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2013年12月11日 (水)

【訃報】マチカネタンホイザ

JRAのサイトに訃報が掲載されるのは、原則としてそれがGⅠ勝ち馬である場合に限られる。マチカネタンホイザは、GⅠ勝ちこそないが重賞4勝の名馬。大種牡馬ノーザンテーストの産駒としては、最多獲得賞金を記録していることを思えば、その実績はGⅠホースに劣るものでは全くない。種牡馬引退後は、山梨県の小須田牧場に功労馬として引き取られ、マチカネフクキタルと一緒に暮らしていた。

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先日亡くなったダイユウサクも、種牡馬を引退したのち、浦河のAERUで功労馬として余生を過ごしていた。近年、やたらと名馬の訃報に触れる機会が増えたような気がする。種牡馬としての役目を追われ、かつてなら“行方不明”で済まされていたかもしれない馬に対し、功労馬として余生を過ごす場所が提供される環境が整ってきたことが大きい。

その環境づくりを後押ししているのが「引退名馬繋養展示事業」。種牡馬や繁殖から引退した重賞勝ち馬の持ち主が、助成金を受け取ることができる代わりに、希望するファンに公開する義務を負う。助成金は月2万円。決して十分な額とはいえないが、それでも引退馬施設や乗馬クラブで余生を過ごすことができる名馬は確実に増えてきた。また、ファンにとっても情報が得やすくなったというメリットがある。

この事業の実務を担うジャパン・スタッドブック・インターナショナルから、つい先日届いたばかりの種牡馬に関するレポートを見て、思わずわが目を疑った。

1999年に450頭以上いた種牡馬は、現在ではその半分の226頭。昨年より13頭減だという。いや、それはまだいい。今年最多の種付けを行った種牡馬は、ディープインパクトで、その種付頭数は262頭だったという。いやそれも分かり切っていことだ。

以下、クロフネ216頭、ダイワメジャー209頭と続き、100頭以上に種付けした種牡馬は41頭もいた。その合計種付け頭数は、なんと6,323頭にも及ぶのである。今年種付けした繁殖牝馬は9,301頭だから、来年産まれてくるであろう産駒の3分の2の父親は、この41頭に集約されていることになる。これでは、マイナー種牡馬の活躍など期待できるはずもない。種牡馬を諦めて、功労馬となる名馬が続出する状況も理解できる。

Machikane  

そういう意味では「引退名馬繋養展示事業」は今後ますます重要性を増してくるはずなのだが、実態はその逆。実は月2万という助成金は、それまで3万円だったのが昨年から減額され、しかも14歳に満たない馬は、その年齢に達するまで助成金を受け取ることが出来ないという受給制限まで設けられた。財源が増えない一方で、先の事情により対象功労馬が増加傾向にあることもその一因だという。だが、それではせっかくの制度が生きない。

このような制度は、ファンの注目度によって中身が大きく左右されることがある。ファンの注目が集まれば、助成金の再見直しがあるかもしれない。ダイユウサクやマチカネタンホイザの訃報に触れ、そんな機運が高まることを願う。

なお、引退名馬繋養展示事業についての詳細は下記サイトに詳しい。

名馬.jp http://www.meiba.jp

 

 

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