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2013年10月31日 (木)

ダービー馬のしんがり負け

重賞16勝のラブミーチャンが調教中の骨折により、予定されていたJBCを回避。現役も引退して繁殖に上がることとなった。

Loveme  

今年の金杯を勝ったタッチミーノットも骨折が原因で現役引退。今後は乗馬になるという。

Touchme  

昨日は重賞優勝馬の引退発表が相次いだが、ロジユニヴァースの場合は「調子が上がらない」という理由によるもの。2009年のダービー以来4年あまり、ついに調子が上がることなくターフを去ることとなった。

Logi1  

実はダービー後も走った70頭のダービー馬のうち、17頭がしんがり負けの洗礼を受けている。ダービー馬だから無キズで引退できるとは限らない。

最多はカブトヤマとダイゴホマレの各3回。カブトヤマは63、65キロを背負ったときが不良馬場。69キロで最下位に負けたのは2日使い(当時でいう「連闘」)だったから、同情の余地がある。

1947年のダービー馬マツミドリはラストランが最下位。ダイゴホマレもカツラシユウホウとの死闘をピークに調子を下げ、最後は連続しんがり負けで競馬場を去った。そして今回のロジユニヴァースも、結果的には昨年の札幌記念のしんがり負けが競走生活の最後に記されることとなる。その札幌記念にしても2010年の同レース以来2年ぶりの出走だった。

あの2年間が彼にもたらしたものはいったい何だったのだろうか。

2010年に現役を引退して種牡馬となったGⅠ級競走馬は、ヴァーミリアン、カネヒキリ、キンシャサノキセキ、ゴスホークケン、ローレルゲレイロの5頭。クラシックホースや天皇賞馬、JC優勝馬のいないこの顔ぶれなら、あのタイミングで種牡馬入りしていれば……などとついつい考えてしまう。

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母の父にウィジャボードやシーザスターズの父でもあるケープクロスを持つロジユニヴァースは、実は種牡馬としての期待も高い。それだけに2年を待ってのあの札幌記念のしんがり負けが余計悔やまれる。ダービー馬のしんがり負けは、引退時期の選択がいかに大事であり、かつ難しいかを物語っているように思えてならない。

 

 

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2013年10月30日 (水)

強い道営2歳馬

過去10年の連対馬の中に、シーチャリオット、ドリームスカイ、インサイドザパークのダービー馬3頭に加え、あのフリオーソまでもが名を連ねる注目の平和賞を勝ったのは、Tiznow産駒の外国産馬・ナイトバロン。逃げ込みを図るファイトを直線半ほどで捕らえると、瞬く間に3馬身突き放した。

Night 

もともと道営所属馬や道営出身馬の活躍が目立つレースであるが、ナイトバロンも道営で3戦1勝の成績を残して南関東に移籍。今回が転入緒戦であった。ちなみに3着のリュウノワンも道営所属の1勝馬。迎え撃つ南関東勢には6頭もの2勝馬が揃っていながら、道営の1勝馬があっさりと1、3着するシーンを目の当たりにすれば、「道営の2歳馬はレベルが高い」という定説にあらためて頷かざるを得ない。

それにしても、なぜ道営の2歳馬はレベルが高いのであろうか? 新馬戦にしても、特別にしても、重賞にしても、賞金は南関東の方が高いのだから、素質馬は南関東に集まっても良さそうなものなのに……。そんなことを、ふと思ったりする。

道営競馬では冬に5か月間もの開催休止期間がある。その間、デビュー前の1歳馬(明け2歳馬)にたっぷり調教の時間がかけられるため、2歳馬が強くなるのだと聞いたことがある。

また、そもそも道営の2歳戦において、ある程度選別された馬が南関東へやって来るのだから、強いのは当然だとする説もある。なるほど、それはそうかもしれない。

とはいえ、やはりもっとも大きな要因は、大牧場の積極的な参入であろう。今も存廃問題がくすぶる道営競馬に万一のことがあれば、馬産地全体が致命的な影響を受けかねない。そこで、道営競馬を盛り上がるためにと、ビッグレッドファーム、中村畜産、下河辺牧場、グランド牧場、ユートピア牧場、そして社台グループが良血馬を送り込み、結果として高いレベルの2歳戦が展開されているのである。

そんな道営2歳のレベルを物語るもっとも重要な舞台が、再来週の北海道2歳優駿(JpnⅢ)。創設以来12年で道営の7勝5敗だが、ここ2年はJRAが連勝中でもある。果たして今年はどうなるか? ラブミーチャン不在となったJBCよりも、個人的にはこっちの方が気になる。

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ところで、ナイトバロンに騎乗していた本田正重騎手は、これが嬉しい重賞初制覇になりました。2005年10月24日の初騎乗から丸8年が経過し、9年目に突入したばかりでのメモリアル勝利。おめでとうございます。

 

 

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2013年10月29日 (火)

重賞をひとつ勝ったくらいでは

来年はJRAの2歳戦の番組が大きく変わる。天皇賞の東京競馬場では、この件について意見を聞かれたり、また聞いたりすることが多かった。

皆さんご存知だと思うが、ざっとおさらいしておく。朝日杯フューチュリティSが阪神競馬場へ移動。そのあとを埋める形で、有馬記念当日の名物オープン特別のホープフルSが重賞に昇格する。ただし、これはあくまでも阪神の2歳重賞ラジオNIKKEI賞が移動してくるという扱いらしいので、つまりは中山と阪神とで重賞レースを交換した上で従来のホープフルSが消滅したに過ぎない。さらに、いちょうSと京都2歳Sのオープン特別が重賞に昇格するという。

議論の的となったのは新・ホープフルSの扱いだ。現時点ではGⅡ格付けを申請中だが、将来的には2歳中距離路線のチャンピオン決定戦としてGⅠ昇格を視野に入れているという。そのためにGⅠ並みに増額されるとか。仮にそうなると、暮れの2歳牡馬戦線にふたつのGⅠレースが行われることになる。これを聞いて、「なんだ1990年に逆戻りか?」と言ったのは、どうやら私ひとりではなさそうだった。

朝日杯3歳S(中山・GⅠ)、阪神3歳S(阪神・GⅠ)。東西でそれぞれ3歳(当時表記)チャンピオンを決定していたかつてのレース体系が改められたのは1991年のこと。「牡馬、牝馬ごとに3歳の統一チャンピオンを決めるのが望ましい」。「牝馬は桜花賞の舞台を、牡馬は皐月賞の舞台を経験しておくべき」。そんなコンセプトで、阪神3歳Sは牝馬限定戦として生まれ変わった。

Dober  

改革初年度の優勝馬は、阪神3歳牝馬Sがニシノフラワーで朝日杯がミホノブルボン。翌年には、それぞれ桜花賞と皐月賞を勝ち、「改革の成果がいきなり表れた」と喝采を浴びたものである。それを限定的とはいえ元の姿に戻そうというのだから、議論の的になるのはまあ仕方あるまい。

実際には、重賞の日程やレースの格の変更というものは、馬主協会の力関係も絡んだりして、必ずしもファンや馬を本位に決められない部分もある。「阪神のラジオNIKKEI賞をGⅠに」という声があったことは確かだが、朝日杯もGⅠのまま残して、しかも開催場を入れ替えてしまうという。火種は残った。

この改革がこの先どう転ぶか。それはしばらく経過を見守らねばなるまいが、「朝日杯のコース形態は不公平だから……」などという理由は取って付けた感がありあり。ダービー卿CTや京王杯AHは不公平なままでいいのか? もっと不公平な秋の天皇賞はどうする?

Asahi  

そんなことより今回の重賞改革で私が思ったのは、ダービー出走のボーダーラインがさらに厳しくなるなぁ、といったもの。ホープフルSの賞金がラジオNIKKEI賞より増額されて、重賞が2鞍増えるのだから、2歳のオープン馬は今より増える可能性が高い。

初代の統一3歳チャンピオンとなったミホノブルボンは、翌年のダービーも制して無敗の2冠馬に輝くが、そのダービーにはカミノエルフ、オースミコマンド、ウィッシュドリーム、ゴッドマウンテン、ブレイジングレッドと、収得賞金800万円の条件馬が5頭も出走していた。たとえトライアルで優先出走権を逃しても、抽選さえ通ればこれだけの頭数がダービーに出走可能だったのである。

それが、近年ではオープン特別を勝ったくらいではダービーを除外されることも珍しくない。フサイチコンコルドの時代は遠くなった。賞金を稼ごうと思えば、少しでも早い時期にデビューして、なるべく多くの賞金を稼ぐ必要がある。近年は2歳馬の使い出しが早まる傾向にあるが、それに拍車がかかることは避けられまい。「重賞をひとつ勝ったくらいではダービーには出られない」なんていう時代が、いずれやってくるのだろうか。

 

 

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2013年10月28日 (月)

種牡馬ナイキアディライト

昨日の東京8Rのくるみ賞は、過去の勝ち馬にスーパーホーネットやピンクカメオが名を連ねる出世レース。トウケイヘイローがレコードで逃げ切った一昨年のレースも、まだ記憶に新しい。

Pink  

そして今年は9番人気のマイネルディアベルが逃げ切り勝ちを収めた。この日の芝コースは内ラチ沿いが絶好の状態。好発から逃げの手に打って出たことは、メンディザバル騎手の好判断であろう。

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父・ナイキアディライトは2003年の東京ダービーを制し、12もの重賞を勝った南関東近年屈指の名馬だが、東京ダービー馬が種牡馬入りし、その産駒がJRAの特別レースを勝ったとなると、最近では例を探すことが難しい。1998年の札幌日経オープンを勝ったスノーエンデバー以来ではないか。スノーエンデバーの父キングハイセイコーは1984年の東京ダービー馬。そもそも、東京ダービー馬が種牡馬入りすることすら稀な出来事なのだから、産駒の活躍が珍しいのは極めて当然だ。

