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2013年9月21日 (土)

金銭感覚

ソロル(父シンボリクリスエス)の会員氏が神戸新聞杯を見に阪神に行くという。

それで、ぜひ頑張ってくださいと伝えると、「それにしても人気がないなぁ」とこぼしていた。それを思い出して、どれどれと前売りオッズを調べてみると、21時時点であろうことか最低人気ではないか。まがりなりにも3勝馬である。デビュー戦の1位入線(10着降着)を勝ちと見れば、(4,1,1,3)だというのに……。

こうなったら、私が単勝にいくらか突っ込んで、人気順位を上げてやろうか。

永く競馬に付き合っていると、こんな風に「オッズを動かしてみたい」という衝動に駆られることがある。ありませんか?

地方競馬に足を運べば、自分の一票で人気が大きく変わることよくある。私もかつては笠松や高崎で、面白半分にそういうことをやっては悦に入っていた。だが「オッズを動かす」という言葉が本来の意味を持つのは、やはりJRAレベルにおいてであろう。

ひと昔前は「ひとりで場外一ヶ所ぶんの金額を動かす」というような超大口購入者がいて、その人物が単勝を購入すれば、たちまち1番人気になってしまうということがよくあった。何しろ一度にまとめて5千万円分の馬券を購入したりするから、窓口対応は大わらわになる。それが人目に触れて提灯を付けにくる(大口に乗っかる)客が集まってくるから、さぞかし整理業務も苦労したであろうと察する。

だが、そういう話を聞かなくなって久しい。数年前に話題になった「ミラクルおじさん」にしても、ヒシミラクルに投じた単勝は1200万円どまりだった。

あの日の大口勝負師はいったいどこへ行ってしまったのだろう。あるいは馬券で身を滅ぼして、社会の闇に消えてしまったのだろうか。

だが、競馬で身を滅ぼす奴はいても、馬券で身を滅ぼす奴は存外に少ないのである。

この言葉には説明を要する。すなわち、一文無しになるまで馬券を買い続けるようなバカはいない。怖いのは競馬場で体感した金銭感覚を、そのまま通常生活にまで持ち込んでしまうことだ。

競馬場で一日を過ごせば、千円札や一万円札が派手に財布を往き来する。それが続くと己の金銭感覚はマヒし、例えば普段なら高価で見向きもしないようなモノが、さしたる価格ではないように思えてくることがある。

だが、勝ったり負けたりしながら千円札が派手に出入りするのはあくまでも見かけ上のこと。「収支」という視点に立てば、やり取りしているのは実は案外小銭だったりするものである。それに気付かぬまま金銭感覚を失うと、実生活において取り返しのつかぬ散財をしてもなかなか気が付かない。そうなったら先は見えている。

ようは、1レース5千万円の勝負を淡々と続けるような人物が、もし家産を破るような事態に陥ることがあったとしても、その直接の原因は馬券ではなく、他の何かであろうということだ。5千万円が5千円であっても同じこと。我々もじゅうぶんに気をつけたい。

 

 

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