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2013年7月 8日 (月)

【訃報】デュランダル

セレクトセールの初日に思わぬ訃報が飛び込んできた。GI3勝の名マイラー・デュランダルの突然の訃報。セレクトの上場馬の下見に出た何人かの馬主から「こっち(北海道)はひどく暑い」という連絡が相次いだ日曜日のことだから、あるいはその猛暑が遠因だろうか。いずれにせよ14歳は若い。

Durandal2  

かつて、「サンデーサイレンスにノーザンテースト牝馬の配合ではGⅠは勝てない」と言われた時代があった。重賞が勝てないわけではない。実際、サンデーサイレンス×ノーザンテーストの配合によるJRA重賞勝ち馬は20頭を数え、重賞を勝ったサンデーの組み合わせの中ではもっとも多いのである。だが、なぜかGⅠには届かない。そんな不可解なジンクスを打破したのが、デュランダルであった。その後、アドマイヤマックスやダイワメジャーが、デュランダルの切り開いくた道をを追うようにGⅠを勝つこととなる。

Durandal1 

そもそも、「神様」とまで称されたノーザンテーストの血と、驚異の種牡馬サンデーサイレンスの血が合わない理由はない。だが、最高と最高との組み合わせは、時に意外な困難を伴うもの。サンデーサイレンスの晩年になってようやく前出の3頭が誕生し、いずれも種牡馬となったことは、日本競馬界の快挙と言っても差支えあるまい。

Erinco 

エリンコートがオークスを勝った時、後藤浩輝騎手は「このスタミナは、父親のイメージとは結びつかない」と振り返り、筆頭馬主の吉田照哉氏も「2400メートルは長いと思った」とコメントを残した。

誰もが驚いたオークスだったわけだが、エリンコートやカリバーンのように芝の中距離で活躍する産駒もいれば、フラガラッハのようなマイラーもいる。かと思えば、デュアルスウォードのようなダートのスプリンターもいる。かように適性の幅は広く。しかも産駒は総じて2歳の早い時期にデビューを果たし、3歳になってからもう一度成長するケースも目立つ。

この特徴はノーザンテーストそのものではないか。実際、デュランダルの産駒には小柄で重心の低いタイプが目立つ。これはサンデーサイレンスではなく、ノーザンテースト産駒の特徴でもある。

Durandal3  

そういう意味でもデュランダルの死は惜しまれる。日本競馬の興隆を支え、「神様」とまで呼ばれたノーザンテーストの父系ラインはほぼ途切れてしまったけど、遺伝的、実質的にその特徴を伝える種牡馬が、一頭消えてしまった。残された産駒から、ノーザンテーストの血を実質的に後世に伝える大物の出現を期待したい。

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