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マイネルディアベルの母ムービースクリーンは、トニービンの産駒でムービースターの近親。社台レースホースの募集にかかった期待馬であった。だが、競走生活は1勝のみに終わる。追分ファームで繁殖入りし、途中から丸善橋本牧場に移ったりもしたが、その配合相手はダンスインザダークの4回を筆頭に、アグネスタキオンやフジキセキなど一貫して社台スタリオン繋養種牡馬が選ばれてきた。

そんな肌馬に突然ナイキアディライトが配合されたから「あれ?」と思った人もいたのではあるまいか。実はムービースクリーンは、2011年から丸善橋本牧場の御子息が経営するハシモトファームに移されていたのである。ハシモトファームといえばナイキアディライトの生産牧場。種牡馬ナイキアディライトは、その数奇な巡り合わせに感謝すべきなのであろう。

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昨年のサマーセールで360万円で取引されたマイネルディアベルだが、それからわずか1年あまりで1700万円を稼ぎ出した。これこそが競馬の面白さ。東京ダービー馬の産駒が活躍すれば、ファンや馬主が南関東を見る目もまた違ったものになる。マイネルディアベルの今後にぜひとも注目していただきたい。

 

 

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2013年10月27日 (日)

昨日の友は今日の敵

「ひどい馬場だよ」

「ノメり通しで競馬にならない」

昨日はそんな声ばかりが聞こえた芝コースも、今日は稍重からのスタート。7レースには良にまで回復した。見た目には例年の天皇賞当日と変わりはないように見える。9レースの1000万条件芝1400m戦を勝ったネオウィズダムの勝ち時計は1分20秒3。十分に早い。

9r  

第148回目の天皇賞は秋晴れに恵まれた。1番人気は久々でもジェンティルドンナ。昨年の年度代表馬となれば、やはり格が違う。

Jentil 

馬場入り時に「今年最大の上がり馬」と紹介されたトウケイヘイローが2番人気。とはいえ、昨日のような馬場でやりたかったというのが本音であろう。

Toukei 

3番人気はこのレース連覇がかかるエイシンフラッシュ。昨年同様、天皇賞に合わせてデムーロ騎手に乗り替わってきた。

Eishin 

もっとも速いスタートを決めたのは、まさかのジェンティルドンナであった。「フライングじゃないか?」という声も聞こえる中、押してトウケイヘイローがハナへ。結果、この思いもよらぬジェンティルドンナの好スタートが、1番人気馬と2番人気馬の敗因となった。気合を入れられたトウケイヘイローのペースは緩むことなく1000mを58秒4で通過。そのハイペースを番手で追走し、直線に向いて先頭に立たざるを得なかったジェンティルドンナも1分58秒2なら立派だが、2着でヨシとされる立場ではない。こちらの本音は「スタートが良すぎた……」であろうか。

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年度代表馬を破って天皇賞馬となったジャスタウェイは、ハーツクライの産駒。母方はほぼ無名の米国血統だが、祖母シャロンは、距離2000mの90年CCAオークスを9馬身差で独走している。その距離適性と大物喰いの父の血が騒いだのか。ただ一頭だけ34秒台の上がり。その脚色は、他の16頭が文字通り止まって見えるほどだった。

福永騎手は2週連続のGⅠ勝ち。しかも、今回はエイシンフラッシュ&デムーロのコンビを破っての勝利だから、なおさら価値がある。

福永騎手は毎日王冠でエイシンフラッシュの手綱を取っている。その時点で、毎日王冠の結果にかかわらず次の天皇賞ではデムーロ騎手に乗り替わることが発表されていた。毎日王冠の福永騎手に課せられたテーマは、「次におつりを残すため、馬に負担をかけずに勝つこと」。彼はそれを見事にやってのけた。

迎えた天皇賞。その毎日王冠で2着に下したジャスタウェイに跨り、手綱を取られた格好のエイシンフラッシュを負かしてみせたのだから、福永騎手にとってこれ以上の痛快事はあるまい。菊花賞勝利でひとつ殻を突き破ったか。今日2勝でリーディングも首位。今年の競馬も、いよいよクライマックス。目が離せぬ存在になりそうだ。

 

 

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2013年10月26日 (土)

道悪競馬にもそろそろ飽きて

台風27号の影響で雨・不良で始まった東京8日目の8R。500万条件ダート2100mの競馬を勝ったのは、関西馬リーゼントブルース。直線では何度も並びかけられるシーンがあったが、それでも前に出ることは許さなかった。まるで、オーナーであるDeNA・三浦大輔投手のピッチングスタイルのような粘り強さ。来場されていた三浦投手も、さぞや声を枯らしたことであろう。

8r  

リーゼントブルースは、これが21戦目で3勝目。武豊騎手や岩田康誠騎手など10人の騎手が手綱を取ったことがあるが、3勝はいずれも松岡正海騎手の手によるもの。そういう意味では手が合う。川崎生まれの松岡騎手は、小学生当時は野球少年だった。もちろん、地元ベイスターズファン。そんな事情もあって、もとより三浦投手と松岡騎手は親交が深い。松岡騎手にしても、この3勝は特別な勝ち星であろう。

Turf_2  

気が付けば雨も上がって、9Rレースは精進湖特別。

Goal  

芝の2000mということは、明日の天皇賞と同じ舞台。馬券よりも気になるのは、馬場の状態である。

9r  

勝ったのは2番人気ロジサンデー。ダイワメジャーの産駒。「前走は瞬発力勝負になってしまった。極端な上がりの早い競馬は向いてない」という陣営の言葉通り、2番手追走から不良馬場のど真ん中を力強く抜け出してきた。だが、ただ一頭最内を突いたビームライフルも粘って3着。内を避ける馬が多ければ、逆に馬場が保護される結果にも繋がる。明日の予報は秋晴れ。やはり天皇賞の直前まで馬場の悩みは続きそうだ。

 

 

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2013年10月25日 (金)

ヘルメット

せっせと写真を整理していたら、とある一枚に違和感を感じて手が留まった。

Taito1  

何がおかしいのか? そう、森泰斗のヘルメットのあごひもが、おかしな位置にズレているのである。

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ひょっとしたら流行りか? なんてはずはない。返し馬の時は、ちゃんとあごに掛かっていた。レース中の激しい動作でずれてしまったのだろうが、一歩間違えれば危険なことでもある。

長いリハビリを経て先日復帰を果たしたJRAの後藤浩輝騎手の、昨年9月の落馬事故は今なお記憶に鮮明だが、脳天から馬場に叩きつけられた衝撃で、そのヘルメットは大きくへこんでいた。もしヘルメットがちょっとでもずれたり、脱げたりしていたら……。そう考えるとゾッとする。

「大井はヘルメットにうるさい」。そんな声をJRAの厩舎関係者から聞いたことがある。もちろん、ヘルメットのデザインやブランドにこだわっているわけではない。南関東ではパドックでのヘルメット装着はもちろん、あごひもをきちんと締めて被ることが義務付けられている。JRAからの遠征馬に帯同したスタッフがあごひもが切れたヘルメットを被ってたりすると、競馬場関係者から注意されたり、代わりのヘルメットを渡されてきちんとあごひもをかけて被るよう指示される。それが「うるさい」というのだ。

なぜ、こういうことが起きるのか。実はJRAにはあごひもに関する決まりまではない。ヘルメットをかぶってさえいればいい。なので、何かのはずみでヘルメットが脱げて、それが一大事に繋がる可能性もある。肩にだらしなく掛けられた引手が、ヘルメットから垂れ下がったあごひもと絡んで、思わぬ事故になったりしないか。そんな余計な心配をしているのはきっと私くらいのものなのだろう。

ちなみに、JRAの騎手が使用しているヘルメットは、1965年に東大脳神経外科が様々な工学的実験を行って開発し、その後改良が加えられたものだ。落馬による頭部外傷の特徴を踏まえて開発されたため、内側の素材は発泡スチロール製で、思いのほか軟らかく軽い。地方競馬で使われているものは、もうちょっと硬く、そして重い。果たしてどちらがよいのか。今も様々な意見が出され、少しずつ改良が加えられているというから、完全な答えには至っていないのだろう。ただひとつ間違いなく言えるのは、きちんとかぶっていなければ何の意味もなさないということだ。

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20年前、レース中の事故で他界した岡潤一郎騎手は、馬場に投げ出されたはずみでヘルメットがずれ、そこを後続の馬の脚で蹴られたことが致命傷となった。たかがヘルメットひとつと、軽く思わぬようにしたい。

 

 

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2013年10月24日 (木)

競馬場外の塩サバ定食

馬主が競馬場で食べる食事というと、場内の最上級レストランを想像されるかもしれない。さしずめ東京競馬場ならメモリアルスタンド6Fの『ホテルオークラ』、中山なら『マツヤサロン』といったところか。

しかし実際にはそんなところに通い詰める馬主は少ない。毎週土日の昼食が、カツカレー、鰻重、天ざる、ハンバーグステーキの繰り返しでは食事としての歓びに欠ける。店は混雑の極みにある上、どのメニューもおしなべて高い。そこでいったん場外に出て、門の外に軒を並べる掛け茶屋(開催日のみ営業する居酒屋)の世話になることもしばしば。先日、私と同行した馬主さんが選んだのは、西門近くの『南里』であった。

