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2013年11月27日 (水)

インタラクション

昨夜のインタラクションカップの話。

Intaraction2  

レース後に馬が引き揚げてくる大井競馬場の検量前。韓国馬として初となる海外遠征で、南関東の重賞勝ち馬3頭を破ったワッツヴィレッジの周囲では、興奮に満ち溢れた韓国語が絶えなく飛び交っていた。

国際レースによくある光景である。安田記念でフェアリーキングプローンが勝った時も、香港カップでステイゴールドが勝った時も、似たような光景を見た。重賞でも(準重賞でも)ない特別レースであっても、海外のレースを勝った喜びはとてつもなく大きい。しかも、地元韓国で行われた交流レースで僅差2着に敗れたリベンジを見事果たしたのだから、これ以上の喜びはあるまい。概して国際レースは遠征馬が勝った方が盛り上がる。

一方で大井の関係者やマスコミは、「(韓国馬で人気上位の)フライトップクインでもここでは足りないだろう」とか、「掲示板に1頭でも載れば良い方ではないか」などと余裕に構えていた。これも国際レースによくある光景。フォア賞やニエル賞を日本の馬が勝ち、JCでも外国馬がほとんど勝負にならない昨今の情勢からすれば、そんな油断が生じるのも無理からぬ話。しかも、先に韓国で行われた韓日交流レースでは、さほど強豪でもないトーセンアーチャーが勝っていた。

それだけに敗戦の衝撃は大きかったに違いない。韓国語が飛び交う検量前で、日本語はほとんど聞こえてこなかった。それだけに、遠くから聞こえてきた「それでも僕の馬が一番強い」という声が今も印象に残る。

実は、この言葉はミヤサンキューティに騎乗した真島大輔騎手が発したもの。ゴール寸前、猛然とワッツヴィレッジに迫ったが、クビ差及ばなかった。本来なら勝者を讃えなければならないのだが、ホームで逃げ切りを許した自責の念が適当な言葉を覆い隠してしまったのだろう。これも国際レースで良く見る光景だ。他の騎手も同罪のはずなのに、低人気馬に逃げ切りを許すと、なぜか2着馬にばかり厳しい視線が向けられる。真島騎手はこの思いを糧にしたい。

勝者を讃えるという意味では、韓国馬の気迫は素晴らしいものがあった。韓国馬3頭が引っ張ったペースは、前半の3ハロン通過が33秒8。レコード決着となった2年前のJBCスプリントの33秒5にも匹敵する速さ。揃って後方に控えた人気馬の作戦は、これが例年の「ロイヤルカップ」であったなら、あながち間違ってはいまい。だが、今年に限れば、このレースは「インタラクションカップ」だった。

Intaraction1  

そもそもこれは競馬なのだから、10回やれば10通りの結果が出る。勝ち負けはその時の運だ。競馬というのは、その日その条件でいちばん強い馬を決めるゲームに過ぎない。その中にあって勝利をつかんだワッツヴィレッジはもちろん素晴らしいのだけど、この交流競走の結果を以て「どちらが上」などと議論するのはナンセンスであろう。そもそも今回の日本馬はすべて大井所属だった。同じ地方でも、ハードデイズナイトやナイキマドリードを要する川崎や船橋の方がオープン馬のレベルは高い。ましてやJRAでもない。

大事なことはレース結果ではない。国際レースで良く見る光景がきちんと繰り返された。しかも外国からの遠征馬に“負ける”という経験ができた。これは得難い体験だったのではあるまいか。そういう意味でインタラクションカップは一定の成功を収めたと思える。「インタラクション」は「交流」とも訳されるが、IT分野においては「相互作用」の意味も持つ。お互いに得るものがあってこその交流競走。初めての試みにしては悪くなかった。   と言っても「第2回」はどうやら無さそうではあるが。

 

 

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