« ダービー馬のしんがり負け | トップページ | 残りものの福を見逃すな »

2013年11月 1日 (金)

【訃報】オレハマッテルゼ

「そんなに強い馬だとは思っていなかった」

Ore2  

新馬戦に間に合わず、3歳5月で迎えたデビュー戦は、勝ち馬から2秒近くも離された11着。4戦目で初勝利を飾ってからコツコツ走り続けてオープンまで上り詰めたけど、25戦して重賞未勝利の身分では、調教師の口からそういうコメントが出ても仕方ないのかもしれない。

ところが、その馬は4番人気で高松宮記念を勝ち、重賞初勝利をGⅠ制覇で飾ると、返す刀で59キロを背負った京王杯SCを一気呵成に逃げ切ってしまう。だが、結局はこの2戦が彼の競走生活のピークであったと言っても、差支えあるまい。

Ore1  

10月のカレンダーをめくったその日に飛び込んできたのは、2006年の高松宮記念と京王杯SCの勝ち馬オレハマッテルゼの訃報であった。驚くのは13歳という若さ。明後日のアルゼンチン共和国杯に出走するトウカイトリックより、わずか2つばかり年上なだけではないか。腰萎での予後不良は珍しくはないとはいえ、それが種馬となるとあまり過去に覚えがない。

冒頭の言葉は、同馬を管理していた音無調教師が高松宮記念で残したコメントである。2010年にリーディングトレーナーとなり、今日現在でJRA重賞47勝を誇る名伯楽も、意外なことにGⅠはこれが初めての勝利だった。厩舎に初のビッグタイトルをもたらした功績馬の早すぎる死に、音無師の心中はいかばかりであろうか。

オレハマッテルゼには同い年の相棒がいた。その名も「アラシヲヨブオトコ」。ニホンピロウィナー産駒の牡馬だったが、あまりの気性の悪さに去勢され、「オトコ」はまずいだろうと、「オカシナヤツ」に馬名変更された。いずれにせよ、裕次郎世代の中高年に競馬場に戻ってきてほしいというオーナーの願いが伝わってくる。

Hanazu  

ダイナカールから枝葉を広げる牝系はエアグルーヴを筆頭に活躍馬の宝庫だが、意外にも日本のGⅠを勝った牡馬となると、オレハマッテルゼ唯一頭しかいない。種牡馬としても期待が高まってきた矢先だった。活躍馬の筆頭格は来週のエリザベス女王杯に出走するハナズゴール。ジェンティルドンナさえをも下したあの末脚をもう一度繰り出して、天国の父に吉報を届けたい。

 

 

|

« ダービー馬のしんがり負け | トップページ | 残りものの福を見逃すな »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ダービー馬のしんがり負け | トップページ | 残りものの福を見逃すな »