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競馬帰りのファンが、安い酒を飲みつつ騎手や競馬新聞への恨みつらみを重ねあう店のイメージが強いが、もちろん定食メニューも用意されている。焼き物の煙が漂う狭い店内に入ると、食事中の先客も顔見知りの馬主だったから思わず笑ってしまった。隣のテーブルに座った客の背中が接するほどの狭い店内に、正装の紳士淑女が肩を寄せ合いながら「モツ煮定食」や「サンマ定食」を食べている姿は、一見異様にも映る。

「ひょっとしたら、アベノミクスに乗り遅れた馬主たちが財布を枯らせてしまったのか?」

そう感じる人もいるかもしれない。だが、店員と会話を交す馬主たちの振る舞いはどう見ても常連のそれである。

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 「なんだよ、最近シャケの切り身が小さくなってないか?」

 「あんたの馬最近サッパリ走ってないねぇ。もっと儲けさせてよ」

そんな会話を聞く限り1年や2年ごときの付き合いではあるまい。ファンが高じて馬を持つようになった馬主は、実はこういう店との縁が深いのである。

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そんなことを思いながら塩サバ定食を注文。店の表で焼いたばかりの鯖に丼メシと味噌汁と漬物と海苔がついて730円。激安とは言い難いが、場内よりは安い。しかも食べてみると、これが結構旨いのである。焼き立てに勝る焼き魚はない。今度はこちらの店の「スィートコン」という謎のメニューに挑戦してみようか(笑)

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2013年10月23日 (水)

【訃報】フジノウェーブ

地方所属馬として唯一頭のJBC優勝馬。さらに、南関東所属馬として初となる同一重賞4連覇など数々の金字塔と打ち立て、先日のアフター5スター賞を最後に現役を引退したフジノウェーブの突然の訃報が飛び込んできた。

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大井で誘導馬になることが決まっていた同馬は、現役引退の原因となった骨折が癒えたことから去勢手術を受けていた。ところが、麻酔が切れて立ち上がろうとした際に転倒。そのはずみで左脛骨開放骨折を発症し、予後不良となったという。なんと言えば良いものか。適当な言葉が見つからない。

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通算23勝。重賞9勝。2007年にNAR最優秀古馬、そして2007年と2008年にNAR最優秀短距離馬のタイトルに輝いた最強スプリンターも、意外なことに初めての重賞タイトルとなる2007年の東京シティ盃までには22戦を要した。

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出世が遅れた背景には、生来の体質の弱さがあった。3歳8月に笠松競馬から移籍してくると、高橋三郎調教師は飼い葉食いがおかしいことに気付く。「普通の食べ方と違うので調べたら、奥歯がボロボロになっていた」。そこで、転厩してきたばかりだというのに思い切って放牧に出すことに。高橋師はじっくり休ませて仕上げるという調整法で知られるが、この時もこの放牧が功を奏した。休み明けをいきなりの3連勝。その後また放牧を挟んで、今度は破竹の10連勝を記録する。いま思えば2007年のJBCスプリントも、そして4連覇を達成した今年の東京スプリング盃も休み明けの一戦だった。

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地方馬によるJBC優勝は、いずれ再び達成されるに違いない。されなければ困る。だが、同一重賞4連覇はもう二度と見ることはできないのではあるまいか。それほどの偉業である。

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東京スプリング盃の4連覇を達成した直後、ベストパートナーの御神本訓史騎手は「一番思い出に残る馬」と最大限の賛辞を送った。同じ思いを抱くファンも多いはずだ。

そこであらためて思う。以前にも書いたことだが、東京スプリング盃にフジノウェーブの名前を刻むことを検討してもらえないものか。「フジノウェーブ記念」でもいいし、「フジノウェーブメモリアル・東京スプリング盃」でもいい。いつもなら重賞レースの名称を安易に変えることに異議を訴える私だが、さすがにこれは例外であろう。なにせ2010年に創設された東京スプリング盃を勝ったことのある馬は、フジノウェーブ以外にいないのである。

  

 

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2013年10月22日 (火)

名馬の出現を見逃すな

1994年の天皇賞(秋)当日の2レースを勝ったのは、新種牡馬サンデーサイレンスの産駒ジェニュインだった。芝1400mの勝ち時計は1分22秒8。その翌年、彼は皐月賞を勝ち、ダービーは2着に敗れたものの、3歳馬ながら秋天に堂々と駒を進めた。結果、サクラチトセオーの大外強襲に屈したものの、ハナの2着と大健闘を見せる。

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サクラチトセオーとジェニュインの叩き合いが繰り広げられる数時間前。3レースに行われた新馬戦を、2歳当時のバブルガムフェローが優勝している。芝1800mの勝ち時計は1分49秒3。彼も一年後の秋天に出走し、こちらは見事優勝を果たす。3歳馬(当時表記は「4歳馬」)が秋天を勝ったのは、史上初の快挙であった。

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そして年月は流れて一昨年の秋天当日の新馬戦でデビュー勝ちを飾ったのはステイゴールド産駒のフェノーメノ。

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芝2000mの勝ち時計は2分03秒5。一年後に同じ舞台を1分57秒4で乗り切り、ルーラーシップやダークシャドウに先着して、エイシンフラッシュに半馬身まで迫る存在になると思った人は、このとき果たしてどれほどいただろうか。

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注目すべきは翌年の天皇賞で勝ち負けを演じるような存在だけではない。他にも、スマートファルコンやナカヤマフェスタ、そしてローエングリンといった強豪馬が、その記念すべき初勝利を秋天当日の東京で挙げているのである。

この日の新馬や未勝利が特段賞金が高いわけではないが、大勢の関係者が集まる前で自慢の2歳馬をお披露目したいという思いが、自然と天皇賞当日の2歳戦をレベルアップさせるのであろう。有力ジョッキーが揃うという状況の後押しもある。そんなレベルの高い一戦を勝ち抜いた素質馬であれば、後にGⅠを勝つような存在になったところで不思議はない。

天皇賞当日の東京競馬場は、朝イチの2歳未勝利戦から目を離さぬようにしよう。のんびりとコーヒーを飲んでいては、将来のGⅠホースの初勝利を見逃しかねない。

 

 

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2013年10月21日 (月)

嵐を呼ぶ天皇賞

先週は台風26号に加え、昨日の時季外れの豪雨と、とことん雨に祟られる一週間だった。それなのに、今度は台風27号の動きに注意せよと天気キャスターが訴えている。しかも今朝になって28号が発生した。ともに今週末にかけて本州への影響が懸念されるとのこと。4回東京最終週は、空模様との勝負にもなりそうだ。

「10月も終わりになって台風が来るなんて……」なんて声も聞こえてくるが、3年前にも10月末になって台風が関東に接近。天皇賞の開催が実施が危ぶまれたことがある。

金曜日の時点で天皇賞実施の可否が決まらず、前々日発売は中止。翌土曜の東京開催は中止→月曜代替となった。したがって天皇賞そのものの売り上げは激減。JRAとしては天に恨み言のひとつも言いたいところだどうが、日程通りに天皇賞を開催できたことを、まずはヨシとすべきであろう。

最後の最後まで関係者やファンが気を揉んだのは、天候よりも馬場状態である。

開催中止となった土曜日、競馬場のある東京府中市には72ミリの大雨が降った。それを見越して連闘に踏み切ったショウワモダン陣営は、ほくそ笑んだことであろう。だが、台風一過の翌日は思いのほか馬場の乾きも早く、芝・ダートとも「重」でのスタート。7レースには「稍重」まで回復した。8レース、10レースはいずれも逃げ切り決着。内ラチ沿いがかなり回復していたことは疑いようがない。結果、天皇賞は直線坂下で抜け出したブエナビスタが、内ラチ沿いを力強く駆け抜けて優勝。騎乗したスミヨン騎手は、前日の開催が中止となって馬場状態が良かった内目を最初から狙っていたという。

Buena  

翻って今年。昨日の競馬を見る限り、逃げ馬でさえ内ラチ沿いを避けて通るほど馬場の悪化は進んでいる。しかも、今週は水曜以降ずっと雨予報。馬場の乾く暇はないかもしれない。そうなればトウケイヘイローの出番か。極悪馬場の札幌記念圧勝を見れば、その道悪適性は群を抜いている。

しかし、土曜の開催が台風によって中止となり、しかも日曜が台風一過の秋晴れとなれば、3年前の再現もあり得る。同じ勝負服で、春のドバイ遠征で惜敗し、宝塚記念でも苦杯を舐めたジェンティルドンナの姿は、3年前のブエナビスタに被るものがある。

それにしても今年ほど台風の進路を気にしながら過ごした年はなかったように思う。8月の石垣島で台風直撃の悲劇に見舞われた個人的経験によるものかと思ったら、どうやらそうでもない。3年前に天皇賞前日の競馬開催を吹き飛ばした台風は「台風14号」であった。今回我々が直面する台風は27号と28号。これは11月に入っても、オチオチ過ごしていられなさそうだ。

 
 

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2013年10月20日 (日)

雨ニモマケズ、不良馬場ニモマケズ

雨の競馬は嫌いではないが、それにしても程度というものがある。10月の異称は一般的には「神無月」だが「時雨月」と呼ぶことも。とはいえこの豪雨を「時雨」と呼ぶには無理がないか。馬場が不良なら入場者数も不良。重賞がないとはいえ、日曜の東京に27297人というのはちょっとお寒い。いや、実際に今日は寒かった。

Tokyo  

雨のピークは8R。500万条件の芝マイル戦。前も見えぬほどの驟雨を切り裂いて、レッドセシリアが一気に直線を駆け抜けた。3歳の牝馬とは思えぬ勝負根性。阪神JF3着の実績はダテではない。

