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2013年12月12日 (木)

ニッポンの父系

長年使い続けたオーブンレンジをついに買い替えることとなり、狭いレンジ台からよっこらしょと引っ張り出したら、こんなテプラが貼ってあった。

Dsc_0579  

ご覧のとおり「サクラバクシンオー寄贈」とある。

1993年12月。結婚当初の我が家には電子レンジというものがなかった。だからと言って、気軽にホイホイと買えるほどの金もない。端的に言えば貧乏だった。レンジどころか正月の帰省の金にも事欠く有様。そんな矢先に迎えたスプリンターズS。2番人気のサクラバクシンオーの単勝に、なけなしの1万円を投じたのである。1分7秒9の濃密な瞬間ののち1万円は4万3千円に化け、我が家にオーブンレンジがやってきた。冒頭のテプラは、その時の感謝を忘れまいと貼ったものであろうが、正直あまり覚えていない。

Sprinter  

なにせ、あれから20年である。その年月を思うとちょっと驚く。オーブンレンジが20年も持ったからではない。サクラバクシンオーはそんな昔の馬になってしまったか。

スポーツ新聞を開いて、さらに驚いた。今週末の朝日杯にサクラバクシンオーの子が1頭と直子ショウナンカンプの産駒が2頭も出走するではないか。これは快挙であろう。特にショウナンカンプ産駒の2頭には、サクラユタカオーから始まる内国産父系GⅠ制覇の記録を「4代」まで伸ばせるかどうかがかかっている。もし達成されれば、これは日本競馬史に残る壮挙といっても差支えあるまい。

Shonan  

輸入種牡馬テスコボーイは、初年度の産駒から皐月賞馬ランドプリンスを送ったのを筆頭に、キタノカチドキ、トウショウボーイ、テスコガビーなど、多くのGⅠ級ホースを輩出した。パーソロンやノーザンテーストなど、かつて隆盛を誇った父系もせいぜい2~3代、長くて20年前後で消滅する中、ランドプリンスが皐月賞を制した1972年以降、テスコボーイからサクラユタカオー、サクラバクシンオーを経てショウナンカンプへと連なる父系は40年以上も持続している。簡単にできることではない。サンデーサイレンスの父系だって20年後にはいったいどうなっていることか。急激な血の増加は、やがて自分の首を絞めることに繋がる。

いまやサンデーサイレンス系種牡馬の割合は全体の3割を超える。その中にあって、世界的に希少となったプリンスリーギフト系の血をしっかりと伝えているサクラバクシンオーの功績は計り知れない。後継種牡馬は現在4頭。前出のショウナンカンプに加え、アドマイヤムーンの半弟サブミーカー、リッカバクシンオ、そしてサクラゼウス。いずれはここにグランプリボスも加わる。我が国が世界に誇るこの父系は、まだまだ継続可能だ。

Grandprix  

再びの20年後は、いったいどうなっているだろう。この思いを忘れぬよう、次のオーブンレンジに朝日杯の出馬表でも貼っておこうか。

 

 

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