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2013年10月25日 (金)

ヘルメット

せっせと写真を整理していたら、とある一枚に違和感を感じて手が留まった。

Taito1  

何がおかしいのか? そう、森泰斗のヘルメットのあごひもが、おかしな位置にズレているのである。

Taito2  

ひょっとしたら流行りか? なんてはずはない。返し馬の時は、ちゃんとあごに掛かっていた。レース中の激しい動作でずれてしまったのだろうが、一歩間違えれば危険なことでもある。

長いリハビリを経て先日復帰を果たしたJRAの後藤浩輝騎手の、昨年9月の落馬事故は今なお記憶に鮮明だが、脳天から馬場に叩きつけられた衝撃で、そのヘルメットは大きくへこんでいた。もしヘルメットがちょっとでもずれたり、脱げたりしていたら……。そう考えるとゾッとする。

「大井はヘルメットにうるさい」。そんな声をJRAの厩舎関係者から聞いたことがある。もちろん、ヘルメットのデザインやブランドにこだわっているわけではない。南関東ではパドックでのヘルメット装着はもちろん、あごひもをきちんと締めて被ることが義務付けられている。JRAからの遠征馬に帯同したスタッフがあごひもが切れたヘルメットを被ってたりすると、競馬場関係者から注意されたり、代わりのヘルメットを渡されてきちんとあごひもをかけて被るよう指示される。それが「うるさい」というのだ。

なぜ、こういうことが起きるのか。実はJRAにはあごひもに関する決まりまではない。ヘルメットをかぶってさえいればいい。なので、何かのはずみでヘルメットが脱げて、それが一大事に繋がる可能性もある。肩にだらしなく掛けられた引手が、ヘルメットから垂れ下がったあごひもと絡んで、思わぬ事故になったりしないか。そんな余計な心配をしているのはきっと私くらいのものなのだろう。

ちなみに、JRAの騎手が使用しているヘルメットは、1965年に東大脳神経外科が様々な工学的実験を行って開発し、その後改良が加えられたものだ。落馬による頭部外傷の特徴を踏まえて開発されたため、内側の素材は発泡スチロール製で、思いのほか軟らかく軽い。地方競馬で使われているものは、もうちょっと硬く、そして重い。果たしてどちらがよいのか。今も様々な意見が出され、少しずつ改良が加えられているというから、完全な答えには至っていないのだろう。ただひとつ間違いなく言えるのは、きちんとかぶっていなければ何の意味もなさないということだ。

Tosaki 

20年前、レース中の事故で他界した岡潤一郎騎手は、馬場に投げ出されたはずみでヘルメットがずれ、そこを後続の馬の脚で蹴られたことが致命傷となった。たかがヘルメットひとつと、軽く思わぬようにしたい。

 

 

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