8r  

4代母の My Bupers は13戦して未勝利に終わったが、繁殖入りすると世界的名牝系の礎となった。愛オークスを7馬身差で圧勝したウィノナ、米チャンピオンスプリンターのマイジュリエット、姉妹で米GⅠウイナーとなったティスジュリエット、ステラマドリッドなど数々の一流馬がこの一族から羽ばたいている。そして我が国でもハーツクライを筆頭に、ダイヤモンドビコー、アイリッシュダンスと、このファミリーからの活躍馬は少なくない。しかも、このレッドセシリアの父はハーツクライであるから、彼女は My Bupers の4×3の牝馬クロスを持つことになる。

ちょうど一年前。同じ府中のマイルで迎えた良馬場のデビュー戦は、ただ一頭33秒台の切れ味を披露して初勝利。そして不良馬場の今日は上がり35秒6で消耗戦を凌いで見せた。432キロの小柄の牝馬にして、その能力には目を見張るものがある。ここは通過点であろう。

続く9Rの山中湖特別は、メイショウサムソン産駒のトーセンアルニカが差し切り勝ち。

9r  

10Rの甲斐路Sは直線坂下で先頭に立ったディサイファが、そのまま長い直線を押し切って1着。

10r  

8Rから芝のレースが3鞍続いたが、いずれも勝ったのは馬場の外目を通った馬だった。逃げ馬も内ラチ沿いを避けるほど内目は荒れている。最終レースで断然の1番人気に押されたフジマサエンペラーは、何を思ったのか直線で最内に進路を取り、伸びきれず6着に惨敗した。

来週からはBコース使用となり、内に仮柵が設置される。その効果はいかほどか。なにせ来週は天皇賞。台風の接近も予想されており、馬場状態にも神経を使う一週間になりそうだ。

 

 

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2013年10月19日 (土)

ロジテーストとイスラボニータ

今日の東京は半数の6鞍が2歳戦。秋風と共に2歳戦もいよいよ本格化してきた。

5Rの新馬戦は芝1800m。スタートからの4ハロン目に14秒2という調教のようなラップが出現する超スローペースを、4角11番手の後方から追い込んだロジテーストが初勝利を飾った。

Logi  

前残り必死の流れを大外一気で差し切ったレースぶりは豪快そのものだが、まだ幼さが残る感じで荒削りな印象も否めない。ゲートも決して褒められたものではなかった。とはいえ、課題を抱えながら勝った事実は大きい。あとは、ひとつひとつ課題をクリアしていけば、おのずと展望は広がる。

同じ2歳の芝1800mで行われる9Rは、エアグルーヴやメジロドーベルがその勝ち馬に名を連ねるいちょうS。ただ一頭56キロを背負ったイスラボニータが、直線坂上で抜け出して完勝した。

Icho  

父はこの2歳世代がラストクロップとなったフジキセキ。JRA通算1390勝。歴代4位の通算勝利数を誇る種牡馬でありながら、産駒がクラシックレースを勝っていないという事実は画竜に点睛を欠く。最終世代にかかる期待は大きい。先週のりんどう賞を勝って2戦2勝としたエイシンオルドスや、明日の京都かえで賞で2勝目を狙うキンシノキセキなど、今年のフジキセキ産駒は一味違う活躍を見せている。

イスラボニータは新馬戦、続く新潟2歳Sとスタートに難のあるところを見せていた。それが今回はあまりに普通にゲートを出たので「逆に心配になった(蛯名騎手)」そうだが、終わってみれば一頭だけ力が違う勝ちっぷり。朝日杯という言葉も聞こえてきたが、次走は東京スポーツ杯が有力であろう。となると5Rを勝ったロジテーストとの対戦も有り得る。

一戦ごとに課題を克服し、レース内容が良くなっていくイスラボニータの姿は、ロジテーストにとっては心強く映るに違いない。レースを重ねるごとに成長していく姿を追い続けるのも、この季節の2歳競馬の醍醐味だ。

 

 

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2013年10月18日 (金)

カマキリの季節

大井競馬場Lウイングの近くでカマキリに遭遇。

Kama  

10年ほど前、JRAにマンティスハントという牝馬がいた。母は米重賞4勝のウィッチフルシンキング、父は北米リーディングサイアーのデピュティミニスターという血統。妹には、福島記念を勝ったロフティーエイムや、ダートグレードで4勝のメーデイアがいる。

その馬名は直訳すると「カマキリの狩り」の意味。昔から物語などで魔女の化身としてカマキリが登場することから、母名のウイッチにちなんで付けられたものらしいが、本来「マンティス(MANTIS)」とはギリシア語で預言者を表す。両前足を前で揃えるカマキリ独特のポーズが、手を合わせて祈る姿に見えるのだそうだ。

Kamakiri01  

ともあれ欧米ではではカマキリに神秘性を感じ、またアジア圏では勝利の使者と崇める向きもあるから、競馬場におけるカマキリの出現は吉兆と捉えてよいだろう。こちらは船橋競馬場の植え込みに現れた一匹。

Kamakiri02  

競走馬マンティスハントは7戦して未勝利に終わったが、繁殖牝馬として送り出したゴーハンティングがJRA4勝と活躍している。明後日の東京8Rには、やはり産駒のクロスボウが出走予定。人気にはならなそうだが、カマキリの季節だけに、ちょっとだけ気になる。

 

 

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2013年10月17日 (木)

おかゆ

風邪(腸炎?)でお腹をこわしてしまったので、生モノも、揚げモノも、普段なら飲み物のように胃に流し込むハンバーグさえも食べることができない。私は季節の変わり目によくこういう目に遭う。子供みたいと言われるのは、精神だけに留まらない。

そんな状態だから、今日の昼飯は銀座『好々亭』のお粥。普段なら「こんなもの腹の足しにならぬ!」と言って相手にもしないメニューだけど、久しぶりに食べてみると、お米の甘味がじわりと胃腸に浸み渡る。アツアツの鶏ガラスープに生姜の組み合わせが、身体の芯から温めてくれた。

Haohao  

一般に病人食のイメージが強いお粥だが、関西では「おかゆさん」と敬称をつけて日常食にしているし、東京でも正月の七草粥や十五日粥のような行事食としての風習は残されている。むろん、中華街で食べるお粥が立派な食事メニューであることは言うまでもない。

「だるま弁当」で有名なJR高崎駅に、「上州の朝がゆ」という駅弁が売られているのをご存じだろうか。保温容器を開けると立ち上がる湯気の隙間からはエビや栗といった具材が見え隠れし、さらに漬物と練り梅が別添で付いてくる。それで350円はありがたい。レシピも価格も30年間据え置き。簡単にできることではない。

発売時間は朝の7時から9時まで。しかも100個限定。売れ残れば破棄される運命だが、売れ残ることは滅多にないという。高崎に競馬場があった当時、アフター競馬でどんちゃん騒ぎを繰り広げ、そのまま高崎駅の近くに泊まり、翌朝の新幹線でこの「朝がゆ」を食べた思い出がある。二日酔いの五臓六腑に優しく広がる味わいだった。

土日の競馬場に行くと「二日酔いで何も食べたくない」という人に出会うことがやたらと多いけど、そういう人をターゲットにした「お粥専門店」があっても良いかもしれない。いや、二日酔いの人だけでなく、女性ファンも増えてきたことだし、この際、横浜中華街の『謝甜記』あたりが出店してくれないだろうか。季節の変わり目になるとすぐに胃腸を壊す私からも、伏してお願いする次第である。

 

 

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2013年10月16日 (水)

五体満足でありながら

3000mを超える長距離の特別競走といえば、今となっては1月の万葉ステークスただひとつ。ブラッドストーンステークス(中山3600m)も、ドンカスターステークス(京都3000m)も、歴史的役割を終えたとして短距離レースに様変わりしてしまった。

長距離戦離れの傾向は、今週末の菊花賞にも如実に表れている。今世紀に入ってから昨年まで12回行われた菊花賞のうち、ダービー馬が不在だったのは実に半数越えの7回。しかも、ダービー直後に故障引退したタニノギムレット以外は、五体満足でありながら菊花賞を袖にするケースが相次いでいる。そして、今年のダービー馬キズナも菊花賞を選ぶことはなかった。

菊花賞を選択した5頭のダービー馬のうち、ネオユニヴァース、ディープインパクト、メイショウサムソン、オルフェーヴルの4頭は、その時点で皐月賞と日本ダービーの2冠を制していた。穿った見方をすれば、菊花賞を選んだというよりは、「クラシック3冠」を選んだとも言える。残る1頭はジャングルポケットだが、トライアルを使わず菊花賞で秋緒戦を迎えたことからも、彼にとってはジャパンカップを見据えたステップに過ぎなかったのかもしれない。

このブログではことあるごとに菊花賞にネガティブなことを書き連ねているが、私とて「菊花賞なんかやめちまえ」と言っているわけではない。秋の京都に「菊花賞」は欠かせぬ存在である。ただ私は、この時期に3歳同士で覇を競うことの意味の無さと、3000mという距離でありながらステイヤーにはほど遠い馬ばかりが出走している現状を嘆いているに過ぎない。

菊花賞を支えてきたのは、「出走できるのは生涯一度きり」というギミックと高額賞金の魅惑だ。

古くはフレッシュボイス、近年ではネーハイシーザーやローエングリンに代表されるように、多少(?)距離適性に目を瞑ってでも、「出られるものなら出したい」という考え方が、かつては大勢を占めていた。だが、こうした考え方は既に前世紀の遺物になりつつある。「菊花賞ではなく天皇賞」。若い調教師が増えるにつれ、こうした声が多く聞かれるようになってきたのだ。

そも天皇賞で3歳馬が古馬に勝つのは至難である。しかも、本賞金では天皇賞の方が2000万円ほど上回っているが、3歳クラシックには3000万円程度の付加賞が付くから、実は菊花賞の方が実入りは良い。相手が同世代だけで、しかも賞金が高いのだから、菊花賞の方が明らかに好条件である。

