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2013年7月10日 (水)

父子制覇

ジャパンダートダービーの出馬表を見て、思わずため息が出た。

人気を集めているのはJRA所属の6頭。いずれも3勝以上を挙げているか、もしくは重賞を勝っている実力馬である。しかもよくよく見れば、彼らは血統からして一流であった。人気のクリソライトの母・クリソプレーズはJCダート勝ち馬アロンダイトの全兄だし、アルムダプタはジャングルポケットの従兄弟。エーシンゴールドの母 Home From Oz は種牡馬Tapitの全妹で、Tapitと言えば2009年のこのレースの勝ち馬テスタマッタが真っ先に思い浮かぶ。

Ashin  

ベストウォーリアの祖母 Seductive Smile は、半兄に本邦輸入種牡馬ニゾンを持ち、ケイアイレオーネの祖母 Northern Pageant の半兄は、なんと種牡馬サザンヘイローであり、チャーリーブレイヴの祖母 Catnip は、あろうことか米ベルモントS勝ち馬エディターズノートの半姉である。セレクトセールは終わったばかりなのに、まるでセレクトセール上場馬のブラックタイプを見ているような気分になってくる。

対する地方側も負けてはいない。東京ダービー2着のジェネラルグラントは、母グリントウィークの半弟に重賞2勝で朝日杯2着のストーミーカフェがいるし、その東京ダービーで圧倒的人気を裏切ってしまったアウトジェネラルの母アウトオブザウィムは、GⅠ級7勝馬カネヒキリの半姉である。言うまでもなく、カネヒキリは2005年のこのレースの覇者でもある。

ジャパンダートダービーは、迎えた今回が15回目。創設当初は、頭数も揃わず、1000万条件の馬でも出られるような時代もあったが、ようやくこうした世界的良血と言っても差し支えないような馬たちが一堂に会する大きな舞台に成長した。南関東を根城にする人間としては、誇らしい限り。地方とJRAとの力量差云々……といういつもの繰り言も、今日このレースばかりはさほど気にならない。

勝ったのは1番人気のクリソライト。直線で先頭に並んでから仕掛けられると、瞬く間に7馬身差をつける独走。これはモノが違った。

Jdd1  

クリソライトの父ゴールドアリュールは2002年のこのレースの覇者であるから、15回目にして初めてとなる父子制覇が達成されたことになる。また、7馬身という着差もゴールドアリュール以来のこと。ゴールドアリュールは暮れの東京大賞典も制して、3歳馬ながらこの年のJRA最優秀ダートホースに輝いた。果たしてクリソライトはゴールドアリュールの再来なのか? 今の古馬陣はホッコータルマエを筆頭に層が厚いが、「このメンバー相手にこの強さなら……」と思わずにはいられない。

Jdd2  

レース後にひと悶着あった。ハナを切った地方馬の進路の取り方に、別の地方馬の騎手から非難が殺到。「選定基準を見直せ」という声まで聞こえてきたのである。たしかに、この騎手については、ふたつ前のレースでも「ちょっと危ないな」と思わせるシーンがあった。本来なら祝福のムードに包まれるべき業務エリアが、険悪な空気が漂ってしまったことは、画竜に点睛を欠く思いがしてならない。

ゴール前の攻防を見る限り、「3歳ダートチャンピオン決定戦」としての立場をすでに確立したように思えるJDDには、「地方ダービー馬の祭典」という役割もある。そして、後者の位置付けがあり続ける以上、こうしたシーンを拭い去るは難しかろう。被害を受けた馬の関係者には気の毒としか言いようがない。

 

 

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