。レース後、「3月のダートの新馬戦で負けているようじゃなぁ……」という声が聞こえてきた。たしかに今後の展望は明るいとは言い切れない。だが、それでもゴルトブリッツのように、3月のダート新馬戦で7着に敗れながら、それでもこつこつと走り続けて、ついにGⅠの勲章を手に入れた馬がいたのも事実。まずは次のレースで、ひとつでも良い着順を目指そう。

この世代の新馬戦はあと2鞍を残すのみ。来月には北海道で2歳競馬が始まる。早いですね。

 

 

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2014年3月15日 (土)

煮込みの誘惑

なんとなく昨日の続き。

大井競馬場を訪れて、とりあえずかけつけ一杯とばかりに2号スタンドの『第一仲商店』に足を運ぶ向きは少なくあるまい。

Ooi  

大井のグルメは「煮込みに始まり、煮込みに終わる」と言われる。中でもこの店の「牛すじ煮込み」は人気だ。何せ、中学生になる不肖の娘は、ここの煮込みを食べたいという理由だけで「大井に連れて行け!」とせがむほど。私の娘であるから、もちろん競馬には興味がある。とはいえ、入場門を潜るなりパドックなどには見向きもせず、まっすぐ2号スタンドに向かうのだから、少なくとも大井では「煮込み>競馬」というスタンスなのではあるまいか。一度JRA東京競馬場で煮込みを食べて、「大井の方がずっと上」と言ってもいた。これが競馬のレベルの話であれば、関係者はさぞかし喜んだことであろう。

Ooi2  

一方で「煮込みはくさい」と言って敬遠する向きもある。だが、思うにそれは調理法の問題ではあるまいか。最低でも3時間から4時間。店によっては5時間煮込むというところも。その時間に応じて脂やアクが抜け、臭みも消えていく。『第一仲商店』の牛すじ煮込みは、弾力に富みつつも歯応えも抜群。噛みしめるほどに旨味が滲み出てくる。もちろん臭みはない。重賞開催日に長蛇の列ができるのも理解できる。

しかし、ただ長時間煮込めば良いというものでもない。肉の種類や厚みだけでなく、火の強さや鍋の大きさなど様々な条件で味や食感が変わってしまう。駒沢公園の隣で半世紀以上も煮込み一筋で暖簾を守る『かっぱ』は、そんな繊細な料理としての煮込みを極めた希有な一軒だ。

Kappa  

店内はカウンターのみ9席。その内側では鍋に入った煮込みがグツグツと音を立てている。酒は置いてない。客たちは、皿にたっぷりと盛られた煮込みを黙々と食べ、ふと思い出したかのように白飯をかき込む。

開店時間は夕方。昼からやって欲しいとも思う。だが、朝9時から仕込みをしていると聞けば、そうも言い出せない。下茹でした肉とこんにゃくをみそで3~4時間ほど煮込むとのこと。営業中もおタマで鍋をかき回し、味見をしながら火を調整する姿が目に留まる。研ぎ澄まされた勘こそが、この味の決め手に違いあるまい。

さすがに娘をこの店に連れてきたことはないのだが、食べさせたらいったい何と言うであろうか。競馬関係者としては、それでも大井に軍配を上げて欲しいところだが。

 

 

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2014年3月14日 (金)

路地裏の牛すじ

大井は今日が開催の最終日。次開催からはいよいよトゥインクル開催がスタートする。いや、考えただけで寒い。

Rojiura1  

これでランチ&大井の日々ともしばらくお別れ。となれば今生の名残とばかりに、大井品川界隈のランチメニューを食いつぶさないわけにはいかない。まずは、品川駅港南口の路地裏に店を構えるその名も『路地裏』。立地も外観も強烈なインパクトを誇るこの店は、昼時ともなると、品川サラリーマン(時にはOL)でその狭い店内は埋め尽くされる。

Rojiura2 

店のイチオシは牛すじ。かの道場六三郎さんがTV番組で絶賛したことから、店は俄に混雑するようになってしまった。路地裏の風情を味わうなら、ピーク時を外した方が無難であろう。

Seiniku1  

大井町駅近くの路地裏のビル。牛柄の階段を上ったその先に暖簾を掲げる『銭場精肉店』は、一頭買いで人気を誇る焼き肉店。以前、ハンバーグの話で紹介したこともある。だが、私の狙いはビーフカレー。もとは従業員の賄いだったのが、あまりに旨いからメニューに載せようということになった隠れた逸品で、大量の牛すじ肉からあふれ出たエキスがカレーに負けぬほど濃厚な牛肉の味を醸し出している。口の中でほろほろと溶ける牛すじ肉はカレーとの相性も抜群。牛すじの秘めたるポテンシャルは凄い。