それでも、キングカメハメハやディープスカイ、あるいはダービー馬ではないがジェニュイン、バブルガムフェロー、シンボリクリスエス、そしてダイワメジャーといった3歳有力馬たちは、自ら進んで天皇賞を目指した。

彼らが菊花賞を選ばなかった理由は様々あろうが、概ね以下のふたつに大別される。ひとつは「一度でも3000mの遅い流れを経験すると、先々距離が短くなったとき、速い流れに戸惑ってしまう」(藤沢和雄調教師談)という懸念。そしていまひとつは、のちの種牡馬としての評価だろう。近年最強世代とも言われる2010年の菊花賞を勝ちながら、クラシックホースの看板をかなぐり捨ててまで障害レースで苦戦を続けてるビッグウィークの姿は、見るに忍びないものがある。

 

 

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2013年10月15日 (火)

グルメグランプリ2013

食欲の秋。東京競馬場では昨年に引き続き「グルメグランプリ2013」が開催されている。

Chirashi  

場内のレストランや売店がイチオシのメニューをひとつ決めて、実際に食べたお客さんの評価を競うというもの。まあ、大半のファンにしてみれば、そんなものより馬券検討が大事であろうが、こういうイベントのおかげで新たな味を知ることもある。

Kanban  

イチオシメニューは、こうして店舗の前に看板で告知している。『ホースアイ』では串カツなら食べたことはあるが、この「肉巻きチーズカレースティック」というのは食べたことがない。なのでさっそく購入。

Stick  

すると商品と一緒にこのような抽選券が渡される。ここに評価を書いて抽選会場に持っていけば、いいものが当たる……かもしれない、というシステムだ。

Touhyouken  

さて肝心の「肉巻きチーズカレースティック」であるが、チーズをまぶしたドライカレーを薄切りの豚バラ肉で包みこみ、さらに外側にパン粉をつけて揚げたもの。ガブッとかぶりつくと、カリっとした衣の中から、溶けたチーズをまとってモッチリした食感のカレーが現れる。なかなか美味い。350円でじゅうぶんお腹いっぱいになる。なによりカレーを片手で食べられるという手軽さが、競馬場においては重要だ。よって評価は「いいね!おいしい!」。

フジビュースタンド4Fには、私の行きつけの立ち食いうどん・そば店が並んでいる。まずは、かき揚げうどんが自慢の『むぎんぼう』。

Maitake  

しかし、今回はかき揚げうどんではなく、舞茸うどんでのエントリー。季節感を考えて敢えてエースを温存したのかもしれないが、これは天ぷらがいけない。かき揚げうどんと比較すれば差は歴然で、評価は「次に期待します!」。

その隣に店を構える『馬そば深大寺』の定番は鳥そばだか、ここも敢えて違うメニューで勝負してきた。一昨年、惜しまれつつメニューから姿を消したごぼう抜きそばが、パワーアップして復活を果たしたのである。その名も「秋天、ザ・ゴボウ抜きそば」。

Gobounuki  

復刻版には、ごぼうの天ぷらと煮たまごのトッピングが新たに加えられた。それで値段は以前と同じだから、ファンには嬉しい。これは文句なしの「いいね!」。

Poster  

気になる抽選の景品は、現金2万円やJC当日の招待席など様々。だが、たとえハズレでも無料入場券が貰える。ということは、実質的に500円のメニューを300円で食べたのと同じこと。これは食べなくては損という気がしてくる。このイベントは10月20日で終了。この土日はグルメグランプリの看板を探しつつ、食事を楽しむのもよい。

 

 

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2013年10月14日 (月)

早朝の客

後藤騎手、ホントに南部杯勝っちゃいましたね。おめでとうございます。

その南部杯の馬券を買おうと思って東京競馬場に行ったのだが、諸事情あってどうしても府中本町9時42分発の電車に乗らなければならない。馬券の発売開始時刻は9時半からだから、パッと買ってサッと駅へ向かえばじゅうぶん間に合うはず。もちろん、買うのは後藤騎手のエスポワールシチーを頭に据えた3連単。セイクリムズンあたりが3着に食い込んでくれれば好配当だぞ、へっへっへっ……。

   とほくそ笑みながら、フジビュースタンドの西端にある岩手競馬専用場外に向かったら、なんと盛岡競馬の発売開始時刻は10時であった。

知らなかったです……。(-_-;

10時まで待っていては、このあとの予定に遅刻してしまうし、かといってこのまま何もせずに引き返すのも癪なので、4レースの新馬戦に出走するストーリーセラーの単勝を100円だけ買って引き返した。9番人気のこの馬、カンパニー産駒なのである。

100円の単勝馬券を握り締めて府中本町駅への通路を歩きながら考えた。私はこの100円の馬券を買うためだけに、200円の入場料を払ったのである。

いや、ホントのところを言えば、私は事前に貰った入場券を使って入場しているので、「200円を払った」という表現は正確ではない。だが、実際にこういう人はいると思う。つまり、馬券を買うために入場料を払って開催競馬場に行っておきながら、何らかの事情でレースを見ずに帰らなければならないというケースである。

一日を過ごすことを考えれば「安い」と思える入場料だが、滞在時間10分、馬券購入額100円で帰る人間には、とてつもなく高く感じやしないか。そんな奴はウインズに行け!と言われるかもしれないが、ウインズまで行く電車賃を考えれば、200円を払った方がまだ安い。

入場料というのは、法令によって原則100円以上を徴収することが義務付けられている。数年前に競馬法が改正されて、入場料に関する規定も緩和されたものの、それでも常時無料化は難しい。競馬法が改正されたのを機に、地元ファンへのサービスと、旅打ち観光客増加への一助として、ローカル開催時の入場料の無料化を訴えてみたのだが、現状では、年に5日間の「フリーパスの日」を設定するのが精いっぱいだという。それでも、せめて第1レース発走前に場外に出る客に対して、無料入場券を配るようなことはできないだろうか。もちろん購入した馬券の提示が条件。これなら法令に抵触することはないと思うのだが。

ちなみに、単勝を購入したストーリーセラーは9着。そして、買おうと思って買えなかったエスポワールシチーは完勝である。しかもセイクリムズンがしっかり3着に飛び込んでいた。そこでもうひとつお願いがある。できることなら、岩手県競馬の馬券発売開始時刻を、JRAと同じ9時半にしてもらえないものだろうか。あぁ……。

 

 

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2013年10月13日 (日)

アドマイヤドンの運

今日の東京3レース、芝1800mの2歳未勝利戦を勝ったのは5番人気のアルバート。6月の新馬戦で12着に敗れて以来、ひと息入れて立て直したのが功を奏した。

Albert 

父のアドマイヤドンは2011年から韓国で供用されているから、アルバートは日本で生まれた最後の世代ということになる。むろん頭数は少ない。そんな最後の世代からJRA勝ち馬が産まれた。とはいえ、昨年のセレクトセールで3000万の値を付けた一頭である。未勝利勝ち程度で騒ぐのは失礼かもしれない。アドマイヤドンが日本に残した最初で最後の大物になりそうな可能性も秘めている。

Don  

では来年、内国産のアドマイヤドンの2歳馬を我々はもう見ることはできないのか? ところがそれがそうでもない。白老ファームで生産され、サンデーサラブレッドクラブの所有にかかるワールドリープレジャーの2012は、紛れもないアドマイヤドン産駒である。

しかも牝馬ながら破格の募集価格3200万円。アドマイヤドンの産駒が珍しいから高値なのではない。むろんこれにはわけがある。

母のワールドリープレジャーは米国で8勝を挙げたが、重賞では3着入着がある程度の成績。引退後は米国で数年間繁殖生活を過ごしたのち、マッチョウノの種を受胎した状態で2009年のキーンランドノーベンバー繁殖セールに上場されると、韓国の生産者が1万5千ドルで落札。新天地へと旅立った。

ところが、米国に残した2番子のゲイムオンデュードが大ブレイク。今日現在でGⅠ7勝。6歳となった今年も5戦全勝と向かうところ敵なしで、アメリカ古馬戦線トップに君臨している。

一方、韓国に渡ったワールドリープレジャーは、マッチョウノの牡馬を無事出産すると、韓国1年目はヴォルポニが付けられて翌春に牝馬を出産。そして翌2年目の配合相手に、韓国に渡ったばかりのアドマイヤドンが選ばれた。それを、ゲイムオンデュードの活躍をつぶさにチェックしていた社台グループが、お腹の産駒ごと買い取ったということになる。

それにしても、韓国に行くと聞いたときは正直気の毒に思ったりもしたのだが、新天地でワールドクラスの牝馬に巡り合えるとは、彼の運の強さはいかほどか。まさに人生万事塞翁が馬。今日の未勝利を勝ったアルバートにも、その運が受け継がれているかもしれない。

 

 

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2013年10月12日 (土)

馬も肥えぬ暑い秋

「馬肥ゆる秋」はどこへやら。東京府中の最高気温は31.3度を記録した。観測史上もっとも遅い真夏日が秋華賞の前日に記録されるとは……。もはや、秋の華やかさも何もあったものではない。もともと馴染みの薄い「秋華」という言葉なのだから、この際「襲夏賞(しゅうかしょう)」とでも変えてしまっても良さそうな気がする。

ところで、秋に肥えるのは何も馬だけに限った話ではない、他の野生動物だって肥えるし、人間だって太る。

馬だってもとは野生動物である。家畜化される前は、野山や草原で暮らしており、当然のことながら厳冬期の食料確保は困難を極めた。

雪が解け、草木が芽吹く春が過ぎ、青草をお腹一杯食べられる夏がやってきても、夏の暑さに弱い馬はすぐに太ることはない。ようやく過ごしやすい秋を迎えると、草木が実を付け栄養価を増えることも手伝って馬は見る見る太り、再び訪れる冬に備えるのである。

