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2013年10月13日 (日)

アドマイヤドンの運

今日の東京3レース、芝1800mの2歳未勝利戦を勝ったのは5番人気のアルバート。6月の新馬戦で12着に敗れて以来、ひと息入れて立て直したのが功を奏した。

Albert 

父のアドマイヤドンは2011年から韓国で供用されているから、アルバートは日本で生まれた最後の世代ということになる。むろん頭数は少ない。そんな最後の世代からJRA勝ち馬が産まれた。とはいえ、昨年のセレクトセールで3000万の値を付けた一頭である。未勝利勝ち程度で騒ぐのは失礼かもしれない。アドマイヤドンが日本に残した最初で最後の大物になりそうな可能性も秘めている。

Don  

では来年、内国産のアドマイヤドンの2歳馬を我々はもう見ることはできないのか? ところがそれがそうでもない。白老ファームで生産され、サンデーサラブレッドクラブの所有にかかるワールドリープレジャーの2012は、紛れもないアドマイヤドン産駒である。

しかも牝馬ながら破格の募集価格3200万円。アドマイヤドンの産駒が珍しいから高値なのではない。むろんこれにはわけがある。

母のワールドリープレジャーは米国で8勝を挙げたが、重賞では3着入着がある程度の成績。引退後は米国で数年間繁殖生活を過ごしたのち、マッチョウノの種を受胎した状態で2009年のキーンランドノーベンバー繁殖セールに上場されると、韓国の生産者が1万5千ドルで落札。新天地へと旅立った。

ところが、米国に残した2番子のゲイムオンデュードが大ブレイク。今日現在でGⅠ7勝。6歳となった今年も5戦全勝と向かうところ敵なしで、アメリカ古馬戦線トップに君臨している。

一方、韓国に渡ったワールドリープレジャーは、マッチョウノの牡馬を無事出産すると、韓国1年目はヴォルポニが付けられて翌春に牝馬を出産。そして翌2年目の配合相手に、韓国に渡ったばかりのアドマイヤドンが選ばれた。それを、ゲイムオンデュードの活躍をつぶさにチェックしていた社台グループが、お腹の産駒ごと買い取ったということになる。

それにしても、韓国に行くと聞いたときは正直気の毒に思ったりもしたのだが、新天地でワールドクラスの牝馬に巡り合えるとは、彼の運の強さはいかほどか。まさに人生万事塞翁が馬。今日の未勝利を勝ったアルバートにも、その運が受け継がれているかもしれない。

 

 

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