Seiniku2  

すじ肉とひと口に言っても、実はさまざまな種類がある。スーパーなどで見かけるのは、ほとんどが輸入牛のアキレス腱。だが、本当においしいのは、あご肉や耳の根元、横隔膜などに付いた腱だそうだ。つまりよく運動する部位。硬いがそのぶん旨味が凝縮している。

私を含む関東人は、すじ肉と聞くと一段低いものと見なしがちだが、路地裏の名店を巡るとそれが誤りであることがよく分かる。サーロインステーキもカルビも、そりゃあまあ美味しいけれども、手間と時間をかけた庶民的な味は心も一緒に温かな気分にしてくれるもの。冬場の昼間開催時にはもってこいのメニューではないか。来年の昼間開催シーズンが早くも待ち遠しい。

 

 

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2014年3月13日 (木)

東風吹かば

かつて、日本の馬は欧米の馬に比べて極めて華奢だった。WSJSの招待騎手が、母国に帰国して「鹿に乗ってきた」と言い放ったことがある。それこそ「馬鹿」にされたわけだ。

漢字で「馬鹿」と書くのは当て字に過ぎない。馬はバカを代表するような愚かな動物ではないことを、我々競馬に携わる人間は肌で知っている。まず、馬は人を見ることができる。下手な乗り手が手綱を取ったところで、決して思うように動いてはくれない。馬が人間をバカにすることもあると思えば、人が馬を一方的にバカ呼ばわりするのは本末転倒だ。

レース中に骨折したキーストンが折れた脚を引きずりながら馬場に叩きつけられた山本騎手に歩み寄ったという逸話には、当時その現場にいた人のみならず、今もその話を聞いて心を動かされる人のなんと多いことか。馬をバカにすることは、それこそバカの所業にほからない。

Orfe  

稀代の名馬オルフェーヴルは、自分の仕事を理解していたフシがあるという。ゴール入線直後に騎手を振り落すこと2回。「もう俺の仕事は終わったのだから、さっさと降りろ」と言わんばかりの極めて恣意的な落とし方だった。今振り返れば、あの阪神大賞典にしても、彼の並外れた賢さ故の出来事だったのではあるまいか。

李白の詩の中に「馬耳東風」という言葉が出てくる。馬には春を告げる東風の有り難みが理解できないという意味だが、転じて他人の意見に耳を傾けないことの喩えとなった。現代でも使われる言葉として生き残っていることを思えば、馬を見下した李白の責任は重い。

もちろん馬もちゃんと人の言うことは聞いている。入厩してきたばかりの外国産馬に、厩務員が日本語で馬に命令しても言うことを聞かないのに、英語で話しかけたらサッと指示通り動いたなんて話は列挙に暇がない。

逆に私たち人間は馬の声をちゃんと聞けているのだろうか? 馬はしゃべれない代わりに感情を耳で伝えてくれる。おりしも今週末の中山では東風S。馬耳に気を配って東風Sを的中させたい。でないと馬にバカにされてしまう。

 

 

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2014年3月12日 (水)

2歳チャンピオンの春

今日の大井競馬場は春本番を思わせる陽気に恵まれた。パドック脇の桜もほころび始めている。次開催は花見競馬ですね。

Sakura  

弥生賞が終わればコートを羽織らぬのが私の決まりであるから、この暖かさは有難い。まさにハッピー・スプリング。小鳥にレンズを向ける余裕も生まれる。

Bird  

京浜盃を勝ったのはハッピースプリント。馬名は「幸せの全力疾走」という意味だそうだが、全力疾走を感じさせぬ余裕の走りでクラシック前哨戦を楽勝した。能力的には勝って当然。ほかの馬の邪魔をしないように配慮するようなレースぶりだった。

Happy  

2歳チャンピオンが京浜盃を勝ったことは、実は大きな意味がある。牡馬ではトーシンブリザード以来の出来事。牝馬も含めれば、先日引退したクラーベセクレタもそうだった。どちらも羽田盃と東京ダービーの2冠を制している。となれば、ハッピースプリントも2冠はほぼ確実と見るべきか。さすがはドバイ遠征も検討された逸材。もはや注目すべきは春2冠ではなく、その後だという声も上がっている。ようやく春らしくなってきたばかりだというのに、レース後のバックヤードは夏(JDD)や秋(JBC)の話題で持ちきりだった。

他の3歳牡馬は、己の生まれた年を恨むか、南関東所属となったことを恨むほかはあるまい。実は私の愛馬は東京ダービーを目指して北海道で調整中。北海道2歳優駿でハッピースプリントと対戦した時は、3コーナーで上がっていく相手に、まったくついて行けなかった。東京ダービーで再戦が叶うならば、せめてもう少し「競馬」をしたい。

