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2013年6月20日 (木)

肉の香り

グルメ番組で高級なステーキを紹介するレポーターの第一声は決まっている。「うわー、やわらかーい!」。しかるのちに、「ぜんぜん臭みとかなーい!」と続く。いつも注意して見ているのだが、これ以外のリアクションは見たことがない。想像するに、彼ら彼女らは、普段よほど硬くて臭い肉を食べているのであろう。

なんて皮肉はさておき、日本人は味わっているものに対しての表現方法が食感に頼りすぎているところがある。「コリコリして美味しい」「サクサクして美味しい」「アツアツで美味しい」という舌触りや温度などの食感を“美味しい”と判断するのである。逆に嗅覚、すなわち匂いに関する表現はとても少なく、たまに使われても冒頭のように邪魔なモノとして扱われることが多い。

そもそも食感を重視する風潮は我が国の食文化のひとつ。でなければカマボコやはんぺん、あるいは和菓子の「葛桜」のような料理は生まれまい。刺身にしても、その弾力が味を左右することを日本人の味覚はよく知っている。

だからといって、ステーキの美味い不味いは、肉の柔らさだけで決まるものでない。味わいに嗅覚が大きなウェイトを占めることは、鼻をつまんでモノを食べてみればすぐわかる。なのに、なぜか香りに関する表現を避けたがる。いやむしろ、肉は臭いものであるかのような発言さえ飛び交う始末。肉に対して無礼に思えてならない。

牛肉には、桃やココナッツに似た甘くてコクのある香り独特の甘い香りがあって、それが旨味のもととなっている。さらに、飼料由来の香りやその土地ごとの土の香りまでもが混ざり合うことで、独特の芳香を醸し出す。それがいわゆる“コク”のもと。これに触れぬのは、なんとなくもったいない気がする。

Kurobeko 

日高道・富川インターを降りて、国道237号線を平取方面に数分進むと、『くろべこ』という赤い外観のレストランが目に入ってくる。びらとり牛のステーキを食わせてくれるお店。ステーキを焼くジューッという音と、食欲中枢を直撃する強烈な匂いがたまらない。表現の仕方というものはTVなりの都合があるのかもしれないが、少なくともステーキは歯触りだけで味わうものではないよな、と改めて感じさせてくれる店だ。

 

 

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