家畜化され、食べ物の心配をする必要のなくなった今も、その習性はDNAに刻み込まれたままだ。馬は秋になると当然のごとく食べ、筋肉は盛り上がり、毛艶はいちだんと美しくなる。俗に言う「夏の上がり馬」も、晩夏から初秋にかけて馬の体調がアップし、春とはまるで別馬のような活躍を見せる馬が現れるからこその表現である。

Automn  

競馬においては、日本のみならず世界でも秋に重要なレースが数多く開催される。人間のカレンダーに合わせて、年末にクライマックスを迎えたいという興業的な思惑もあるだろうが、もとはといえば競馬が馬の能力検定であった時代の名残である。能力検定だから、馬の体調がベストの時期に行う、というのがその理由だ。

「天高く馬肥ゆる秋」というフレーズは、もともとは中国の言葉。「秋になると辺境から異民族が馬で襲来するぞ」と警戒を呼びかける、まあ一種のスローガンである。それがいつしか日本では「食欲の秋」を現す言葉に変貌したわけだが、そういうことは他の言葉でも間々あること。だが、さらに飛躍させて、「天高く馬肥ゆる秋。お馬さんはグルメなんですね」なんて発言をするTVキャスターもいたりして、これには閉口してしまう。

馬に関する故事やことわざが他の動物に比べて圧倒的に多いのは、馬が人間にとって身近な存在であったことの証である。一方で、その誤用が蔓延るのは、それだけ日本人の生活から馬が遠ざかったことの現れなのであろう。

 

 

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2013年10月11日 (金)

辛味と痺れの狭間で

川崎競馬場内の食堂『らーめん坊』は、競馬場の食堂にしてはメニューの豊富さとレベルの高さで評判の一軒。特に麻婆豆腐がなかなか美味い   ということは、このブログの元日付「らーめん坊@川崎競馬場」に書いた。

Dsc_0629  

麻婆豆腐が美味いということは、坦々麺も美味いに違いない。というわけで、鎌倉記念当日の夕食はここに決定。そしたら、私の前で食券を買うオジさんも、坦々麺とビールを注文しているではないか。これは期待ができそうだ。

Dsc_0632 

カウンターに座って待つこと5分。出てきた一杯がこちら。

Dsc_0630  

ショーケースのサンプルと全然違う!などと野暮を言ってはいけない(笑)。常に進化を続ける一杯だからこその差異ではあるまいか。すなわち、たゆまざる努力の証。そう思わなければ、競馬場で食事なんかできない。なーんて言いつつも、まあずいぶんと違いますね(笑)

具材はニラと刻んだザーサイ、それとひき肉。ラー油で真っ赤に染まったスープと一緒にすすると、たちまち汗が噴き出てくる。四川料理店の坦々麺というよりは、勝浦タンタンメンに近い。後から入店してきたお客さんも、坦々麺を注文していたから、これはこれで良いのであろう。

名物の焼きそばもそうだが、川崎のファンは辛いモノが大好き。来月のロジータ記念に始まり、全日本2歳優駿、正月開催、川崎記念、そしてエンプレス杯と、川崎競馬はこれから冬にかけてハイライトを迎える。寒い中の観戦が続けば、辛い食べ物で身体を温めたくなるのは道理。勝浦タンタンメンも、もとは海で身体が冷え切った海女さんが、好んで辛いラーメンを食べたのが始まりだと聞く。

しかし、本物の坦々麺には痛いような辛さだけでなく、痺れる辛さも必要。川崎競馬場から川崎駅方面に向かって徒歩7、8分ほどの距離にある『松の樹』は、TBS「チューボーですよ」にも“街の巨匠”としてしばしば登場する四川料理の名店。やはり麻婆豆腐が有名だが「正宗担々麺」が絶品。840円でこれが食べられる幸せをかみしめたい。

Matu  

前にも書いけど、本来坦々麺に汁はない。麺を担いで売り歩いたから「坦々麺」。担ぎ歩く以上、汁がこぼれるようでは話にならない。それで、汁なしで食べられるよう、工夫された味付けがなされているのである。たっぷりの汁に麺が浸っているスタイルは、日本風にアレンジされたものだ。

舌を刺激する唐辛子のコク深い辛みを楽しみながら、ひとくち、ふたくちと箸を運ぶ。と、突然、ビリビリとした痺れが口の中を襲ってきた。四川省から仕入れているという山椒は、鰻に振りかける日本産とは違って痺れ方も強烈至極。この辛みと痺れのコンビネーションが癖になる。

真っ赤なスープの坦々麺も、汁なしの坦々麺も、これからの季節ますます美味しくなる。この川崎開催は今日で終わり。次開催はローレル賞とロジータ記念の重賞二本立て。お楽しみに。

 

 

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2013年10月10日 (木)

ブリーダーズゴールドJr.カップの2着馬が

昨夜の鎌倉記念の話。

南関東でいちばん最初に行われる2歳重賞。今年は、このレース優勝馬から、ついに東京ダービー馬が誕生した。ハロウィン仕様の誘導馬も含め、例年にも増して注目が集まっている。

Yudo

左海誠二騎手は、過去11回の鎌倉記念のうち三度の優勝を誇る。今年はリバーサイドスター特別を快勝してきたソードオブホロウで参戦。父ホールウォーカーというのは、よほどの南関東ファンでないと知らないのではないか。3番人気。

Sakai 

北海道から参戦のニシノデンジャラスも人気の一頭。スペシャルうィーク産駒の牡馬で、8月のブリーダーズゴールドジュニアカップ(BGJr.C)では、ポップレーベルの2着だった。道営と南関東の2歳馬同士のレベルを計る意味においても、鎌倉記念の果たす役割は決して小さくない。

Konno 

両馬の明暗は分かれた。ソードオブホロウがまさかのブービーに敗退するのを尻目に、ニシノデンジャラスは5馬身差の大楽勝。鞍上の今野騎手は鎌倉記念3勝目だから、これで左海騎手に並んだことになる。いや、彼はJRAの鎌倉ステークスも勝っているから、一歩リードか?  いずれにせよ、過去に行われた鎌倉記念のうち、実に半数を今野、左海の両騎手が勝っているのだから凄い。

Nishino 

BGJr.Cでニシノデンジャラスを破っているポップレーベルは、実はここへきて故障が判明。少なくとも北海道2歳優駿は回避が決まっている。実質的に道営2歳トップとなったニシノデンジャラスの勝利に、ポップレーベルを一口持つ筆者としては心境複雑極まりないが、BGJr.Cのレベルが証明されたことをひとまず安堵せねまなるまい。

 

 

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2013年10月 9日 (水)

不当な評価

馬房から顔を出しているのは、

Meisho_2  

そう、メイショウサムソンです。

社台スタリオン関係者が「不当な評価を受けている」と口をそろえる一頭。そして実は私もそう考えるひとり。

産駒は父に似て骨太で筋肉質なタイプが多く、総じて脚元は丈夫なのだが、油断するとすぐに太ってしまい、それが活躍を妨げてきたとされる。

「油断すると太る」とか「太るからダメ」などと言われると、油断したデブの私としては擁護したくなるもの。こうなったら、メイショウサムソン産駒を持って、自らの手で不当な評価を覆してやりたい。

ダービー馬が種牡馬として成功しないと言われたのは昔の話で、最近のダービー馬はネオユニヴァースにしても、キングカメハメハにしても、もちろんディープインパクトにしても、皆ことごとく結果を出している。「メイショウサムソンは失敗」と巷間囁かれるのは、そんな3頭と同じような扱いを受けているからではあるまいか。

「ダービーを勝った社台の種牡馬」という点では同じでも、米国血統と欧州血統では、生まれてくる産駒はやはり違うもの。例えばジムワークの如き坂路調教ではなく、長い距離をじっくり繰り返して乗り込むような鍛え方が合っているのかもしれない。欧州では厩舎から調教場までが概して遠く、調教場まで隊列を組んで歩いて行くのも、調教の一部になっている。それを毎日繰り返せば、太り過ぎることもなくなるのではあるまいか。

実際、育成や調教の現場では、そんな様々な工夫がなされ、効果を上げ始めている。先月の佐賀の重賞・ロータスクラウン賞をキリノトップランが勝ったのも、その一例であろう。

そもそも、社台の新種牡馬ということで、産駒が大事にされすぎたきらいもある。もともとタフに使われ続けて、ついに頂点に立ったダービー馬ではないか。現場の遠慮がなくなれば、数字はあとから付いてくる。ディープインパクト産駒の勝ち馬率.616には及ばないとしても、メイショウサムソンのそれが.194という低い数字に甘んじるとは到底思えぬのである。「不当な評価」を逆手に取って、一発逆転を狙いたい。

 

 

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2013年10月 8日 (火)

痛恨の毎日王冠

「それにしてもエイシンフラッシュの仕上がりが思いのほか良いですねぇ」

Flash1  

パドックの判断基準は人それぞれ。自分の勝手な見立てなど、あまり口にするべきではないと思っている。たとえ「どの馬が良いですか?」なんて聞かれても、「いやあ、うむむ…」とごまかすこともしばしば。だって、そこまで言ったら自分だって買わないわけにはいかないじゃないですか。

なのに、毎日王冠のパドックで、つい口に出してしまった。何が良く見えるかと聞かれたわけでもない。それだけエイシンフラッシュのデキがよく見えたのか。あるいは、久しぶりの東京開催でテンションが上がっていたのか。うむむ…、両方だろうか。