 

 

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2014年3月11日 (火)

3年の歳月

あの震災から3度目の「3.11」を迎えた。追悼の思いを新たにすることは毎年のこと。一方で今年は3年間の歳月が持つ重みを問い直す声も目立つ。

不謹慎の謗りを恐れずに書けば、競馬に携わるものとしては、「3年の歳月」と聞けば、生まれたばかりの仔馬がクラシックレースを走るまでの期間をどうしても思ってしまう。今週末の桜花賞トライアルに登録してきた3歳牝馬のうち、ルミナスパレードとレムミラスは震災当日の2011年3月11日に生まれ、ヤマノフェアリーとニホンピロアンバーは震災翌日の3月12日に生まれている。

Yamano  

だからと言って彼女たちが何か特別なものを背負っているはずもない。とはいえ「そうか、あの日に生まれたのか」と思わずにはいられないのもまた事実。ちなみに明日の京浜盃に出走予定のファイヤープリンスも震災当日の3月11日に生まれた。今年のクラシックは震災の年に生まれた馬たちの舞台にほかならない。

Fire  

そういえば、3年前の京浜盃は震災の影響で日程変更を余儀なくされ、4月に実施されたのだった。それでも実施されただけまだマシ。大事な大事な牝馬クラシック第一弾・桜花賞は、あろうことか中止の憂き目を見ている。桜花賞を目指していた有力牝馬の一頭などは、やむなく京浜盃に出走してきた。

Keihin1  

その京浜盃で、牡馬のクラシック候補相手に2馬身半差の圧勝を飾ったのが、のちの2冠馬クラーベセクレタである。復興への願いが刺繍されたメンコも、まだ記憶に新しい。

Keihin2  

もしこの年の桜花賞が予定通り行われていたら、彼女はごく普通の強い牝馬として牝馬路線を歩んでいた可能性もある。となれば、ロジータ以来22年ぶりとなる牝馬の羽田盃、東京ダービー2冠制覇はなかった。南関東のエースとして走り続けたこの3年間の軌跡も、きっと違ったものになっていたに違いない。

ともあれ、クラーベセクレタは南関東を代表する一頭として走り続け、先週のエンプレス杯を最後に現役を退いた。クラーベセクレタの3年間を振り返れば、長かったようにも感じるし、あっと言う間だったような気も。ましてやその重みを聞かれても、それを言葉にするのは難しい。

「歳月」というものは人の中にある。それは人によって異なるし、同じ人の中でも時に揺れ動いて定まらぬこともしばしば。それならば、むしろ明日から始まるこの先の3年間に思いを馳せたい。震災の年に生まれた3歳馬たちの飛躍に期待しよう。

 

 

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2014年3月10日 (月)

2年目の戸崎圭太

先週土曜のスピカSは、しんがり人気のトーセンジャガーが勝つ波乱。たった7頭立てなのに馬単万馬券だから、ため息も出る。

Tosen  

5戦着外が続いたあとの休養明け緒戦とあっては、正直狙いにくい。調教師も「使ってから」と良化途上を強調していた。ただひとつ、初めてコンビを組む戸崎圭太騎手への乗り替わりをプラス要素と見れば、買えなくもなかったかもしれない。

戸崎圭太騎手はこの土日で6勝の固め打ちだったが、うち3勝はまったくのテン乗りでの勝利だった。初めての手綱で結果を出すことは言うほど簡単ではない。必要なのは、ファーストコンタクトで馬のタイプを見抜く感性と、周囲の馬にも耐えず目配りする余裕。地方所属時代にスポット参戦を強いられてきた経験が生きている。

Tosaki  

ともあれ、昨日を終えた時点で戸崎圭太騎手が関東リーディング首位に躍り出た。この時期にリーディング云々は気が早すぎるという指摘は当然。だが、大井を根城にする私のような人間にとって、内田騎手の上に戸崎騎手の名前があるという事実は見逃せない。

昨年の関東リーディングは内田博幸騎手が114勝で1位。戸崎騎手はわずか1勝だけ及ばず2位だった。とはいえ、戸崎騎手がJRAの免許を取得したのは3月1日だから、内田騎手には2か月分のアドバンテージがあったことは見逃せまい。実際、2013年3月1日~2014年2月28日の1年間の勝利数を比較すれば、内田騎手120勝に対し戸崎騎手は127勝と逆転するのである。

昨年は、安藤勝己さんの持っていたJRA移籍週からの連続週勝利記録を更新し、阪神JFで移籍後初のGⅠタイトルも獲得した。あまり具体的な目標を語らぬ戸崎騎手だが、全国リーディングと日本ダービー制覇は騎手である以上誰もが目指す頂点。移籍2年目となる今年、このふたつを意識していないはずがない。

