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2013年10月 8日 (火)

痛恨の毎日王冠

「それにしてもエイシンフラッシュの仕上がりが思いのほか良いですねぇ」

Flash1  

パドックの判断基準は人それぞれ。自分の勝手な見立てなど、あまり口にするべきではないと思っている。たとえ「どの馬が良いですか?」なんて聞かれても、「いやあ、うむむ…」とごまかすこともしばしば。だって、そこまで言ったら自分だって買わないわけにはいかないじゃないですか。

なのに、毎日王冠のパドックで、つい口に出してしまった。何が良く見えるかと聞かれたわけでもない。それだけエイシンフラッシュのデキがよく見えたのか。あるいは、久しぶりの東京開催でテンションが上がっていたのか。うむむ…、両方だろうか。

パドックで馬を見るコツのひとつに「同じ馬を毎レース見続けること」というのがある。そうでなければ、好不調の変化に気付くことはできない。そういう意味ではエイシンフラッシュは数少ない私のお手馬の一頭。付き合いは3歳1月の京成杯に始まる。以来3年半あまり。秋のGⅠ戦線はほぼフル参戦してきたから、自然と顔を合わす回数も多くなった。これだけ何度も顔を合わせていれば、曇った私の相馬眼にも何かしら見えるものがある。

一方で、今回はさすがに叩き台だろうという思いもあった。4月の香港遠征以来の競馬。疲れが抜けきらぬという理由で宝塚記念をパス。オーバーホールに入ったのである。だが、今にして思えば完全な思い込み。己の眼を信じず、活字や伝聞を優先してエイシンフラッシュを買わなかった。私はバカである。ゴールの瞬間、「ああーっ!やっぱりぃ!」という私の悲痛な叫び声は遠く桜ヶ丘のゴルフ場まで響き渡り、しかるのちに目の前の机に突っ伏して泣いた。

Flash  

ダービー馬が毎日王冠を勝つというイメージが湧かなかったせいもある。私が初めて競馬場で生観戦したレースは1984年の毎日王冠。ミスターシービーがカツラギエースの逃げを捉え切れず2着に敗れたレースである。ウオッカは2年続けてまさかの2着。シリウスシンボリもオグリキャップの後塵を拝した。はるか昔にハクチカラが勝ったことがあると言われても、生まれる前では印象もなにもない。

3年前のダービー直後には、その勝ち時計の遅さから「この世代は低レベル」と揶揄する声もあった。2着ローズキングダム、3着ヴィクトワールピサ、5着ルーラーシップ。いま思えば、なんと豪華なダービーだったか。そのダービーの勝ち馬が未だに現役を続けていることに、違和感を覚える人も多い。

エイシンチャンプの父キングズベストも、母ムーンレディもどちらも、実はブエナビスタやデインドリームなどで世界的に注目を集めるドイツ血統。特に母の父プラティニは1993年のJCで4着、その父ズルムーは95年のJC優勝馬ランドの父と、日本の競馬にもゆかりが深い。ドイツが誇るこの父系は、日本では一時代を築いたシーホーク、コインドシルバーの属した長距離系として知られ、非常に強い生命力を持ちタフなことで知られる。

エイシンフラッシュが息の長い活躍を見せているのは、そんな血統の為せる業であろう。天皇賞のパドックでの再開を楽しみに待ちたい。

 

 

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