パドックで馬を見るコツのひとつに「同じ馬を毎レース見続けること」というのがある。そうでなければ、好不調の変化に気付くことはできない。そういう意味ではエイシンフラッシュは数少ない私のお手馬の一頭。付き合いは3歳1月の京成杯に始まる。以来3年半あまり。秋のGⅠ戦線はほぼフル参戦してきたから、自然と顔を合わす回数も多くなった。これだけ何度も顔を合わせていれば、曇った私の相馬眼にも何かしら見えるものがある。

一方で、今回はさすがに叩き台だろうという思いもあった。4月の香港遠征以来の競馬。疲れが抜けきらぬという理由で宝塚記念をパス。オーバーホールに入ったのである。だが、今にして思えば完全な思い込み。己の眼を信じず、活字や伝聞を優先してエイシンフラッシュを買わなかった。私はバカである。ゴールの瞬間、「ああーっ!やっぱりぃ!」という私の悲痛な叫び声は遠く桜ヶ丘のゴルフ場まで響き渡り、しかるのちに目の前の机に突っ伏して泣いた。

Flash  

ダービー馬が毎日王冠を勝つというイメージが湧かなかったせいもある。私が初めて競馬場で生観戦したレースは1984年の毎日王冠。ミスターシービーがカツラギエースの逃げを捉え切れず2着に敗れたレースである。ウオッカは2年続けてまさかの2着。シリウスシンボリもオグリキャップの後塵を拝した。はるか昔にハクチカラが勝ったことがあると言われても、生まれる前では印象もなにもない。

3年前のダービー直後には、その勝ち時計の遅さから「この世代は低レベル」と揶揄する声もあった。2着ローズキングダム、3着ヴィクトワールピサ、5着ルーラーシップ。いま思えば、なんと豪華なダービーだったか。そのダービーの勝ち馬が未だに現役を続けていることに、違和感を覚える人も多い。

エイシンチャンプの父キングズベストも、母ムーンレディもどちらも、実はブエナビスタやデインドリームなどで世界的に注目を集めるドイツ血統。特に母の父プラティニは1993年のJCで4着、その父ズルムーは95年のJC優勝馬ランドの父と、日本の競馬にもゆかりが深い。ドイツが誇るこの父系は、日本では一時代を築いたシーホーク、コインドシルバーの属した長距離系として知られ、非常に強い生命力を持ちタフなことで知られる。

エイシンフラッシュが息の長い活躍を見せているのは、そんな血統の為せる業であろう。天皇賞のパドックでの再開を楽しみに待ちたい。

 

 

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2013年10月 7日 (月)

完敗の夜

1969年のスピードシンボリに始まった凱旋門賞挑戦の歴史。おそらくもっとも勝利に近づいたと思えた今回も、悲願は達成されぬまま持ち越された。

特にオルフェーヴルに関して言えば、昨年の結果が結果だけに脱力感も大きい。スタッフの準備も、手綱を負かされたスミヨンの騎乗も完璧だった。「それでも勝てないのが競馬さ」と誰かが言ったが、そんなことは小なりとも競馬に関わる人間なら百も承知している。それでもオルフェーヴルならば……と人々は期待を寄せた。私もその一人だ。

「完敗だった」という調教師の言葉に、深夜のTV画面を覗きこんでいた私は深く頷いた。本当に完敗だった。昨年のような「おぉーっ!」という瞬間が一度もない。スミヨンの手綱は、途中からあからさまに2着狙いに切り替わったように見えたが、それすらも危ぶまれるゴール前だった。

昨年とは何が違ったのだろうか?

レースが終わって、リプレイを何度も見直しつつ、ひとしきり考えた。

今年の始動戦となった産経大阪杯は、半馬身差ながら力の差を見せつける完勝。かつての破天荒なレースぶりは、すっかりなりを潜め、そこにいたのはすっかり優等生になったオルフェーヴルだった。乗馬の手法を取り入れた調教の成果だという。レース翌日には「大人になった」「完成の域に近づいた」といったコメントが紙面を賑わせた。

関係者が「大人になった」と言っても、こちらには「おとなしくなった」と聞こえる   とは知人の馬主の意見だが、そんな見方に私も同調する。スミヨン騎手がオルフェーヴルの騎乗を熱望したそのきっかけは、あの阪神大賞典の映像を見たことではなかったか。常識の埒外から飛び込んできたあのレースこそが、彼の能力のすべてを物語っているように思えてならない。

もちろん2年続けての2着は傑出した能力の証。それは世界中の関係者も、そして目の肥えたファンたちも、十分に分かっている。だから斤量差のことは口に出す必要はない。この先、日本の3歳牝馬が栄冠を手にした時、逆にそこを突かれかねない。

もうひとつ。今回の結果を「日本競馬の敗北」という悲観的なニュアンスで捉えるのはやめよう。オルフェーヴルとキズナが日本競馬のすべてを背負って出走したわけではない。凱旋門賞が今年で終わるわけでもない。競馬とは、その日そのレースでいちばん速い馬を決めるだけのゲーム。この先も闘いはずっと続くのである。

 

 

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2013年10月 6日 (日)

1年1か月ぶりの勝利

明日のスポーツ紙はロンシャンの話題で満載だろうから、及ばずながら小ブログで取り上げさせていただく。昨年9月に落馬負傷し、1年以上の休養を余儀なくされていた後藤浩輝騎手が、今日の東京7レースで、昨年9月16日中山5レース以来となる勝利を挙げたのである。

復帰初日となった昨日は6鞍に騎乗。雨にもかかわらずパドックには後藤騎手を応援する横断幕がズラリと並んだ。復帰後初騎乗は8番人気の馬でいきなり2着。スタンドは多いに沸いたが、さすがに本人も気合が入り過ぎていたのか、勝ち星を掴み取るには至らなかった。そして迎えた今日の7レース。復帰二日目とあって、後藤騎手の表情にも幾分ゆとりが見受けられる。レースに臨むにはこれくらの方がよかろう。騎手の方がハミを噛みっぱなしでは競馬にならない。

Goto1 

レースは浜中騎手のバルダメンテが逃げて、それを2番手から後藤騎手のシンボリエンパイアが追いかける展開。満を持したように直線中ほどで後藤騎手が先頭に並びかけると、スタンドから大歓声が上がった。残り200mで半馬身ほど抜け出して先頭。歓声はさらに大きくなる。復帰後初勝利は間違いない。誰もそう思った次の瞬間、あろうことか内からバルダメンテが差し返してきたではないか。

「ああっ、負けちゃう!」

前に座った女性の声は悲鳴にも近い。馬体を並べての追い比べはまだまだ続く。ファンの歓声は一層高まった。浜中騎手もリーディングジョッキーだけあって、なかなかしつこい。それにしても骨折明けの身体で大丈夫だろうか?

様々な思いが浮かんでは消えるが、まだゴールは近づいてこない。やがて気づいた。「これを乗り越えて勝ってみろ!」という競馬の神様が与えた試練ではないか。条件戦であれ重賞であれ、勝つということは簡単ではない。競馬にかかわるものなら誰もが思い知る事実だが、それをブランク明けの後藤に身を以て思い出させているのではあるまいか。

Goto2 

長い長いたたき合いの末、ついに後藤騎手が1年1か月ぶりの勝利をつかみ取った。その瞬間の歓声は間違いなく今日一番。毎日王冠をも凌ぐ祝福の声とともに、大きな拍手が湧き上った。

Goto3 

第1、第2頸椎骨折、ならびに頭蓋骨亀裂骨折。

医師によれば、即死してもおかしくないほどの事故だったという。大動脈と首の神経の間、わずか4ミリの隙間を通してボルトを固定するという大手術。長く地味なリハビリ。周囲からは本気で調教師試験の受験を勧められることもあったという。だが、単身米国に渡った17年前当時の彼を知る私は、よもやそんなこと(調教師転身)にはなるまいと信じていた。が、それでも、復帰して勝利を挙げるまでは正直自信が持てない。あれだけの叩き合いを我慢できるのだから、もう大丈夫であろう。

Goto4 

「(歓声と拍手に)GⅠを勝ったときを思い出しました」と語った後藤騎手は、来週のマイルチャンピオンシップ南部杯ではエスポワールシチーの手綱を取る。次は復帰後初GⅠ勝利と、エスポワールシチーの主戦でやはり落馬による負傷で長期療養中の佐藤哲三騎手の早期復帰を、あわせて期待したい。

 

 

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2013年10月 5日 (土)

雨の東京開幕

待ちに待った東京開催はあいにくの雨模様で開幕。パリからの知らせによれば、彼の地も雨が降ったりやんだりという空模様らしいですな。

Rain 

7レースはダート1400mの500万条件戦。4番人気サルバドールクライがスタートで大きく出遅れて、3コーナーでは1頭だけ大きく離れた最後方。それでも慌てず騒がず直線で大きく外に持ち出すと、矢のような末脚を繰り出して15頭を抜き去った。しかも、2着以下を2馬身も突き放すパフォーマンス。先行して勝ちきれなかったここ数戦の競馬が、嘘のようなレースぶりだった。

7r 

サルバドールクライの母・ホウライホーセキのひとつ上の姉は、小倉2歳Sを勝ったホウライアキコの母ホウライサンデー。すなわち、このサルバドールクライとホウライアキコはいとこ同士の間柄にある。それに気づいた時はすでに京都のデイリー杯2歳Sのゲートは開いていた。結果、不安視された距離延長をものともせずホウライアキコがレコード勝ち。もうちょい早く気が付けば、単勝にドカンとつぎ込んでいたはず……かどうかは分からないが、ともあれ、いとこ同士揃って先々への展望が大きく広がる一日となった。