Tosaki2  

戸崎騎手より一足早く移籍した内田騎手は、移籍2年目に全国リーディングを獲得し、3年目にエイシンフラッシュで日本ダービーの栄冠を勝ち取った。戸崎騎手が同じことをしようとすれば、偉大な先輩・内田騎手との勝負に勝たなければならない。だとすれば、どんな時期であろうとリーディングの上位に立つことの意義は、決して小さくないように思えるのである。

 

 

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2014年3月 9日 (日)

名牝の息子たち

1999年の牝馬クラシックでは、2頭の牝馬が人気の中心を務めた。残念ながら両馬ともクラシックの栄誉に手は届かなかったけれど、この年の競馬を華やかに彩ったことは間違いない。あれから15年。牡馬クラシック戦線の開幕を告げる弥生賞に、その2頭が揃って有力産駒を送り込んできた。

Sting  

芦毛がまぶしいキングズオブザサンは、桜花賞1番人気でオークス2番人気だったスティンガーの産駒。半兄サトノギャラントに続く皐月賞出走を目指す。

King  

トゥザワールドは、桜花賞5番人気でオークス1番人気だったトゥザヴィクトリーの産駒。全兄に2010年の日本ダービーで7着したトゥザグローリーがいる。額の三日月はシンボリルドルフとは逆向きですね。

Totha  

芝コースは引き続き「良」。例によって時計はかかっている印象だが、8R500万下の芝2000mで2分1秒1、9R1000万の芝1800mで1分49秒5だから、昨日よりはいくぶん速いか。一晩で馬場状態が回復したとは思えぬので、今日は前掛かりの競馬が続いているのかもしれない。

弥生賞のペースを握ったのはアグネスドリーム。トゥザワールドは中団7~8番手。キングズブザサンはゲートのタイミングが合わず後方からの競馬を強いられる。

Dream  

向こう正面でトゥザワールドが外目から徐々に先団に近づいた。馬場状態を考えて早めの仕掛けだろうか? こうなればイタリアンネオなども早めに動かざるを得ない。だが、トゥザワールドは思い直したのか、再び控えて元のポジションに収まった。背後から「何やってんだ?」の声。そしてひと呼吸置いて、再度大外から進出開始。ホントに何やってんだ?

Totha2  

直線坂下で後続を突き放したときはセーフティーリードに見えたのに、ゴール寸前でワンアンドオンリーにハナまで迫られた理由を敢えて探せば、この向こう正面からの一連の動きであろうか。川田騎手は「流れてほしかったので」と戦術であることを強調したが、トライアルにしてはずいぶん危険な賭けに出たものだ。

たしかにワンアンドオンリーの末脚は際立っていた。でも、トゥザワールドにしても坂下の勢いほど伸びなかった印象が強い。これまでの3連勝はいずれも直線に坂のない京都であげたもの。中山の急坂が堪えたという見方をする人もいる。

Victory_2  

ただ、それでもハナの勝負を制したのだから、その勝負根性は素晴らしい。思えば、トゥザワールドの母トゥザヴィクトリーは、1番人気に推されたオークスでほぼ手中に収めたかに見えた勝利を、大外強襲のウメノファイバーにハナ差で奪われた。そう思えば、息子が初重賞制覇を果たしたことよりも、ハナの差を制して勝ったことを母は喜んでいるかもしれない。

 

 

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2014年3月 8日 (土)

馬場を見極めろ

馬場発表は「良」だが、芝コースの状態が“良くない”ことは衆目の一致するところ。二度の大雪のせいか、1コーナー入口付近などはあからさまに土が剥き出しになっている。皐月賞までにこれ以上の回復は望めまい。騎手にしても、馬券を買う我々にしても、馬場の見極めが勝敗を分ける中山開催になりそうだ。

9R黄梅賞は3歳1勝クラスのマイル戦。3番人気パワースラッガーが1番枠を生かして逃げ切った。2着は2番枠から2番手追走のマイネルメリエンダ。いわゆる「行った行った」の決着。それにしても勝ち時計1分37秒4は遅い。

9r 

10RスピカSは、またまた1番枠のトーセンジャガーが差し切り勝ち。しかも最低人気。1000m通過62秒8という超スローペースなのに、上がりに36秒1を要せば、どんな馬でも勝ち負けのチャンスは生まれる。

10r 

続く11RオーシャンSは、絶頂時のロードカナロアを破ったことのあるハクサンムーンと、安田記念優勝馬リアルインパクトの実績馬2頭が人気の中心。とはいえ、ここまでの流れを見てしまった以上、この番号を買わぬわけにはいくまい。

