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2013年10月16日 (水)

五体満足でありながら

3000mを超える長距離の特別競走といえば、今となっては1月の万葉ステークスただひとつ。ブラッドストーンステークス(中山3600m)も、ドンカスターステークス(京都3000m)も、歴史的役割を終えたとして短距離レースに様変わりしてしまった。

長距離戦離れの傾向は、今週末の菊花賞にも如実に表れている。今世紀に入ってから昨年まで12回行われた菊花賞のうち、ダービー馬が不在だったのは実に半数越えの7回。しかも、ダービー直後に故障引退したタニノギムレット以外は、五体満足でありながら菊花賞を袖にするケースが相次いでいる。そして、今年のダービー馬キズナも菊花賞を選ぶことはなかった。

菊花賞を選択した5頭のダービー馬のうち、ネオユニヴァース、ディープインパクト、メイショウサムソン、オルフェーヴルの4頭は、その時点で皐月賞と日本ダービーの2冠を制していた。穿った見方をすれば、菊花賞を選んだというよりは、「クラシック3冠」を選んだとも言える。残る1頭はジャングルポケットだが、トライアルを使わず菊花賞で秋緒戦を迎えたことからも、彼にとってはジャパンカップを見据えたステップに過ぎなかったのかもしれない。

このブログではことあるごとに菊花賞にネガティブなことを書き連ねているが、私とて「菊花賞なんかやめちまえ」と言っているわけではない。秋の京都に「菊花賞」は欠かせぬ存在である。ただ私は、この時期に3歳同士で覇を競うことの意味の無さと、3000mという距離でありながらステイヤーにはほど遠い馬ばかりが出走している現状を嘆いているに過ぎない。

菊花賞を支えてきたのは、「出走できるのは生涯一度きり」というギミックと高額賞金の魅惑だ。

古くはフレッシュボイス、近年ではネーハイシーザーやローエングリンに代表されるように、多少(?)距離適性に目を瞑ってでも、「出られるものなら出したい」という考え方が、かつては大勢を占めていた。だが、こうした考え方は既に前世紀の遺物になりつつある。「菊花賞ではなく天皇賞」。若い調教師が増えるにつれ、こうした声が多く聞かれるようになってきたのだ。

そも天皇賞で3歳馬が古馬に勝つのは至難である。しかも、本賞金では天皇賞の方が2000万円ほど上回っているが、3歳クラシックには3000万円程度の付加賞が付くから、実は菊花賞の方が実入りは良い。相手が同世代だけで、しかも賞金が高いのだから、菊花賞の方が明らかに好条件である。

それでも、キングカメハメハやディープスカイ、あるいはダービー馬ではないがジェニュイン、バブルガムフェロー、シンボリクリスエス、そしてダイワメジャーといった3歳有力馬たちは、自ら進んで天皇賞を目指した。

彼らが菊花賞を選ばなかった理由は様々あろうが、概ね以下のふたつに大別される。ひとつは「一度でも3000mの遅い流れを経験すると、先々距離が短くなったとき、速い流れに戸惑ってしまう」(藤沢和雄調教師談)という懸念。そしていまひとつは、のちの種牡馬としての評価だろう。近年最強世代とも言われる2010年の菊花賞を勝ちながら、クラシックホースの看板をかなぐり捨ててまで障害レースで苦戦を続けてるビッグウィークの姿は、見るに忍びないものがある。

 

 

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