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2014年1月 1日 (水)

哲学としてのトンカツ

正月早々トンカツの話です。

競馬場の食堂のメニューにトンカツは欠かすことはできない。言うまでもなくゲン担ぎで食べる客がいるから。「勝つライス」「勝つ丼」「勝つカレー」と、語呂合わせのままメニュー書きしている店も珍しくはない。

かつて競馬場でよく顔を合わせたベテランの馬券仲間も、昼食には必ずトンカツを食べていた。午前最後のレースを見届けるや素早く食堂の列に並び、トンカツ定食の食券を購入するのである。そこには些かの躊躇も迷いもない。レジでは「トンカツ」とだけ言い、食べ終えると「あぁ、美味かった。“勝つ”食って“馬勝った”だ。ハッハッハ」と、笑いながら午後のパドックに消えていった。

彼は40年以上の馬券歴を誇り、府中・中山の開催時は競馬場での観戦を欠かさなかったから、ざっと計算しただけでも1500食は競馬場のトンカツを食べている計算になる。それだけ続けているのだから、それなりに御利益はあるのだろう。最近姿を見かけないのが、ちょっとばかり心配ではあるが。

なんでこんなトンカツの話を書き連ねているのかと言うと、先日食べたトンカツが衝撃的に旨かったのである。

都営地下鉄・大門駅近くに店を構える『むさしや』がその一軒。

Musashi 

写真の極上ロースカツは、ひとくち噛めばサックリとした衣がなんとも心地よく、しかる後に豚の旨味がジュワーッと口の中いっぱいに広がる、まさに至福の一品である。

使用しているのは、弾力のある歯ごたえと、良好な脂質が生み出すくせのない甘みが特徴の「平牧三元豚」。山形県酒田市の平田牧場が開発したブランド豚として知られるが、競馬ファンにはヒラボクロイヤルやヒラボクディープの馬主としての方が馴染みが深いだろうか。

Hiraboku  

極上ロース用の肉はロースのブロックから5枚しか採れないという。つまり、1頭の豚からたった10枚しか採れない。霜降りの肉の塊に包丁を入れると、店主は「では、こちらを揚げていきます」とわざわざ見せてくれた。つまり、それほどの肉なのであろう。

ソースには、辛口ソース、甘口ソース、塩、そしておろしポン酢が用意されているが、店主のおすすめは塩だというので、まずは塩で食べてみる。なるほど美味い。美味いが、ご飯のおかずとなるとソースに優位性がある。おろしポン酢も捨てがたい。

うーむ、これは難しい。私はトンカツを前にしてしばし考え込んだ。

ソースによって失うものもあれば、得られるものもある 

これは哲学にも近い。1500食も食べ続ける人がいるのも、それが哲学だと思えば、なんとなくわかるような気がした。

それでは、2014年もよろしくお願いいたします。

m(_ _)m

 

 

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