 Baken

そしたら、そのスマートオリオンが見事に勝ってしまった。重賞初挑戦、しかも連闘での優勝となれば底知れぬ。2着馬に付けた1馬身1/4の着差は、重賞昇格後のこのレースでもっとも大きい。それにしても、特別レース3鞍すべてで1号馬が勝つなんてことが、実際にあるんですねぇ。

11r 

横山典弘騎手はこれで2週連続重賞制覇。彼は2009年に3週連続重賞勝利を、さらに翌2010年には4週連続重賞勝利を記録している。2005年11月5日には、東京2Rから7Rまで6戦連続勝利という前人未到の大記録を達成したことも。もともと調子に乗ると、手が付けられなくなるタイプである。こうなると明日の弥生賞でも俄然目が離せない。

それにしても、オーシャンSも1分8秒9と時計がかかった。レースの上がり35秒フラットは、芝良馬場のスプリント重賞とは思えぬ。ダート馬だとばかり思っていたスノードラゴンが2着に突っ込んで来れたのも、その馬場状態ゆえであろう。今の中山の芝コースに33秒台の切れ味は役に立たない。明日の弥生賞にも、波乱の香りが漂ってきた。

それにしても、買うべきは単勝馬券ではなく、1番アタマ固定の馬単総流しでしたな。この辺のセンスが私に足りないんだよなぁ。

 

 

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2014年3月 7日 (金)

健康と競馬

いつからそんなことを決めたのか、自分でもはっきりとは覚えてはいないのだが、個人的な競馬のサイクルとして「シーズンは弥生賞で始まりJCで終わる」というルールを作っている。だから今週は私にとってのシーズン開幕週。その前後で何が変わるのか?と言われれても、特に思い浮かぶものもない。あえて探せば競馬場にコートを着て出かけるか否か程度のこと。まあ、今週からはいっそう身を入れて競馬に勤しむ所存である。

Narita  

言い換えれば、今週からは「寒い」だの「眠い」だの「雨かぁ……」などと些細な理由を探して競馬場行きサボらないということ。土日のJRAと水曜の南関東へはきちんと足を運び、競馬にその身を置くことを己に課す意味での「シーズン」ともいえる。

もちろんそのために、クリアしなければならない問題もある。仕事の都合も、家族への配慮も、いち社会人である以上これを無視することはできまい。だが、競馬場通いを続けるのに欠かせぬ条件は、やはりなんと言っても自身の健康であろう。

競馬場ではことのほか歩くことを強いられる。かつて万歩計を携行していた頃は、平日は6千歩程度しか計測されないなのに、土日は2万歩近くを稼ぎ出していたので、いたく驚いた。しかも時に我々は競馬場の内外で走る。船橋法典駅から法典門へと繋がる地下道は、走ることの方がむしろ多いのではあるまいか。加えて人込みを縫いながら歩く敏捷性と、締め切り間際に必要となる瞬発力。これらをこなすには、一にも二にも健康が大事ということになる。

いや、逆に考えれば、競馬場でのこうした行動こそが、我が身の健康に役立っていると言えるかもしれない。「中年」と呼ばれる年齢を迎えながら、お医者の世話になることもなく過ごしていられるのは、日々の競馬場通いの賜物であろう。パドックの往還に全力で階段を上り下りするという行為を、健康だけを目的としたジムワークで「やれ」と言われても、まさかここまでは続くまい。競馬だからこそ、毎週毎レース続けられるのである。

競馬場に来て馬券を買えば、人はたいてい無頼な気持ちになる。たった100円であっても、命の次に大事な金を賭けるという感覚を味わえることは、日常の自分を解放することに繋がり、結果として精神的健康に対して大きな効果をもたらすはずだ。もちろん「記憶のゲーム」と言われる競馬であるから、脳の活性化に役立たぬはずもない。

E_champ  

競馬場通いは心身の健康に大きく寄与する。皆さんも堂々と競馬場に足を運ぼう。

 

 

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2014年3月 6日 (木)

魚座の不思議

今日3月6日は昭和の怪物ハイセイコーが生まれた日。彼の現役当時は、今のように出馬表に生年月日は掲載されていなかった。だが、一躍アイドルホースとなったことで競馬会に誕生日の問い合わせが殺到したという。

調べてみると、1982年の有馬記念を勝って年度代表馬にも輝いたヒカリデユールも今日が誕生日。大井競馬出身ながら中央へ移籍して活躍した2頭が、そろって同じ誕生日というのも何かの縁か。

ちなみに、昨日はマンハッタンカフェとツルマルボーイの誕生日だった。さらに明日はワンダーパフュームの、あさってはベガの誕生日である。名馬に魚座生まれは多い。でもそれは当然のこと。我が国で生まれる競走馬は、たいてい1月から6月の間に産まれ、3月と4月はそのピークにあたる。名馬の誕生日や星座が重なっても、そう驚くことではない。

