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2013年7月26日 (金)

少頭数はつまらないか

函館に2歳馬が集まらず、新馬戦が少頭数ばかりで面白くないという趣旨のコラムを、某スポーツ紙で目にした。「これがギャンブルとして成立するのか」とまで書いてある。

先週までに函館で行われた新馬戦13鞍の平均頭数は8.2頭。函館以外の競馬場では35鞍の平均で12.8頭だから、確かに少ない。だが、ギャンブルとして成立するかと言われれば、そりゃあ「する」でしょう。海外では4頭立てや5頭立てなどザラ。賭けを成立させるなら2頭で済む。

函館に2歳馬が集まらないのは、改修工事中の札幌競馬場の馬房が使えず、函館の限られた馬房で馬の入れ替えを強いられているためだ。その反動で、函館以外の競馬場は2歳馬の出走ラッシュが続いている。先週の福島と中京で行われた新馬戦4鞍はすべてフルゲート。開催が替わった今週末も、新潟は3鞍の新馬がすべてフルゲートで、8頭が除外。小倉も3鞍の新馬戦で5頭が除外の憂き目を見た。対して、函館の2鞍は7頭立てと10頭立てに留まっている。

ところで、「少頭数の競馬は面白くない」というのは、競馬ファンに広く浸透する共通認識なのだろうか? 私などは、「うわ! 18頭もいたら当たりっこないじゃん!」と、フルゲートの馬柱を見るだに恨めしくなる(笑)

テンポイントがトウショウボーイに雪辱を果たした1977年の有馬記念は8頭立てだったが、いまだにこのレースを「我が国競馬史上最高のレース」と評する声は大きい。その年の宝塚記念も6頭立てだが、その6頭すべてがGⅠ馬という豪華メンバーで、レースは多いに盛り上がった。

また「史上最高のGⅡレース」と言われる1998年の毎日王冠は、9頭立てで行われている。サイレンススズカ、エルコンドルパサー、そしてグラスワンダーの対戦は、外国産馬が天皇賞に出走できなかった当時、ここでしか見ることのできないファン必見のレースとなった。このように、競馬史にその名を残す名勝負は少頭数になることが多い。なぜか。強力なメンバーが揃えば、脇役の出る幕はなくなるからである。

新馬戦が少頭数になる理由は古馬とは異なるが、調教師には多頭数の新馬戦を嫌う向きも多い。なにせ全馬が初めての競馬。調教の度合いも同じレベルとは限らない。ゲートに入らぬ馬もいれば、コーナーを曲がれぬ馬もいる。それがフルゲートとなれば……。アクシデントを心配するなと言うこと自体、ちょっと無理がある。「10頭くらいがちょうど良いのだけど…」とその調教師は言うのだが、コースや距離を選べても、頭数まで選ぶことはできない。

Chester 

そんな事情はどうあれ、馬券的には、6頭や7頭では妙味がないと件のコラムの筆者は言うのだろう。我が国の馬券は、単勝・複勝・枠連の3種類のみという時代が長く続いた。6頭立ての枠連の組み合わせは合計15通り。確かにこれでは面白くない。だが、今では3連単があるではないか。かつて日本の競馬ファンが羨望した3連複や3連単が、海外ではずっと当たり前に売られていたのは、4頭とか5頭といった“本当の少頭数競馬”が普通だからである。

6頭立てや7頭立てを「少頭数」と嘆くのは、永きに渡り単複枠連のみの馬券しか許されなかった日本競馬ファンの悲しい性(さが)ではあるまいか。3連単なら、たとえ6頭立てでも120通りの組み合わせが楽しめる。スポーツ紙に求められるのは、そんな楽しみ方をサポートする有益な情報であろう。

 

 

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