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2014年1月12日 (日)

シンザンの名

今日は京都競馬場でシンザン記念が行われた。今年の3歳重賞のスタートとなるこのレース。クラシックへの大志を抱く3歳若駒にこのネーミングは実に相応しい。

かつては、カブトヤマ記念やセイユウ記念やクモハタ記念といった名馬の名を冠した重賞レースはほかにもあった。なのに、現在では、馬名をそのままレース名にあてているのはシンザン、セントライト両記念の2レースしかない。昔は、馬名を重賞にその名を残すための条件として、3冠馬でなければならないとか、顕彰馬でなければならないとか、明確な内規があったそうだが、少なくとも現在のJRAにはそういった決まりごとはないそうだ。なのに、馬名を冠したレース名は増える気配はない。

JRAは非公式ではあるが「馬名に“シンボリ”や“ナリタ”などの冠名が付けられていたり、現在も種牡馬として供用されていたりする馬の名をレース名に使用することは、他の馬主、種牡馬への配慮から難しい」という見解を示している。「シンボリルドルフ記念」や「ディープインパクト記念」が実現する可能性は、内規がなくなってしまったことで、むしろ低くなってしまったようだ。

とはいえ、シンザンの偉大さはシンボリルドルフやディープインパクトとは比較にならない。そういう意味では、シンザン記念というレースの重みもいや増す。

Shinzan_2  

シンザンの何が凄いか。クラシック3冠と天皇賞、有馬記念を勝ったからか。19戦19連対というパーフェクトなその戦績か。いやそうではあるまい。日本に生まれた名馬の子供たちがターフに帰ってくる。これこそが、単なるギャンブルではなく文化としての競馬の魅力であることを社会に広く浸透させたことが凄いのである。「単なる数字の組み合わせの賭け事」としか思われていなかった当時、競馬を今日の形に発展させた貢献者は、人間では野平祐二であり、馬ではシンザンをおいてほかにいない。

当時の競馬は、外国からの輸入種牡馬の産駒ばかりが走り、いくら競走で好成績を残して引退しても、その後種牡馬として人気を集めることなどまずなかった。「それなら犬やアヒルが競走しても同じこと」と揶揄されることもしばしば。だからシンザンの初年度産駒がわずか34頭にとどまったのも仕方ない。だが、数少ない産駒からシルバーランドやスガノホマレといった快足馬が次々と誕生し、種牡馬入り7年目からは交配100頭を超える人気を集めた。

内国産種牡馬でも外国産に太刀打ちできる。

今では当たり前にもなったこの事実を、初めてシンザンが示したことでアローエクスプレスやトウショウボーイ、マルゼンスキーなどの成功につながった。日本の競馬サイクルの構造を根底から変えてみせたシンザンの功績は計り知れない。

だから血統表にシンザンの名を見つけたら、シンザンの功績に思いを馳せてみよう。今日の中山新春ジャンプSで3着だったテイエムブユウデンは2代母の父がシンザン。月曜の迎春Sに出走予定のガチバトルは3代母の父がシンザンである。

2r  

そしてなんと今日の中山新馬戦では、シンザンプロスパーという3歳馬がデビューを果たした。2代母の父がミナガワマンナだから、その父がシンザンということになる。なにより「シンザン」の名を競馬場で聞くのはじつに久しぶり。しかも11番人気の低評価を覆す4着に頑張った。今後も注目していきたい。

 

 

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コメント

私の毎週のルーティンワークは、その週の重賞に出走する全頭の5代血統表を書き上げることなんですが、さすがに障害レースまでには手が回りません(^_^;) ですから、『シンザン』の名を血統表に書いた記憶はないです。


貴兄がおっしゃる通り、血の紡がれた集積こそが、競馬を文化なり歴史なりに高めているものです。


『シンザンを越えろ』の合言葉で発展してきた日本競馬と、今回のエントリーを重ねてみた時、また新たな感慨が湧いてきました。


今日の勝ち馬・ミッキーアイルに幸多かれと祈らずにはいられませんね。

投稿: さっさん | 2014年1月13日 (月) 00時18分

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