だが、それが人となると多少事情は変わってくる。馬と違って人の誕生日は分散しているはず。それなのに2月19日~3月20日生まれの魚座に、保田隆芳、野平祐二、栗田勝、河内洋、横山典弘、武豊、蛯名正義、藤田伸二、岩田康誠、後藤浩輝といった名手が集中していることを、いったいどのように説明すれば良いのか。日本ダービーを勝った騎手を星座別に見れば、80回のうち魚座がなんと16勝。突出している。

Yutaka  

これはなにもJRAに限った話ではない。昨年の地方競馬全国最多勝の川原正一、川崎のエース今野忠成。さらに、ケンタッキーダービー3勝に加えブリーダーズカップ通算10勝のゲイリー・スティーブンス。さらにさらに、通算4632勝を挙げ3度のダービー制覇と11度のチャンピオンジョッキーを誇る生ける伝説パット・エデリーと、とにかく魚座の名手は世界を股にかけて列挙に暇がない。

もちろんこれが馬券予想の根拠になるかと問われれば正直答えに窮するところ。星座が個人を支配するはずはない。一方で、どういう買い方をするにせよ、当たるときは当たるのが競馬だ。そう思えば、どんな要素であれ「傾向」というものには常に敏感でありたい。競馬の得体の知れない部分が、氷山の一角の如く傾向に現れる場合もある。

 

 

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2014年3月 5日 (水)

魅惑のベーコン

昨日のハムに続いて今日はベーコンの話。

Belde 

こちらは先日も紹介した大手町『ラ・ベルデ』のアラビアータスパゲティ厚切りベーコンメガ盛り。ベーコンだけで400グラムにも達するというからベーコン好きにはたまらない一皿だ。むろんベーコンであるから、当然カルボナーラでもベーコンメガ盛りの注文は可能。興味のある人はチャレンジしてみると良い。

Tsugaru  

もっとストレートにベーコンを味わいたいという人は、東京駅から山手線に乗って品川で降りよう。港南口を出てすぐの居酒屋『つがる』には、ベーコンマニアを熱くさせる「ベーコン定食」がメニューの片隅に名を連ねる。特大ベーコンがどどーんと二切れの光景は、まさに圧巻の一言。「ベーコンの塩味でご飯が進む!」と喜ぶ人がいる一方で、「途中で飽きる…」という声も。面白半分での注文は控えたい。

Tsugaru1 

しかも、この店には「ベーコンカレー」という掟破りのメニューまで存在する。もはやここまで来ると、ベーコンを齧りながらカレーを啜るという感覚。ベーコンの存在感は半端ではない。

Tsugaru2 

品川駅のお隣、大井町駅近くの『燻製キッチン』は、その名の通り自家製燻製料理のお店。人気メニューのベーコンは、凝縮された肉の旨味と鼻に抜ける燻製の香りがなんとも心地よい。子供の頃のたき火を思い出させるような懐かしい香りだ。さすが肉のプロが集結する品川・大井界隈だけあって、たかがベーコンひとつでもレベルが高い。

Kitchen 

その店を出て、東海道線の線路をくぐり、第一京浜を渡ると、立会川のイタリアン『スミレ』に辿り着く。夜はいつも賑わう地元の人気店だが、中でもベーコンのサラダが美味いと評判。ほどよい弾力。柔らかく溶ける脂。燻煙の余韻。なるほど美味い。

Sumi 

ここまでくれば、36年前に来日したメアリー・ベーコン騎手が活躍した大井競馬場はもう目と鼻の先だ。女性騎手の草分け的存在でもある彼女は、南関東の猛者相手に6日間、計24レースに騎乗して(6,1,1,16)の成績を残した。慣れぬはずの右回りコースで、勝率2割5分はにわかに信じ難い。「男の後ろを走るのはイヤ」と強気の姿勢を貫いた女傑。だが、離日に際してのインタビューでは、「勝たせてもらった馬は、まるで自分の子供のよう」と女性らしい一面も垣間見せていた。オールドファンが「大井のベーコン」と聞いたら、まず彼女を思い出すことであろう。

 

 

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2014年3月 4日 (火)

魅惑のハムステーキ

学生の街・代々木に店を構える『ポパイ』は、B級グルメファンもしくは大盛りファンなら誰もが知る名店。銀の皿に盛られた2枚のハムステーキは、決して高級なハムを使っているわけでもなさそうなのだけど、昭和テイストと相まって懐かしい味で口の中がいっぱいになる。

Popai  

関西では珍しくもないメニューなのに、関東の食堂で「ハムステーキ」の文字を見かけることは少ない。それでも昔は自宅の食卓に上ることもあったような気がする。ハムをただ焼いただけなのだけど、それは若干の贅沢感を伴って子供の頃の点景として記憶の片隅に残されている。

