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2013年6月 9日 (日)

野次

東京3レースの3歳未勝利戦に、今日最初の騎乗となる岩田康誠騎手が姿を現すと、一人のオジさんが激しいヤジを浴びせ始めた。

Padock  

昭和の当時ならともかく、最近の競馬場では珍しい。だがその内容は、昭和とは何かが違うのである。

「岩田っ! てめぇ、汚ねぇ乗り方ばっかしてんじゃねぇよ!」

「自分ひとりで競馬やってんじゃねえだろ!」

「わかってんのかコラ! もっとフェアにやれ!」

かつて、パドックのヤジは前のレースで負けた騎手に向けられるものと相場が決まっていた。つまり「下手クソ!」「金返せ!」の類である。このオジさんも、安田記念ではショウナンマイティの単で大勝負をしていたのかもしれないが、勝った騎手に対するヤジというのは、聞いていて違和感を覚えた。

 Yasuda

安田記念の直線で外斜行し、10万円の過怠金という制裁を受けた岩田騎手に対する非難が広がっている。ネット上の匿名の声はともかく、評論家や馬主の一部からも彼の騎乗を問題視する声が上がったことで、競馬ファンの間にも馬券の収支を超えた憤怒が芽生えたのかもしれない。

あの安田記念のあと、何人かの記者やカメラマン、あるいは他競技の審判らと問題のシーンについて議論を交わす機会を得たのだが、その結論はすべて「ルール上はセーフ」というものであった。もちろん、美しい競馬ではなかったことは間違いないから、私自身岩田騎手を擁護するつもりはない。ここでのポイントは、ルール上セーフである以上、これがJRAが目指した競馬の姿であるという点にある。

昨年までは「他馬に妨害を与えた場合」だった審議基準が、今年から「妨害がなければ、被害馬が加害馬に先着していた場合」に変更となったことは周知の通り。安田記念の判定に多くのファンが納得できないのは、昨年までの判定基準のイメージから未だ抜けきらぬ証であろう。海外から「世界一フェア」と絶賛されたJRAの競馬は、JRA自身の手によって既に葬り去られた。もはやこれがJRAの目指す姿であると諦めるしかない。

安田記念を報じた新聞各紙も、岩田騎手の過怠金について「後味の悪さが残った」と判を押したような表現でまとめていたが、これがルール上セーフであり、ルール変更によってもたらされた変化の典型であるとなぜ明確に書かないのか。「後味の悪さ……」で済ませては、岩田一人が悪者になってしまう。「もっとフェアにやれ」というヤジが、正しい方向を向くよう導くのもメディアの役割であろう。

「ルールの範囲内なら何をやっても良いのか?」という批判めいた質問もあるようだが、それは「YES」であるとしか言いようがない。野球であれサッカーであれルールの範囲内で最大限の結果を求めるのがプロのアスリート。そこにファンの投じたお金が賭けられている競馬はなおさらだ。文句はルールを作った人に言うべき。現場は勝つことを最優先に戦っている。

3r 

ちなみに岩田騎手は、この3レースで5番人気グランデアリュールを見事勝利に導いた。さすが、園田のディープなファンに鍛えられただけのことはある。ヤジごときで動じるほどヤワなハートの持ち主ではない。

 

 

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コメント

競馬とサッカーは同じスポーツでも危険行為についての
捉え方が違うと思いますが。少しまとめ方が荒いですね。
もう少し多角的に深堀りしてほしいものです。
騎手の行為による安全面は無視ですか?
プロのアスリートだからJRAがそういう方針だから?
そういう発言を馬主である方がするのは少し残念です。
ファンはおいてけぼりですね。

投稿: 名無し | 2013年6月19日 (水) 05時11分

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