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2013年12月23日 (月)

競馬ファンのカレンダー

有馬記念の発走が近づいたとき、場内アナウンスが「本日、中山競馬場にお越しいただいたお客様の人数は……」と一呼吸置いたところで、ターフビジョンに「116,596名」という数字が表示されると、立錐の余地なきスタンドから、地鳴りのような歓声が沸きあがった。

Vision  

最終的な入場者数は12万4782人。12万人超えは2010年以来3年ぶり。オルフェーヴルのラストラン&引退式というイベントがあったとはいえ、ディープインパクトのラストランでも11万7251人留まりだった。しかも、キズナとエイシンフラッシュの回避があってこの数字である。田中将大投手を一目見たいという人も中にはいただろうが、正直理由が分かりかねる。ともあれあの圧巻のレースぶりをナマで見た人がひとりでも多いのは良いこと。池添騎手が訴えたように、オルフェーヴルの強さを語り継いでいただきたい。

Stand  

船橋法典駅への地下通路が規制されるのは毎年のこと。それを避けるように西船橋への長い道のりを歩くのも、有馬記念当日の欠かせぬ儀式になっている。途中で振り返ると、名物の大屋根が不気味に浮かびあがって   というのは、スタンドがガラス張りに建て替えられる前の話。暗闇に浮かび上がる大屋根の威容を仰ぎ見て、「ああ、今年も終わりだな」と実感したものである。

振り返って見たのはスタンドだけではない。有馬記念が終われば、我々競馬ファンはその一年を振り返る。振り返りながら西船橋への道を歩く。それでも時間が足りなければ、どこかの赤提灯に寄ればいい。そういった儀式も全部含めて有馬記念なのである。

Arima  

なのに、去年に引き続き今年も有馬記念の翌日にJRAは競馬を開催した。売上が減り続ける中、年末の掻き入れ時に暖簾を掲げないのはもったいない。いかにも役人が考えそうな理屈である。彼らは競馬ファンの心のカレンダーや、ささやかな暮れの儀式などに、思いが及ぶことはないのであろう。

競馬に四季の移ろいを感じ、競馬に記憶を重ね合わせるのが好きな日本の競馬ファンはことのほか競馬開催カレンダーに敏感だ。その大原則は「金杯に始まり有馬記念で終わる」であろう。有馬翌日の開催は、そんなファンから年末の点景を、一部とはいえ消し去ってしまった。

去年の有馬記念の翌日には、とりあえず中山に足を運んだ私も、さすがに今年は控えさせてもらった。今日の中山の入場人数は、昨年比3%減の27418人。その理由は様々あろうが、私個人に限れば自分の流儀を貫きたかったからに過ぎない。それでも昼頃まで「やっぱ行こうかなぁ」とウダウダ悩んでしまった。有馬が最終日に戻る来年は、こんなつまらないことで悩まないで済む。あー、助かる。

 

 

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