Ham  

贅沢感の理由はその厚さであろう。ハムといえばスライスハムが当然であった我が家にあって、1センチはあろうかとハムステーキの厚さは子供心を鷲掴みにした。前にも書いたが、私の母は魚屋の娘であったから、とんかつやしょうが焼きといった肉料理が食卓を彩ったという記憶はあまりない。ビフテキなどなおさらだ。だから「ステーキ」という言葉から私が受けるイメージは、今でも真ん丸のハムステーキのそれである。

Royal  

牧場巡りを終えて、新千歳空港から朝の便で羽田に帰る前、ターミナル3Fの『ロイヤル』で朝食をとるのが何よりの楽しみ。朝からハムステーキの愉悦は他に喩えようがない。帰途に愉しみ残しておくのは、旅を楽しむひとつのコツ。正式なメニュー名は「バイエルンソーセージ」だそうだけど、私にとってはハムステーキです。 

 

 

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2014年3月 3日 (月)

バラちらしの誘惑

ひな祭りなので、今日のお昼は大手町『今よし』のバラちらし寿司。ひな祭りにちらし寿司を食べる風習の由来は諸説あってこれだというものはないらしいのだけど、それはそうとして、ちらし寿司を食べる機会は多い。うどんほどの自覚はないのだけど、きっと好物なのだろうと思う。

Bara  

「握り」といえば全国どこで食べても同じスタイルであるのに対し、「バラちらし」「吹き寄せちらし」「よろずちらし」など全国各地、あるいは個々の店によって種々様々なバリエーションが存在するちらし寿司は、ある意味で寿司店のアイデンティティーのひとつであるに違いない。

「ちらしは握りより格下」と蔑み、あたかもダートグレードレースにおける地方馬の如くハナから相手にしないという態度を取る人も中にはいる。だが、ちらしは「シャリを食わせる」と言われるだけあって、ちゃんとした店なら特別仕様のシャリを作るし、ネタの味がシャリに広く深く浸透するよう、ネタにも工夫を凝らしたひと手間をかけるものである。ちらし寿司に代わって強調しておくが、決して格下などではない。

「ちらし寿司」というのはシャリの上に様々なネタを散らした寿司の総称で、「ばら寿司」は「ちらし」とほぼ同じだが、食べる前にシャリとネタをよく混ぜる(ばらす)ものを指すそうだ。西日本では、家庭で作るのは「ばら寿司」で、店で供されるものを「ちらし寿司」と使い分けたりするが、そう聞けばそれも頷けるものがある。

ところで、私は江戸前のいわゆる「生ちらし寿司」というものを好んで食べることはない。シャリの上に大きなネタの切り身がただズラズラと並べてあるのが苦手なのである。刺身でご飯を食べたいなら刺身定食を頼めば良いのだし、酢飯にこだわるなら握ってもらえば良いと思ってしまう。

シイタケのみじん切りを混ぜ込んだシャリに金糸卵を敷き、きゅうり、エビおぼろ、酢ジメした小肌や春子、蛸の桜煮、そして焼き穴子といった具材を彩りよく飾ったもの。これぞ「散らし」であろう。本来、寿司の美味さというのは、混ぜたり、押したり、締めたりするところから生まれるのであるから、敷き布団(シャリ)の上に掛け布団(切り身)を敷き詰めるだけでは足りない。

名古屋競馬の所属馬にチラシズシという馬がいる。その一風変わったネーミングから、ひょっとしたら桃の節句生まれの牝馬なのかと調べてみたら、あろうことか5月5日生まれ。しかも牡馬だった(笑) 6日の名古屋1Rに出走を予定しているので注目してみよう。

 

 

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2014年3月 2日 (日)

日本人騎手の矜持

出走15頭のうち、GⅠ馬4頭にGⅡ馬が7頭。たった一頭の重賞未勝利馬エアソミュールにしても、オープン特別4勝だから、その実績は重賞勝ちにも匹敵する。中山競馬場を訪れた大半のファンにとっては、そんな豪華メンバーの中山記念が目当てであろうが、中には「今日イチは3レースの未勝利戦」という人がいてもいい。何を隠そう、私がその一人。太巻き寿司を買う時間も惜しんで、普段より早めに競馬場入りした。

1番人気は惜しい競馬が続くクロフネフリート。一本調子のところがあるだけに、後ろから速い脚を使う馬に切れ負けしてしまうのが悩み。初めてコンビを組む武豊騎手に、新たな面を引き出してもらいたい。

