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2013年9月 7日 (土)

五輪を目指したサラブレッド①

東京が招致を目指す2020年のオリンピック開催地が、あと5時間ほどで決まる。

今日のニュースは五輪一色だった。結果がどうあれ、明日も状況は同じであろう。2016年招致運動の時にあった「大井競馬場で近代五種(馬術)実施予定」の要項がなくなったことで、個人的には興味は半減している。果たしてどうなることやら。

近代五種に含まれる馬術は「耐久」。いわゆるクロスカントリーである。大井でやるとなれば、本馬場に障害や水壕を設営したのであろう。「馬場馬術」や「障害飛越」に比べて走力が問われる種目だけに、総合馬術3種目の中においてはサラブレッドに分があると言われる。ディープインパクトやオルフェーヴルのようなチャンピオンホースを訓練してクロスカントリーを走れば、かなりの好成績を収めるのではないか   ? そう思わずにはいられない。

だが、そんな私の思いの前には3つの大きな壁が立ちはだかる。

まず第一に適性の問題。競馬の世界でチャンピオンになるような馬は、おしなべて気性が激しい。その激しさこそがチャンピオンたる所以なのかもしれないが、馬術競技馬には何より穏やかな気性、従順さが求められる。

もし気性の素直なチャンピオンホースが誕生したとしても、そういう素質馬は馬術よりも種牡馬の道を選ぶのが普通である。これが第二の、そしてもっとも大きな壁であろう。年間30億、10年を見積もれば300億もの種付料収入が見込めるような金のタマゴを、むざむざ去勢するようなことは考えられない。

仮にこれら二つの壁を越えて、一大決心のもとに馬術に転向するチャンピオンホースが現れたとしても、確実にメダルを狙えるような状況下でなければ、せっかくの決心も水泡と化す。残念なことに、世界トップクラスの馬術選手が日本には存在しない。北京オリンピック総合馬術の日本人最高順位は大岩選手の49位。ロンドンでは根岸選手の39位だった。これが第三の壁ということになる。

しかし過去に一度だけ、奇跡的にこれら3つの壁をことごとくクリアし、我が国の競馬のチャンピオンホースがオリンピックの舞台で活躍したことがあったのである。

馬の名はアスコット。1936年のベルリン五輪のことだった。

(明日付に続く)

 

 

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