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2013年10月 6日 (日)

1年1か月ぶりの勝利

明日のスポーツ紙はロンシャンの話題で満載だろうから、及ばずながら小ブログで取り上げさせていただく。昨年9月に落馬負傷し、1年以上の休養を余儀なくされていた後藤浩輝騎手が、今日の東京7レースで、昨年9月16日中山5レース以来となる勝利を挙げたのである。

復帰初日となった昨日は6鞍に騎乗。雨にもかかわらずパドックには後藤騎手を応援する横断幕がズラリと並んだ。復帰後初騎乗は8番人気の馬でいきなり2着。スタンドは多いに沸いたが、さすがに本人も気合が入り過ぎていたのか、勝ち星を掴み取るには至らなかった。そして迎えた今日の7レース。復帰二日目とあって、後藤騎手の表情にも幾分ゆとりが見受けられる。レースに臨むにはこれくらの方がよかろう。騎手の方がハミを噛みっぱなしでは競馬にならない。

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レースは浜中騎手のバルダメンテが逃げて、それを2番手から後藤騎手のシンボリエンパイアが追いかける展開。満を持したように直線中ほどで後藤騎手が先頭に並びかけると、スタンドから大歓声が上がった。残り200mで半馬身ほど抜け出して先頭。歓声はさらに大きくなる。復帰後初勝利は間違いない。誰もそう思った次の瞬間、あろうことか内からバルダメンテが差し返してきたではないか。

「ああっ、負けちゃう!」

前に座った女性の声は悲鳴にも近い。馬体を並べての追い比べはまだまだ続く。ファンの歓声は一層高まった。浜中騎手もリーディングジョッキーだけあって、なかなかしつこい。それにしても骨折明けの身体で大丈夫だろうか?

様々な思いが浮かんでは消えるが、まだゴールは近づいてこない。やがて気づいた。「これを乗り越えて勝ってみろ!」という競馬の神様が与えた試練ではないか。条件戦であれ重賞であれ、勝つということは簡単ではない。競馬にかかわるものなら誰もが思い知る事実だが、それをブランク明けの後藤に身を以て思い出させているのではあるまいか。

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長い長いたたき合いの末、ついに後藤騎手が1年1か月ぶりの勝利をつかみ取った。その瞬間の歓声は間違いなく今日一番。毎日王冠をも凌ぐ祝福の声とともに、大きな拍手が湧き上った。

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第1、第2頸椎骨折、ならびに頭蓋骨亀裂骨折。

医師によれば、即死してもおかしくないほどの事故だったという。大動脈と首の神経の間、わずか4ミリの隙間を通してボルトを固定するという大手術。長く地味なリハビリ。周囲からは本気で調教師試験の受験を勧められることもあったという。だが、単身米国に渡った17年前当時の彼を知る私は、よもやそんなこと(調教師転身)にはなるまいと信じていた。が、それでも、復帰して勝利を挙げるまでは正直自信が持てない。あれだけの叩き合いを我慢できるのだから、もう大丈夫であろう。

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「(歓声と拍手に)GⅠを勝ったときを思い出しました」と語った後藤騎手は、来週のマイルチャンピオンシップ南部杯ではエスポワールシチーの手綱を取る。次は復帰後初GⅠ勝利と、エスポワールシチーの主戦でやはり落馬による負傷で長期療養中の佐藤哲三騎手の早期復帰を、あわせて期待したい。

 

 

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