Yutaka  

レースでは、道中5~6番手から競馬を進め、直線では馬群を縫いながらゴール寸前で猛然と前に迫った。だが、大外一気の追い込みを見せたビッグギグの末脚に屈してまたも2着。悔しい。悔しいが、馬群でジッと我慢して、直線で抜け出す競馬ができたことは大きい。豊騎手一流の、馬に競馬を教える騎乗。次走こそ勝ち負けであろう。

Biggigu  

勝ったのは横山典弘騎手騎乗のビッグギグ。前走は6着と敗れていたが、それまでの調教で子供っぽいところを見せたビッグギグに、典弘騎手がやはり競馬を教えることに徹していたフシがある。負けて検量に戻ってきた典弘騎手の満足そうな表情を今になって思い出した。「これでメドが立った」。そんな言葉を発していたように思う。横山典弘騎手にしても、武豊騎手にしても、決して目先の勝利を急がない。

横山典弘→武豊のワンツーフィニッシュは、先週の京都記念に続いて2週連続。一部馬主との確執や、短期免許の外国人騎手や地方からの移籍組の活躍に押されて、騎乗馬に恵まれない時期が続いたベテラン二人だが、こうして目の前でワンツーを見届けると、風向きも少しずつ変わりつつあるのかなと感じる。3着、4着がたまたま外国人騎手だったことも、そんな思いを後押しする。

東西の金杯をルメールとベリーが優勝したときは、「今年も外国人ジョッキーの天下かあ」と思ったりもしたけれど、その後に来日したリスポリもブノワもバルジューもC.デムーロ騎手も重賞は勝てていない。中山記念を勝った横山典弘騎手の手綱捌きを見ただろうか。あの乗り方は彼にしかできない。4コーナーを周るあたりから、「上手い!」という感嘆の声が馬主席のあちこちから聞こえた。

折しも、今週は新人騎手のデビューが相次ぐ。昨日は阪神で義英真騎手が、今日も小倉で松若風馬騎手が記念すべき初勝利を挙げた。横山典弘騎手や武豊騎手のように、一頭の馬の将来を大事にしつつ、世界の名騎手たちと堂々と渡り合えるような逸材が今年の新人の中にいるだろうか。楽しみに探したい。

 

 

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2014年3月 1日 (土)

太巻きの誘惑

毎度同じことを書くが、場内外の食事事情に難のある中山に開催が替わると、途端に昼飯に気を遣うようになる。

Shinano  

今日は神田淡路町で途中下車。『志乃多寿司』の太巻きを仕入れてきた。片手で食べられる太巻きは競馬観戦にもってこい。朝7時半から店を開けて、しかも土日営業というのも競馬ファンには助かる。

Shinoda  

数年前までウチの近所に、良い寿司店があった。一生の間に巡り合えるかどうか……、そのくらいの「良い寿司店」である。競馬開催日の前の晩は決まってその店で深酒し、店を出る前に「あした一本よろしくね」と言って勘定を済ませた。翌日、二日酔いに痛む頭を抱えながら、まだ暖簾のかからぬ店を覗くと、小僧さんが掃除の手を休めて折を手渡してくれる。それがその日競馬場で食べる昼食。中に入っていたのは、店特製の太巻きであった。

Futomaki  

太巻きは寿司店の土産の定番だ。むろん握り寿司も土産にできるが、握りというものは握ったその場で間髪入れずに食べるように作られている。太巻ならば時間がたっても、味にさほど影響することはない。良い寿司店には、良い太巻きを作れる職人が必ずいるものだ。

なのに、寿司店での太巻きの立場はあまり芳しくはない。「節分の時に食べる程度」とか「酒に合わない」とか「大きくて食べづらい」などと言われるばかりでは、太巻きが少しばかり可哀想ではないか。美味しいネタがたくさん並んだあの豪華さと調和が理解されないのでは、太巻きファンとしては嘆かわしい。そうこうするうち、ウチの近所の寿司店も店主が代わってしまい、私と太巻きの蜜月は唐突に終わりを迎えてしまった。

なので、今は美味しい太巻きを気軽に巻いてくれるお店を探索中の日々。そんな話を桜新町の『ルレ・サクラ』で店主に話したら、こんな一皿を出してくれた。

Dsc_0860  

『豚足のファルシー』。豚足をグツグツ煮込んで、中骨をそっと引き抜き、空いたスペースに荒挽きの豚肉とフォアグラを詰めて、網脂でぐるぐる巻いてグリルしたという。

旨い!!

網脂の芳香。豚足の官能的な舌触り。溢れんばかりの肉力を奏でる粗挽き肉。そして有無を言わさぬフォアグラの濃厚な旨味。このハーモニーは、まさに太巻きそのものではないか。もう一度言う、旨い!

だけど、昼飯として競馬場に持って行くのには向かないんだよなぁ。残念。

 

 

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