2歳戦といえば、東京では500万条件のサフラン賞。ネオユニヴァース産駒のフォーエバーモアが、フルゲート18頭の激戦を制した。

9r 

こちらの課題は、逆に距離短縮によるペースの違いに対応できるかどうかにあったらしい。勝って検量に戻ってきた蛯名騎手よれば、「加速するまで時間がかかる」ということで、やはり距離はもう少しあった方がよさそうだ。むろん、それでも勝ったところに価値がある。次走は阪神JFに直行とのこと。

彼女のいとこにあたるシビル(父・ワイルドアゲイン)の産駒には、明日の毎日王冠に出走するジャスタウェイの名前が見える。前日発売で6番人気では買いにくいが、同厩舎のゴールドシップに食い下がった今週の追い切りは、なかなか見どころがあった。うーむ……、エキストラエンドも気になるのだけど、こっちも買ってみるか。買い目が増えるなぁ……。

 

 

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2013年10月 4日 (金)

波乱の毎日王冠

日曜に行われる毎日王冠は出走11頭のうち10頭が重賞勝ち馬という好メンバー。中でも筆頭格はダービー馬にして天皇賞馬でもあるエイシンフラッシュで異論あるまい。

Flash  

だが、昨年の毎日王冠では2番人気に推されながら9着に敗れた。当時手綱を取った内田博幸騎手の「使っていった方がいいタイプだから悲観することない」という言葉が思い起こされる。

「天皇賞を見据えるほどの有力馬なら、たとえ休み明けでもきっちりと答えを出すはず」

「府中の千八展開いらず」

そんな思いこみが、時に大きな波乱を呼ぶことも。

例えば2007年のこのレース。GⅠ4勝の現役最強馬・ダイワメジャーを筆頭に、9頭の重賞勝ち馬が揃ったこのレースを勝ったのは、前走で1600万条件を勝ったばかりのチョウサンだった。

Chousan  

スタートからの5ハロンが57秒5というハイペースがもたらした勝ち時計は、従来のレコードを1秒2も上回る1分44秒2。その激流を2番手で追走したダイワメジャーは3着に沈んだ。展開を考えれば、「沈んだ」というよりは「粘った」と言うべきなのであろう。だが、展開いらずの府中千八で、天皇賞を見据える有力馬が敗れたと思えば、どうしても「沈んだ」という印象が強くなる。

このレースでチョウサンに騎乗していた松岡正海騎手は「跨っただけで体が充実していると感じた」と言っていた。上昇一途の勢いは、時として格の壁をも突き破ることがある。

さて、出走11頭のうち10頭までが重賞ウイナーという今年の毎日王冠。唯一の重賞未勝利馬エキストラエンドは、前走で準オープンを勝ったばかりの格下馬だが、カーリングにディープインパクトという血統で角居厩舎所属。毎日王冠の勝ち馬にその名を連ねても不思議ではないように思える。

Extra  

しかも手綱を取るのは、6年前にチョウサンで波乱を演じた松岡騎手ではないか。角居調教師が松岡騎手に騎乗依頼するのは珍しい。果たして2度目の波乱はあるのだろうか?

 

 

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2013年10月 3日 (木)

万能種牡馬

テヘペロ、って感じのこの一頭。いったい誰でしょう?

Kinkame  

答えはキングカメハメハ。2010年、11年と2年連続でリーディング種牡馬に輝いたが、昨年は1歳年下のディープインパクトに首位の座を明け渡した。今年も現時点でディープインパクトとの差は8億円あまり。先週はロードカナロアがGⅠを勝ち、今週も東西のGⅡにはコディーノを筆頭に4頭がスタンバイしているが、この差を逆転するのはさすがに難しそうだ。

一方でダートに限れば2年連続でリーディングを獲得中。今年もホッコータルマエ、ハタノヴァンクール、アドマイヤロイヤルといった面々が大活躍している。昨日の東京盃もタイセイレジェンドの完勝だった。今年も首位の座は堅かろう。

Legend  

しかし、これには伏線がある。ライバルのディープインパクト産駒がダートに出走するケースはほとんどない。ダート適性が決して高くはないことに加え、大半が良血の高額馬ゆえ芝の大レースを目指すのは当然の選択だ。

キングカメハメハ産駒の活躍は、ディープインパクトよりもはるかに広い守備範囲によってもたらされている。タイセイレジェンドにしてもアドマイヤロイヤルにしても、デビュー当初は芝の中距離戦を使われており、決して最初からダートでの活躍が期待されていたわけではない。ロードカナロアのようなスプリンターの活躍も基本的には同じこと。むろん、芝もダートもこなし、距離も問わない万能型のキングカメハメハであるからこそできる芸当であり、決して卑屈になる必要などない。むしろ、種牡馬として傑出した能力の表れであろう。

それゆえ生産者の人気は絶大で、昨年までの3年間にこなした種付け頭数は、順に266頭、266頭、251頭。むろん3年連続日本一。サンデー系牝馬に付けられるという血統的利点を考慮しても、これだけの繁殖を集めるのはなかなかできることではない。

Kinkame2  

だが、今年は一転、種付けは81頭に留まった。理由は以前にも書いたが、大事な商売道具に支障をきたしたため。幸い症状は回復し、来年の種付けに問題もないのだが、この世代のキングカメハメハ産駒はプレミア必至との声が早くも聞こえてくる。

Ruler  

その穴を埋めるのが今年スタッドインしたキングカメハメハ直子のルーラーシップ。エアグループの血が加わることがマイナスになるとは思えず、今年の種付け頭数は208を数えた。ルーラーシップにとっては初年度からチャンスを得た格好。種牡馬としての父子対決にも注目が集まる。

 

 

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2013年10月 2日 (水)

凱旋勝利

我が国のダートグレードレースのうち1200mの距離で行われるのは、4月の東京スプリント、6月の北海道スプリントカップ、8月のクラスターカップ、10月の東京盃、そして12月のカペラステークスの合計5鞍。これにJBCスプリントが加わることもあるが、それはJBCが大井や盛岡で開催される年に限られる。今年は金沢なので、JBCスプリントは1400mだ。

スプリント重賞5鞍の中でも、東京盃は唯一のGⅡ格。残る4鞍はGⅢ格に留まる。1着賞金を比べたら、東京盃もカペラSも共に3500万円で、付加賞まで含めるとむしろ後者の方が実入りは良いという不思議な現実があるにせよ、格付的には東京盃がダート1200mの最高峰。ラブミーチャンの回避は痛恨事だが、最高峰に相応しいレースを期待したい。

となれば、GⅠ級2勝馬テスタマッタか。これまで勝った重賞レースは、2000m→1800m→1600m→1400mと徐々に距離を縮めており、順番からすれば次は1200m戦のはず。3歳時に1戦して以来の6ハロン戦となるが、その時は最後方からの直線一気で勝利した。ただ、私が期待した「最高峰に相応しいレース」というのは、「最後方からのレース」とは違う。

Testa  

そんなダジャレで遊んでいるうちにレースはスタート。1番人気のタイセイレジェンドが、4角で先頭に立つと、直線は後続を離す一方の横綱相撲で、このレース初制覇を果たした。さすがは昨年のJBCスプリントの覇者。2着テスタマッタにつけた3馬身半という着差は、スプリント戦なら大差にも近い。

Tokyohai  

管理する矢作師は、生まれ育った大井競馬で初めての重賞勝利である。感慨もひとしおであろう。鞍上も大井所属だった内田博幸騎手というのが、また泣かせる。例によって上位をJRA所属馬が独占した中にあって、それでもどこか和気藹々とした空気が感じられたレース後だった。

 

 

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2013年10月 1日 (火)

デカかった

10月を迎えた大井競馬は開催3日目。今日のメインはオープン馬によるマイルの準重賞ムーンライトカップです。

Kibitan  

まずは、昨日に引き続き「キビタン号」に立ち寄る。今宵のチョイスは「うつくしまエゴマ豚」のソーセージ。粗びき、ペッパー、キムチの3本入りで500円なり。

Egomaton  

私はこれまでずっと「エゴマブタ」と呼んでいたのだけど、正しくは「エゴマトン」なんですってね。ふーむ、勉強になります。

エゴマトンはその肉質の柔らかさと豚とは思えぬ芳醇な香りが何よりの特徴。それをすり身にしてハーブを混ぜこむなんてもったいない気もするが、美味いのだから文句は言うまい。ただ、個人的には柔らかさと香りが存分に味わえる串カツが食べたかった。移動販売の制約もあるだろうが、次回に期待したい。揚がるまでの時間くらい喜んで待ちますので。

そんなこんなでムーンライトカップ。マイルグランプリの前哨戦であり、そこを経て牡馬なら浦和のゴールドカップ、牝馬なら暮れのシンデレラマイルへと続く秋~冬のマイル路線の一里塚でもある。その1番人気は牝馬マニエリスム。ナターレ、クラーベセクレタのいないここは勝っておきたい。

Manie  

一昨年のこのレースの覇者ゴーディーが差のない2番。背負い頭の58キロに、1年2ヶ月の休み明けは決して楽ではあるまいが、果たしてとうか。

Gode 

レースは逃げたゴーディーに、直線でマニエリスムが並びかける展開。人気2頭のマッチレースかと思ったその瞬間、大外から巨体を揺らして追い込んだ3番人気クリーンが、まとめて交わして1着ゴールを果たした。

Clean  

マニエリスムやゴーディーより100キロ以上も重い馬が、スタンドに近いところを駆け抜けたのだから、その迫力たるや半端ではない。ちなみに今日の体重は616キロ。レース後に「強かったなぁ」という声が聞こえることは間々あるが、「デカかったなぁ」という声は初めて聞いたような気がする。

 

 

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