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2013年5月16日 (木)

モチモチとシャキシャキの狭間で

日曜の東京6R。フルゲート18頭のゲートが開いた次の瞬間、場内から悲鳴にも似たどよめきが上がった。あろうことか単勝オッズ1.5倍の1番人気エールブリーズが、スタートで大きく出遅れたのである。ポツンと最後方を追走する人気馬の姿に、「あぁ、終わったぁ!」という呻き声も聞こえてきた。

Breeze 

ところが馬群が直線に向いて、やおら外に持ち出したエールブリーズの馬体がグッと沈んだように見えたかと思うと、そこから矢のような加速を見せて、前を行く全馬を差し切ってしまったのである。まさしく絵に描いたようなゴボウ抜き。「Breeze(そよ風)」と呼ぶには強烈過ぎる末脚に、場内には安堵のため息が響いた。

こんなレースを見た直後は、無性にゴボウが食べたくなるものである。

Mugi 

フジビュースタンド『夢吟坊』の「冷やしかき揚げうどん」は、かき揚げうどんには珍しく、かつ京うどんとしても珍しい「冷やし」のスタイル。キリッと冷えた京うどんはモチモチ感に優れ、薄くスライスされたゴボウのかき揚げは、冷たいツユに浸されることでシャキシャキ感がよりアップしている。モチモチとシャキシャキの奇跡の出会いが、いまこの一杯に実現した。なんとなくエールブリーズに感謝したくもなる。

「ゴボウ天うどん」がメジャーな存在であるのに対し、「ゴボウ天そば」をあまり見かけないのは、モチモチとシャキシャキのコントラストが織りなすその愉悦にあるのではあるまいか。だとすれば、うどんでも讃岐のようなコシの勝った麺ではなく、博多うどんのような柔らかい麺の方が具合がいい。博多うどんの店に「ゴボウ天うどん」が欠かせないのは、そのためであろう。

Dontaku1 

そんな折、東京駅八重洲口に博多うどんの立ち食い店がオープンしたというので、さっそく足を運んでみた。その名も『丼拓(どんたく)』。

Dontaku2 

カツオ、サバ、ウルメイワシから引いたダシに、福岡の食卓には欠かせないニビシ醤油で仕上げたというツユを衣に纏ったゴボウ天は実に滋味深く、博多うどん特有のモチモチ感とのコントラストもシャキッと冴え渡っている。戦時中、捕虜にゴボウを与えた日本兵が「雑草の根を食べさせる虐待」の罪で戦犯となったことを思えば、欧米人にこの美味さは理解できまい。まさに日本人の愉悦。たかが380円のゴボウ天うどん一杯で、たいそうなことにまで思いが及んだ。

 

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